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電撃傷・雷撃傷・感電


電撃傷・雷撃傷・感電ってどんな病気?

身体に電気が通る

 

イメージ画像 身体に電気が通って何らかの反応を示す現象を、一般的には感電と呼びます。感電のような電気的傷害は電撃傷と呼ばれます。落雷による感電の場合、雷撃傷と呼びます。
 通常の熱傷との違いは、傷害の大部分が人体に電流が流れた場合に人体抵抗によって発生するジュール熱によって、身体の内側から発生する熱によって起こります。そのため、取り扱いには特殊な点が多くなります。
 軽症の場合は、ピリピリとしびれるだけです。

患者数は減少しています

 

 電撃傷は電気消費量・電気機器の増加にも関わらず、患者さんは減少傾向にあります。それでも年間約500人が負傷者がおり、約200人の死亡者がいると言われています。
 電撃傷の多くは、高電圧の電気を取り扱う人にみられます。幼児がコンセントに金属片を差し込んで手指を負傷したり、電化製品のコードを噛んで顔面に受傷することもあります。

生命の危険も

 

 感電が明らかならば、皮膚の傷害が軽度であっても重症と診断します。
 死亡原因の多くは、心室細動と呼ばれる致命的な不整脈によって起こります。


電撃傷・雷撃傷・感電の特徴は?

電気の種類

 

イメージ画像 電撃傷では身体を流れる電気の種類によって、身体に与える影響はさまざまです。

 

たとえ電圧が低くても、電流が流れれば直流でも危険です。

 

直流よりも、交流の方が危険です。

 

交流では周波数が低い方が危険です。心室細動は40Hz〜100Hzの周波数でもっとも起こりやすく、一般家庭電源の50Hz〜60Hzはもっとも危険です。

 

乾燥した皮膚より湿った皮膚、濡れた皮膚の方が危険です。

 

手から下肢への通電経路でもっとも不整脈の発生頻度が高くなります。

 

男性より女性の方が感受性が高く、男性の2/3の弱い電流でも感電します。


電撃傷・雷撃傷・感電の治療法は?

重症の場合は入院

 

イメージ画像 熱傷と同様、重症な場合は入院治療が必要になります。

手術

 

 臓器や組織の圧力が浮腫や緊張のために高まり、循環器が障害を起こしている場合は、圧力を下げるために減張切開手術(げんちょうせっかいしゅじゅつ)を行います。
 手指も損傷している場合は、機能障害を最小限にするため、壊死部分を取り除き、遊離皮弁術(ゆうりひべんじゅつ)を行います。遊離皮弁術とは修復する部位が皮膚だけでなく、脂肪組織や筋肉などが欠損している場合に使用する方法です。手術用顕微鏡を使用して血管や神経を縫い合わせるマクロサージャリー技術によって、切り離した組織の血管を、修復する部位の血管と縫合し、再び組織へ血液が流れるようにして生着させる方法です。
 局所療法は、3度熱傷に準じた処置を行います。


電撃傷・雷撃傷・感電の応急処置は?

見た目よりも重症の場合が多い

 

イメージ画像 感電や落雷に遭った時、電流によって全身の筋肉が麻痺し、呼吸や心臓が停止してしまうことがあります。感電した時に発生した熱や、通電によって熱傷を負ったり、感電後に転倒して打撲するなど外傷が生じることもあります。
 強い電流が流れると、身体の内部にひどい熱傷を負うため、表面に見られる熱傷が小さくても、時間と共に深くなり広がっていくこともあるので、見た目よりも重症であることが多いのが特徴です。

二次被害に遭わないように注意

 

 感電と思われる場合、家庭用電流でも心肺停止など生命にかかわるケースがあります。
 室内であればブレーカーを落とすのが、もっとも安全です。ブレーカーを落とすことができなければ、電源コンセントを抜きます。
 屋外であれば負傷者の周囲にある電線などを、電気を通さない乾いた木の棒などを使って避けるなどして、救助者が感電しないように細心の注意を払います。
 落雷の場合、危険がないことを確かめてから、救助に向かいます。

反応を確認し心肺蘇生を開始

 

 負傷者の反応があるかどうかを調べます。反応がなければ、気道を確保し、すぐに心肺蘇生を開始します。
 心肺蘇生を行うと同時に、119番通報して救急車を要請し、できるだけ早く集中治療ができる病院へ搬送する必要があります。


電撃傷・雷撃傷・感電かなと思ったら?

意外と重症なことが多い

 

イメージ画像 電撃傷での傷害は通常の熱傷とは異なり、ジュール熱によって予想以上に深度にまで及んでいる場合があります。受傷直後は何でもなくても、数日してから傷害が明らかになることもあります。
 感電後に意識を失った場合、心肺機能の停止状態と考えられる場合など、心室細動の可能性があるため、すぐに救急車を要請する必要があります。

ちょっとした症状でも病院へ

 

 電流の出入り口の皮膚に見られる黒褐色の潰瘍ができる電流斑(でんりゅうはん)、身体表面の放電の火花によって1度熱傷が起こり皮膚の表面に樹枝状の発赤がみられる電紋(でんもん)の部位を観察します。さらに、通称「ふかれ」と呼ばれる電気火花や、身体表面近くで起こる一種の放電状態のアークによる熱傷、アークから皮膚が燃えて受傷する熱傷の有無と面積を観察することが重要です。
 共通、血尿、筋肉痛、背骨の痛み、全身の倦怠感、頭痛などがみられる場合、病院へ行って診察を受けた方が良いです。

感電現場での注意

 

 電撃傷が疑われる場合、続発事故を防ぐために、必ず受傷者とその周辺が荷電状態にないことを確認する必要があります。
 感電時の状況、発生時間、原因となった電気の電圧、接触時間などの情報を得ることも、非常に重要となります。

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