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 鼻閉・鼻詰まり
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鼻閉・鼻詰まりってどんな病気?
鼻閉・鼻詰まり・鼻づまり
  イメージ画像 鼻閉とは、鼻閉塞・鼻詰まりのことです。鼻腔が狭くなって空気抵抗が大きくなり、鼻呼吸が十分かつ円滑にできなくなった状態をいいます。程度の差はありますが、ほとんどすべての鼻の病気の症状として現れます。
 しかしすべての鼻詰まりが、病気が原因によるものではありません。
 片側の鼻が数時間で左右交代に起こる鼻閉は、ネザールサイクルと呼ばれる生理現象で病気ではありません。
 病的な鼻閉とは、両側の鼻閉と、いつも同じ側の鼻が詰まっている鼻閉です。

鼻閉・鼻詰まりの原因は?
さまざまなタイプの鼻詰まりがある
  イメージ画像 病的な鼻詰まりには、鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)や先天性後鼻孔閉鎖(せんてんせいびこうへいさ)など鼻の骨の構造に原因のある構造的な鼻詰まり、アレルギー性鼻炎など炎症で鼻の粘膜の腫れ・腫脹による機能的な鼻詰まり、鼻腔内のポリープや腫瘍による器質的な鼻詰まりがあります。
 手術などによって鼻の中が広くなりすぎて抵抗感がまったくなくなった場合の鼻閉感もあります。こうしたケースは、エンプティーノーズと呼ばれます。
 過剰な鼻汁による鼻漏による鼻詰まり、鼻前庭湿疹(びぜんていしっしん)などによるかさぶたや鼻糞(はなくそ)などの痂皮(かひ)による鼻詰まり、鼻腔異物による鼻詰まりもあります。
 鼻閉感を訴えない人でも、いつも口を開けて口呼吸をしている時は鼻詰まりがあるはずなので、検査する必要があります。
鼻以外が原因の鼻詰まり
   鼻以外に原因がある鼻閉感もあります。
 小児・幼児では、鼻の奥にある扁桃腺の腫れ・アデノイド肥大が大きいため、鼻呼吸ができないことが多くあります。
 上咽頭(じょういんとう)の腫瘍など、上咽頭の病気が、後鼻孔を塞ぐなどにより鼻詰まりを起こすことがあります。
 成人では、仰向けに寝ると鼻呼吸ができない場合はのどちんこ・口蓋垂(こうがいすい)が大きい場合があります。大きないびきや、睡眠時無呼吸症候群の原因となります。
 鼻は通っているのに鼻詰まりや呼吸困難を自覚する、心因的鼻閉(しんいんてきびへい)。鼻粘膜の乾燥やストレスが原因になっていることもあります。
甲介骨の働き
   鼻には、吸い込んだ空気を加湿・加温する働きがあります。
 鼻の中には甲介骨(こうかいこつ)という数枚の骨が突出しています。ラジエーターの放熱板のように表面積を広くして、呼気を加湿・加温しやすくしています。
 下鼻甲介骨(かびこうかいこつ)には海綿状静脈洞(かいめんじょうじょうみゃくどう)という分厚い血管網が表面を取り巻き、その表面をさらに粘膜が覆っています。そのため温かい血液と、吸い込んだ空気の間で熱交換が行われ、呼気は温められます。
 自律神経の作用で多くの血液が海綿状静脈洞に流れ込むと、血管が拡張して粘膜が膨張し、鼻の中の空間が狭くなって鼻詰まりを起こします。
アレルギー性鼻炎の鼻詰まり
   海綿状静脈洞に血液が多く流れ込み粘膜が膨張するのは、陰茎が勃起するのと同じメカニズムです。バイアグラなど、ED・勃起障害の治療薬でも、鼻詰まりが起こります。
 生理的鼻閉、風邪をひいた時の両側性鼻閉も、同じ仕組みで起こります。
 アレルギー性鼻炎の両側性鼻閉では、血管の拡張による原因と、好酸球(こうさんきゅう)という白血球の炎症による粘膜のむくみ・浮腫による原因があります。アレルギー性鼻炎では白血球の炎症による粘膜の浮腫が原因によることが多く、ダニ・ハウスダストなどによる通年性アレルギー性鼻炎では9割、スギ花粉症では7割が白血球の炎症による粘膜の浮腫が原因です。

赤ちゃんの鼻閉・鼻詰まりは?
赤ちゃんは大人より詰まりやすい
  イメージ画像 赤ちゃんの鼻は大人に比べて非常に狭く、ちょっと鼻の粘膜が腫れたり、鼻水が出ると、さらに鼻の中が狭くなります。
 赤ちゃんは鼻呼吸しており、口呼吸できるようになるまで生後2ヶ月〜3ヶ月かかります。
 鼻が詰まると良く眠れなかったり、ミルクを飲む時に息継ぎができず上手く飲めなくなってしまうことがあります。
 鼻詰まりがひどい時は、耳鼻咽喉科や小児科で鼻処置を受けるようにしましょう。
日常生活の注意
   部屋の中が乾燥していると、鼻水が乾燥して鼻の中で鼻糞が詰まってしまうことがあります。
 鼻糞を無理矢理に除去しようとすると、鼻の粘膜がこすれて傷が付いたり、出血してしまうこともあります。入浴後など、鼻の中が湿っている時に、綿棒で鼻の中を拭き取ってあげましょう。市販の鼻吸い器などで鼻水を取ってあげると、鼻が通って呼吸もラクになります。
成長によって消失
   赤ちゃんの鼻詰まりは、成長して鼻が大きくなるに従って、ほとんど良くなっていきます。

鼻閉・鼻詰まりの治療法は?
薬による治療
  イメージ画像 好酸球の炎症による鼻詰まりには、局所ステロイド点鼻薬と、抗ロイコトリエン内服薬がもっとも効果的です。
市販の点鼻薬
   薬局で販売されている点鼻薬はアドレナリンの一種で、海綿状静脈洞の血管を急激に収縮させ、鼻詰まりを解消させます。
 最初は4時間程度の効果が続きますが、使い続けると効果は次第に弱くなります。効果が切れた時の呼吸困難感は強く耐えがたいため、点鼻薬の使用量が増え続けてしまいます。そのため、国際的には10日以上の連用は禁止されています。
 市販の点鼻薬を大量に使用すると心臓の血管が収縮し、心筋梗塞を起こすこともあります。
鼻茸・ポリープ
   蓄膿症・慢性副鼻腔炎や、通年性アレルギー性鼻炎など、慢性の炎症ではポリープ・鼻茸(はなたけ)を発生させます。おもに片側の鼻閉の原因になります。
 手術がもっとも確実な治療法になります。
 喘息に合併する副鼻腔炎では、手術しても再発を繰り返してしまいます。
鼻中隔の湾曲
   ヒトは鼻の上に脳があるため、鼻中隔(びちゅうかく)は成長の過程で左右どちらかに湾曲するのが自然です。加齢などによって湾曲が高度になったり、アレルギー性鼻炎を合併すれば片側性鼻閉の原因になります。
 上顎ガンの場合は、片側性鼻閉ですが、歯痛や鼻出血をともなうことがあります。
鼻の形
   外鼻部(がいびぶ)が狭い場合、軟骨が軟らかい場合、鼻弁狭窄(びべんきょうさく)による鼻詰まりが起こります。
 小鼻の上を外側に引っ張ると呼吸がラクになるカトルテストでは、鼻弁が原因です。
手術療法
   さまざまな構造的、機能的、器質的な鼻詰まりに対するもっとも確実な治療法は、内視鏡下による下鼻手術です。
 専門医に相談してください。

鼻のかみ方
耳に圧力がかからないように
  イメージ画像 鼻をかむ時は、咽喉から鼻の後に息を回して、鼻から勢い良く空気と一緒に鼻水を出します。
 鼻水を押し出すためには、鼻をかむ前に口から息を吸って、空気をたっぷり取り入れておきます。この空気が抵抗なく噴き出されるのが理想的です。咽喉の圧力が急に上がって耳に響くのは、良くない鼻のかみ方です。
 鼻は片方ずつかむようにしましょう。片方ずつにすることで、かんでいる方の鼻を空気が通り抜け、押さえている方の鼻は空気が通らないので、咽喉の圧力が急に上がることはありません。
鼻のかみ方が病気の原因になることも
   両方の鼻を同時にかむと、細菌やウイルスが鼻の奥の方に追い込まれてしまい副鼻腔炎の原因になることもあります。
 咽喉の圧力が上がって、咽喉と鼻を繋ぐ耳管(じかん)を通って、鼻水が中耳に回り中耳炎の原因になることもあります。
 ゆっくり小刻みにかむように意識し、かみにくいときも一度に力を入れず少しずつかむようにして、強くかみすぎないようにします。力任せに鼻をかむと、鼻血が出たり、耳が痛くなったり、他の病気の原因になります。
 中途半端に鼻をかむと、残った鼻水に細菌が増殖し、気管支炎肺炎に繋がることもあるので注意が必要です。
鼻のかみ過ぎにも注意
   鼻をかみ過ぎて、鼻の周りがカサカサになって皮が剥けてしまったり、鼻の下がヒリヒリと痛くなったりしないように、鼻をかむ時はできるだけ軟らかいティッシュペーパーを使うようにしましょう。
 鼻をかんだ後は、鼻水が鼻の下に残らないように、綺麗にぬぐって清潔を心掛けます。
 鼻の周りのカサカサや、鼻の下のヒリヒリが気になるからといって、鼻の下を舐めたり、指でこすったりしないようにしましょう。

鼻閉・鼻詰まりかなと思ったら?
耳鼻咽喉科へ
  イメージ画像 鼻詰まりを手軽に解消するため、市販の点鼻薬を使用することが多いです。しかし市販の点鼻薬には、薬物依存を起こし、重大な副作用の原因にもなるため、医療機関へ受診するようにしましょう。
 耳鼻咽喉科、耳鼻科が良いでしょう。
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