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痒疹・ストロフルス


痒疹・ストロフルスの概要は?

おもな症状

 

かゆみ
発疹

似ている病気

 

虫刺症


痒疹・ストロフルスってどんな病気?

皮膚の炎症反応

 

イメージ画像 強い痒みをともなう、皮膚の炎症反応のひとつです。
 大豆くらいまでのサイズの塊が、皮膚に多数できます。長い場合は、数年間に渡って続きます。
 1ヶ月以内に治るものを、「急性痒疹」(きゅうせいようしん)と呼びます。
 数ヶ月以上に渡って続く場合を、「慢性痒疹」と呼びます。

様々な種類の痒疹

 

 急性痒疹は、おもに5歳以下の幼小児に起こるため、「小児ストロフルス」とも呼ばれます。虫刺されの後に生じる、痒みの強い漿液性丘疹(しょうえきせいきゅうしん)をおもな症状とする病気です。昆虫の活動が活発になる、春から夏に多くみられます。
 慢性痒疹は、固定蕁麻疹(こていじんましん)・結節性痒疹(けっせつせいようしん)、多形慢性痒疹が含まれます。若年者〜高齢者では掻きつづけることで、結節性痒疹という数年以上も続くしこりに変化することがあります。多形慢性痒疹は中高年に多くみられ、原因ははっきりしていません。
 特殊型としては、ヘブラ痒疹、妊娠性痒疹、色素性痒疹、尿毒症性痒疹、夏季痒疹があります。


痒疹・ストロフルスの原因は?

アレルギー反応

 

イメージ画像 原因は明らかになっていません。一種のアレルギー反応だと考えられています。

小児ストロフルス

 

 小児ストロフルスは、虫刺されの後に起こることが多く、虫に対する過敏反応と考えられています。
 乳幼児期は虫の唾液成分などに対する免疫反応が未熟なため、虫に刺された部位に過敏反応が生じて発症すると考えられています。学童期に入ると、次第に起こらなくなっていきます。
 アレルギー体質の子供に、多くみられる傾向があります。

慢性痒疹など

 

 慢性痒疹の場合も、虫刺されの後に起こる場合があります。
 糖尿病、胃腸障害、肝臓病、血液疾患にともなって現れることもあります。


痒疹・ストロフルスの症状は?

最初は虫刺され同様の発疹

 

イメージ画像 初めは、虫刺されと同様の赤く少し盛り上がった発疹が出ます。
 虫刺され後、数時間〜数日間に、米粒大〜親指大まで盛り上がった皮疹になります。中心部には、小さな水ぶくれ・水疱が出来ることもあります。
 痒みのために引っ掻いてしまうと、傷になってしまい、ジュクジュクとしてしまいます。繰り返し引っ掻いていると、だんだんと盛り上がって硬くなります。
 強い痒みのために、眠れなくなることもあるほどです。

発疹の現れ方

 

 普通は、ひとつひとつの発疹は離れて存在します。
 多形慢性痒疹では、発疹が集まって現れます。

繰り返される症状

 

 しこりは約2週間続きますが、治癒後は、軽い茶色い跡が残る程度で軽快します。
 治っても、再発することが多いです。


痒み・掻痒とは?

引っ掻きたい衝動

 

イメージ画像 痒み・掻痒とは、掻きたくなる衝動を起こす皮膚、鼻粘膜、眼の結膜の不快な感覚です。皮膚や粘膜の痒み受容器が、さまざまな物質によって刺激され、神経によって脳に伝達し、痒みとして感じられると考えられています。
 痒みを起こす代表的な物質が、ヒスタミンです。一般的に痒み止めといわれる薬は、抗ヒスタミン薬です。蕁麻疹の痒みは抗ヒスタミン薬で抑えることができます。湿疹、痒疹、虫刺されの痒みに対しては、抗ヒスタミン薬はあまり効果がありません。


痒疹・ストロフルスの診断は?

発疹の状態から診断

 

イメージ画像 特徴的な発疹と、発疹の部位、経過から診断します。小児ストロフルスでは、昆虫の活動期の春〜夏にかけて、学童期までの子供の手足などの露出部に、痒みの強い皮疹が多発していることを確認します。
 発疹の一部を切り取って、顕微鏡で調べる組織検査で診断は確定します。

血液検査

 

 糖尿病、胃腸障害、肝臓病、血液疾患が疑われる場合、症状が激しい場合、血液検査を行うこともあります。好酸球というアレルギーに関係する白血球が増えていることから、病態を検査します。
 まれなケースですが、蚊アレルギーがあります。典型的な症状は、蚊に刺されると40℃近い高熱が出て、刺された部位は水ぶくれになり、やがて深い潰瘍と黒いかさぶたを作ります。基礎に免疫異常や悪性腫瘍がないか、検査する必要があります。

痒疹・ストロフルスの治療法は?

ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬

 

イメージ画像 発疹には、抗炎症作用の強いステロイド外用薬を使用します。痒みには、抗ヒスタミン薬を使用します。感染をともなうような場合は、抗生剤の外用薬か内服薬を併用します。患部が腫れている場合、冷湿布で炎症を抑えて痒みを楽にします。
 発疹を掻かないようにすることが重要なので、初期には回数も多めに塗り、我慢できないときは通気性の良いガーゼや包帯で覆います。掻いた傷から細菌が繁殖しやすいので、石鹸で良く洗い、乾いたらすぐに薬を塗ることが大切です。
 難治性の場合、発疹部にステロイド含有テープを貼ったり、ステロイド注射液を直接注射する治療法もあります。この場合、少し良くなったからといって自己判断で治療を中止してはいけません。根気よく続けることが、本当の治療への近道となります。
 このほか、紫外線療法、液体窒素を使用する冷凍療法、シクロスポリンの内服が効果的な場合もあります。

原因疾患の治療

 

 糖尿病、胃腸障害、肝臓病、血液疾患などにともなって現れる痒疹には、それぞれ原因となっている疾患の治療をすることが必要です。


ヒスタミンとは?

活性アミンの一種

 

イメージ画像 ヒスタミンとは、ヒスチジンというアミノ酸から合成される活性アミンの一種です。動物、植物の両方に広く存在しています。動物では、アレルギーやショックなどの症状を起こす主要な物質です。リンパ球などの白血球を活性化して、炎症にも関係する物質です。
 皮膚、小腸、肺などの臓器では、マスト細胞に含まれており、免疫グロブリンEという抗体と抗原の結合によって分泌されます。

抗ヒスタミン薬

 

 ヒスタミンは、皮膚では毛細血管の拡張、浮腫、痒みを引き起こし、この反応がアレルギー症状となります。ヒスタミンが多量に分泌されると血圧が下がり、ショックとなります。これらの作用は、ヒスタミンH1受容体にヒスタミンが結合して起こるもので、この作用を止める薬が抗ヒスタミン薬と呼ばれています。
 ヒスタミンは胃の細胞からも分泌され、胃酸分泌を増加する作用があります。この作用は、ヒスタミンH2受容体にヒスタミンが結合して起こるもので、この作用を止める薬は胃潰瘍の治療に広く使われています。


痒疹・ストロフルスかなと思ったら?

皮膚科専門医へ

 

イメージ画像 強い痒みがあり、引っ掻いてしまうと症状が悪化してしまうので、引っ掻かないように気を付けてください。
 近くの皮膚科専門医のいる医療機関を受診し、診察を受け、治療を受けるようにしましょう。

予防法は?

 

 外出時には肌の露出部分に虫除けスプレーを使用するか、長袖・長ズボンを着せるなどしましょう。

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