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水虫・足白癬


水虫・足白癬の概要は?

おもな症状

 

足底や趾間の小水疱と鱗屑
趾間では浸軟やびらん
かゆみ

似ている病気

 

掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)
湿疹
汗疱(かんぽう)

起こりやすい合併症

 

爪白癬(つめの水虫)
体部白癬


水虫・足白癬(あしはくせん)ってどんな病気?

白癬菌の感染症

 

イメージ画像 足に生じる、白癬菌感染症(はくせんきんかんせんしょう)です。一般的に、水虫と呼ばれる病気です。白癬菌の中では圧倒的に多く、全白癬患者さんの約65%を占めています。
 白癬菌とは、真菌(しんきん)と呼ばれるカビの一種である皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)のことです。病変の部位によって、足白癬・水虫、爪白癬・爪の水虫、手白癬・手の水虫、体部白癬・ゼニたむし、股部白癬・いんきんたむし、頭部白癬・しらくも、ケルスス禿瘡などに分類されます。
 足白癬にかかっていても皮膚科を受診しない患者さんが多く、日本人の5人に1人は足白癬にかかっているといわれています。


水虫・足白癬の原因は?

感染する機会が多い

 

イメージ画像 感染の機会が多いことが、足白癬の問題となります。
 家族内に白癬の患者さんがいる場合、老人ホームなどの施設で集団生活を送っている場合、プールや共同浴場の利用が多い場合、感染する危険性が高いといえます。

さまざまな原因

 

 足白癬には、さまざまな原因で感染しやすい人がいます。
 足の指の間隔が狭い人、多汗で湿りやすいなどの皮膚の問題。ほかにも、長時間の革靴、長靴、安全靴などの着用などによる生活習慣も関係してきます。


水虫・足白癬の症状は?

おもに3つの型

 

 足白癬には、趾間型(しかんがた)、小水疱型(しょうすいほうがた)、角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)に病型分類されます。ですが、複数の病型を示すことも多くみられます。

 

趾間型(しかんがた)

   

 趾間型では、足の指の間に症状がみられます。
 浸軟(しんなん)、あるいは乾いた鱗屑(りんせつ)を付着する紅斑性局面を示し、びらん・ただれや、亀裂をともなうことがあります。

 

小水疱型(しょうすいほうがた)

   

 小水泡型では、足の底から足の側縁にかけて、半米粒大までの集まったり、癒合する傾向のある水疱、膿胞(のうほう)をともなう、紅斑性局面をしめします。
 春〜夏にかけて発症・悪化しやすく、かゆみをともなうことが多いのですが、必ずかゆみをともなうわけではありません。

 

角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

   

 角質増殖型では、かかとを中心として、足の底全体の皮膚の肥厚・角化、細かく皮膚がむける落屑(らくせつ)が特徴です。
 かゆみは少なく、冬になってもあまり軽快しません。

症状の似た病気

 

 足白癬と区別が必要な疾患は、接触皮膚炎(せっしょくひふえん)、汗疱(かんぽう)、異汗性湿疹(いかんせいしっしん)、掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)、掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)などがあります。
 炎症症状の強い足白癬の悪化時に、手、または白癬病変のない足に小水疱が左右対称に生じることがあります。この病変部分からは白癬菌は検出されることはなく、一種のアレルギー反応と考えられています。特にこのような病変を、白癬疹(はくせんしん)と診断されます。


水虫・足白癬の診断は?

顕微鏡での検査

 

イメージ画像 直接鏡検と呼ばれる、顕微鏡での検査を行います。KOH法と呼ばれています。


水虫・足白癬の治療法は?

3ヶ月は治療を受けましょう

 

 足白癬の治療の基本は、白癬菌に対して抗菌力のある抗真菌薬の外用療法です。角質増殖型、爪白癬、ケルスス禿瘡などの病型、病変が広範囲にわたる場合、難治性、再発性の症例では、内服薬も使用されます。
 外用期間は、最低でも1ヶ月は必要となります。また、症状が消えたとしても、2ヶ月は追加治療をした方が良いとされています。
 足白癬は患者さんによって病気に対する認識が異なり、治療に対する態度も異なってきます。可能な限り、治癒を目指し、治療を受けるべきです。

 

外用療法

   

イメージ画像 外用療法の長所は、症状の消失、環境への菌の散布の抑制が早いこと。全身的な副作用がないことです。短所としては、毎日の塗布が必要なため、面倒であったり、不快感、身体的ハンディキャップなどのため適切に塗布できないこと、塗り残しがあるなどです。
 外用薬には多数の種類がありますが、イミダゾール系、アリルアミン系、ベンジルアミン系、チオカルバミン系、モルフォリン系などがあります。最近は白癬菌に対する抗菌力が強く、皮膚での貯留性、浸透性も良くなり、有効性が高まっています。通常は1日1回、入浴後か就寝前に塗るのが一般的です。

 

内服療法

   

イメージ画像 内服療法の長所は、広範囲に薬剤が行き渡り病変全体に確実に効果があること、最終的な治療効果が高いこと、塗布するとりも簡単なことにあります。短所としては、症状が消えるまでに外用薬より時間がかかること、全身的な副作用があらわれることがあることです。
 内服薬は、グリセオフルビンに代わり、アリルアミン系のテルビナフィン(ラミシール)、トリアゾール系のイトラコナゾール(イトリゾール)が使われるようになりました。

治らなくても治療は必要

 

 外用薬、内服薬の進歩で、ほとんどの患者さんで治癒が可能になりました。
 どうしても治らない患者さんの場合は、症状を悪化させないこと、角質増殖型や爪白癬などの難治性の病型にしないこと、手や体部など他の部位へ拡大させないこと、他の人への感染源とならないことを目標として、治療を継続する必要があります。


水虫・足白癬かなと思ったら?

予防が大切

 

イメージ画像 足白癬の予防には、患者さんからの白癬菌の散布防止、環境中の除菌、足への白癬菌の付着と発病の防止が大切です。
 集団生活している中のすべての患者さんが適切な治療を受けること。普段から通常通りの掃除をこまめにおこなうこと。足白癬にかかっていない人は、毎日入浴時に足を良く洗って清潔にすることなどが重要です。

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