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アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎の概要は?

おもな症状

結膜の充血
目のかゆみ
流涙

症状が似ている病気

細菌感染などによる結膜炎

起こりやすい合併症

眼瞼縁炎(がんけんえんえn)


アレルギー性結膜炎ってどんな病気?

アトピー体質アトピー体質で多い病気

 アレルゲンや抗原などの何らかの外的異物に対する、異常に亢進した生体防御反応(アレルギー)によって結膜に炎症の起こる即時型アレルギー反応です。
 アレルギー反応を起こしやすいアトピー体質の人に起こりやすい病気です。アレルギー性鼻炎をともなうことも多いです。
 学童期に発症することが多いですが、成人でも続くこともあります。

青少年に多い春季カタル

 春季カタルは重傷のアレルギー性結膜炎で、青少年に多く発症します。

アレルギー性結膜炎の原因は?

アレルゲンアレルゲン

 アレルギー反応を起こす外来異物には、花粉、ダニ、ハウスダスト、動物の毛、コンタクトレンズなどたくさんあります。
 花粉症の場合、おもにスギ花粉は2月〜4月、ヒノキ花粉は5月、カモガヤは5月〜6月、ブタクサは8月〜10月に起こります。

アレルギー反応が原因

 アレルギー反応を持つ人は、花粉、ダニ、カビなどに対してIgE抗体を作ります。
 特定の抗原に対してIgE抗体を持っている人に再び抗原が侵入すると、結膜で抗原・抗体反応が起こり、肥満細胞と呼ばれる細胞からアレルギー反応を引き起こす物質が放出され、結膜の充血、掻痒感、流涙などの症状が現れます。
 反応する抗原が結膜に入ると、数分間で結膜が充血を起こします。


アレルギー性結膜炎の症状は?

症状おもな症状

 掻痒感(そうようかん、かゆみのこと)が強く、結膜充血、浮腫(ふしゅ)、異物感、眼脂(がんし、目やにのコト)、眼瞼腫脹(がんけんしゅちょう)などが見られます。

角膜の傷

 角膜(かくまく、黒目の部分)に軽い傷ができることもあります。
 角膜病変があると、視力低下が起こります。
 コンタクトレンズ関連のアレルギーでは、レンズのくもりが起こります。

くしゃみ、鼻水

 眼以外の症状としては、くしゃみ、鼻水をともなうことがあります。
 花粉症のように、特定の季節にだけ起こることもあります。

春季カタル

 上眼瞼結膜(じょうがんけんけつまく、上まぶたの裏側のこと)に、乳頭と呼ばれるブツブツができます。重症になるとブツブツが大きくなり、巨大乳頭となります。
 角膜近くの眼球結膜が発赤し、分厚く腫れてしまいます。
 重症になると角膜に傷がつき、混濁してしまいます。
 巨大乳頭はコンタクトレンズ関連のアレルギーでも起こります。

眼脂とは?

眼脂の種類

 結膜炎の眼脂には、さらっとした水のような漿液性(しょうえきせい)、ねっとりとした粘液性(ねんえきせい)、クリーム状の膿性(のうせい)などの種類があります。
 漿液性眼脂はウイルス性結膜炎で多くみられます。
 粘液性眼脂はアレルギー性結膜炎で多くみられます。
 膿性眼脂は細菌感染で多くみられます。膿性眼脂がドバドバ出てくるような状態は、膿漏眼(のうろうがん)といいます。

眼脂の検査

 眼脂の性状だけで結膜炎の原因を特定できるわけではありません。
 眼脂を顕微鏡で調べ、含まれる白血球細胞の種類が特定できれば、結膜炎の原因をある程度特定することができます。単核球が多ければウイルス性、多核白血球が多ければ細菌性、好酸球が多ければアレルギー性などと判断できます。

眼脂の取り方

 眼脂が出ているとネバネバしていて不快で、物も見えにくくなるため、水で濡らしたティッシュペーパーやコットンで軽く拭き取るようにしましょう。
 拭き取った後は石鹸でしっかり手を洗い、清潔を心掛けてください。


アレルギー性結膜炎の検査と診断は?

診断症状から診断

 強い掻痒感をともなう結膜充血、浮腫、眼脂などから診断します。
 アトピー体質、季節性があることなども診断の参考にします。

白血球やIgEの検査

 結膜擦過(けつまくさっか、こすり取るコト)サンプルからは、アレルギーに特有の白血球(好酸球)が検査できます。
 涙液中のIgE量の検査も行えるようになりました。しかし、この検査で抗原の特定はできません。

抗原の検査

 抗原の検査では、皮膚に微量の疑わしい抗原を塗布して反応を見るパッチテスト、血液を調べるRAST法、MAST法などがあります。

アレルギー性結膜炎の治療法は?

目薬抗原の忌避

 抗原が特定できれば、それを避けるように心がけてください。

花粉症の場合

 アレルゲンの花粉の飛散時期の2週間以上前から、抗アレルギー薬の点眼を行っておくと症状が軽く済みます。
 アレルギー性結膜炎の症状が出た後は、ステロイド薬の点眼を中心にした治療を行います。

コンタクトレンズが原因の場合

 いったんコンタクトレンズの装用を停止して、治療を行います。コンタクトレンズの装用は、治癒してから再開してください。
 レンズの種類としては、ハードコンタクトレンズか使い捨てのソフトレンズが良いでしょう。

春季カタルの場合

 春季カタルやアトピー性などの重症の場合、ステロイド薬の結膜下注射、内服による全身投与を行うこともあります。
 ステロイド薬を長期間使用すると、緑内障などの副作用が出ることもあり得るので、症状が軽減したら非ステロイド性の抗アレルギー薬や消炎薬に切り替えて使用します。
 人口涙液を頻繁に点眼して、アレルゲンを洗い流すことも有効です。
 上眼瞼結膜に巨大乳頭ができた場合、手術によって切除することもあります。


アレルギー性結膜炎かなと思ったら?

医者眼科へ

 充血や眼のかゆみなどの症状が現れたら、眼科専門医を受診するようにしましょう。
 学童期に初めて発症することが多く、アレルギー性鼻炎などをともなうことが多いです。

遺伝するの?

 アレルギー素因を持つ家庭に起こることが多いので、両親のいずれかにアレルギー性結膜炎の経験があれば、子供も発症する可能性が高いことを知っておいてください。

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