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 口唇裂
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口唇裂の概要は?
おもな症状
  先天異常
出生時に上唇に裂が存在する
似ている病気
  上唇正中裂(じょうしんせいちゅうれつ)
顔面斜裂(がんめんしゃれつ)
顔面横裂(がんめんおうれつ)
先天性顔面異常
起こりやすい合併症
  口蓋裂

口唇裂ってどんな病気?
くちびるの披裂
  イメージ画像 口唇裂(こうしんれつ)とは口唇(くちびるのこと)に披裂(ひれつ)が生じて生まれてくる赤ちゃんの病気です。
 人間の顔は、母親の胎内でさまざまな突起・顔面隆起が組み合わされてできてくるため、その途中ですべての人がさまざまな披裂を持っています。これらの突起が癒合して合わさることで、顔が出来上がります。
 口唇裂では、出生するまでに口唇の部分の披裂がなくならなかった状態、つまり口唇がくっつかなくなった状態を言います。
 上唇は鼻の中心部を作る内側鼻突起と左右の上顎突起が胎生9週〜10週に癒合してできます。左右の前から2本目と3本目の葉の間が癒合面になります。ちょうどこの上に、左右の鼻の穴ができます。
 鼻と口腔を仕切る口蓋は、上顎突起から続く左右の口蓋突起が同じころに癒合してできます。
誰にでも起こる病気
   人間はすべて口唇裂の状態だったと言えます。また、どんな人の子供でも口唇裂になる可能性はあります。

口唇裂と口蓋裂の合併は?
口蓋裂は上顎の披裂
  イメージ画像 口と鼻を隔てている上顎に披裂が生じて生まれてくる赤ちゃんを、口蓋裂(こうがいれつ)といいます。
起こりやすい合併症
   口唇裂と口蓋裂は、両側性完全口唇裂、両側性不完全口唇裂、片側性完全口唇裂、片側性不完全口唇裂、両側性完全口蓋裂、片側性完全口蓋裂、不完全口蓋裂など、さまざまな種類があります。口唇裂と口蓋裂は合併することが少なくありません。
 小顎症(しょうがくしょう)、心疾患などを持っている場合もあるので、他の病気との合併症の有無についてのスクリーニングが必要になります。

口唇裂の原因は?
環境的要因と遺伝的要因
   明確な原因はわかっていません。
 母体の環境的要因、遺伝的要因の両方が複雑に組み合わされて起こると考えられています。環境因子は母親の子宮を取り巻く環境のことで、ホルモン剤・抗てんかん薬の使用、胎児の異常体位、風疹水痘麻疹などのウイルスの関与などが考えられています。ある一定の境界を超えると症状が出るとする「多因子しきい説」という考え方が主流になっています。
 しかしECC症候群のように外胚葉異形成(がいほうよういけいせい)や指趾欠損(ししけっそん)など他の奇形をともなう場合は、遺伝的な原因がはっきりしたものもあります。
 最近では、発症に関連する候補遺伝子が明らかにされつつあります。

口唇裂の症状は?
赤ちゃんの500人に1人
  イメージ画像 普通は赤ちゃんが産まれてすぐに気が付きます。
 口唇裂・口蓋裂の赤ちゃんが産まれる確率は、およそ500人に1人の割合で現れると言われています。外国人に比べて、日本人の発生は高率です。多くは片側性で左側に好発します。ほとんどは、他の奇形をともなわない口唇口蓋裂です。
 赤ちゃんが成長していくにつれて、虫歯、中耳炎副鼻腔炎の合併症や、言語発達の障害、構音障害(こうおんしょうがい)が起こりやすいと言われています。

口唇裂の治療法は?
長期間にわたる治療
  イメージ画像 初回の手術だけでなく、出生直後から成人後にいたるまで、長期間に渡って治療が行われます。産科、小児科、口腔外科、形成外科、矯正歯科、耳鼻科、言語聴覚科などの専門家によるチーム医療が行われます。
 口唇口蓋裂センターとして、産科、小児科、口腔外科、形成外科、矯正歯科、耳鼻科、言語聴覚科を統合した専門に治療する施設もあります。
手術
   口唇裂の治療は、病状によって哺乳類床の作製、ホッツ床と呼ばれるマウスピースのようなものの作成、術前矯正などが手術前から開始されます。
 多くの施設では、生後3ヶ月くらいで体重6kgになると、唇の形成を目的とした最初の口唇裂初回手術を行います。1歳〜1歳半で体重10kgになると、口蓋の形成を目的とした口蓋裂初回手術を行います。言葉が鼻に抜けないようにする機能をつけるため、言葉が出始める前の時期に行います。
手術後の治療
   初回手術後、言語治療など成人に達するまでの集学的治療が必要になります。
 中耳炎の合併が多くなるので、耳鼻科医による管理が行われます。4歳〜5歳まで言語療法士による言語発達の管理が行われます。6歳からは永久歯が生え始めるため、歯科矯正治療が始まります。
 8歳〜10歳くらいの間に前歯の永久歯の歯列が綺麗に並ぶようにするため、分断している歯茎(しけい)の隙間に腸骨の一部を細かく切って移植する手術を行います。
 成長期が過ぎる16歳〜18歳以降に、唇や鼻を綺麗に形成する手術を行います。上顎の発達が悪いため、受け口になっていて噛み合わせが悪いことが多いので、顎骨を切って調節する手術が行われます。この手術法は調節できる範囲が少ないので、骨を切ってさらにその骨を少しずつ前へ引っ張ってずらしていく上顎骨延長術(じょうがくこつえんちょうじゅつ)が行われることもあります。

口唇裂の治療費は?
制度の利用
  イメージ画像 口唇裂、口蓋裂の治療費については、「美容的な治療」として高額な医療費が請求される医療機関も存在するので、注意が必要です。
 治療を受ける施設が育成医療、更正医療などの指定を受けていないと、制度による口唇口蓋裂の治療費の減免は受けられないので、治療を受ける前に問い合わせるようにしましょう。
一般的な手術費用
   口唇口蓋裂の治療を受ける場合、口唇裂や口蓋裂などの初回手術が行われる時期は、一般的に乳児医療が適用されます。
 口唇裂の初回手術は、平均で約85万円です。入院日数などによって変動があるため、事前に各施設に問い合わせるのが賢明です。
 口蓋裂の初回手術は、平均で約83万円でが、やはり入院日数などによって変動します。
育成医療制度など
   治療費総額を元に、乳児医療費、または通常の健康保険の種類によって、自己負担分に応じて額が決定されます。
 口唇裂、口蓋裂の場合、乳児医療の時期を過ぎても18歳までは育成医療制度が適用されます。この制度は、都道府県によって運用が異なります。また、市町村によっては入院見舞金などが支給されるところもあります。
矯正歯科治療費など
   矯正歯科治療などでは、外来通院のため1ヶ月の自己負担額の差が治療費総額に大きく影響します。
 同様に顎裂部腸骨移植術(がくれつぶちょうこついしょくじゅつ)は一般的に約70万円、口唇再形成移植は一般的に約70万円かかります。しかしあくまでも目安であるため、治療内容、入院期間によって大幅に異なるので、事前に概算額を病因に問い合わせると良いでしょう。

口唇裂かなと思ったら?
カウンセリングや哺乳指導など
  イメージ画像 産科医、小児科医から集学的治療のできる適切な施設を紹介してもらいましょう。特定非営利活動法人日本口唇口蓋裂協会に相談し、最寄りの施設を教えてもらうのも良いでしょう。
 出生前診断で告知を受けた後のカウンセリング、哺乳指導など、特定非営利活動法人日本口唇口蓋裂協会などを中心に行われています。

口唇裂・口蓋裂の受診医療機関は?
受診先の選択は慎重に
  イメージ画像 口唇裂・口蓋裂の治療は、最初は手術についてが気掛かりになります。
 治療は産科、小児科、口腔外科、形成外科、矯正歯科、耳鼻科、言語聴覚科などの多くの専門家によって行われます。またその治療は、成人まで継続的に続くため、受診先の選択は慎重に選ばなくてはいけません。
相談先は日本口唇口蓋裂協会へ
   治療費については、口唇口蓋裂に関する育成医療の指定を受けているかどうか、手術だけでなく言語治療、矯正治療などについても、その施設に専門家がいるかどうか問い合わせると良いでしょう。
 受診医療機関に関する相談は、特定非営利活動法人日本口唇口蓋裂協会に問い合わせるのが良いでしょう。訪問、電話、FAX、メール、郵便などでも問い合わせることができますが、電話がオススメです。海外に転居する場合の問い合わせも受け付けています。必要に応じて、紹介状の作成も行っています。
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