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いびき


いびきってどんな病気?
摩擦音と振動音
  イメージ画像 いびきは、睡眠中に呼吸に合わせて発生する異常音です。
 異常音には、鼻やのどの空間が狭いために空気が通過するさいに起こる摩擦音と、俗にどちんこと呼ばれる口蓋垂(こうがいすい)や、咽頭の粘膜が振動して起こる振動音があります。
普通のいびき
   睡眠中には筋肉が緩むため、誰でもいびきをかくことがあります。とくに、飲酒後、疲労時、上向きでの睡眠、鼻閉・鼻詰まり、風邪など、普段はいびきをかかない人でも、いびきをかきやすくなります。
 このような場合のいびきは、短期間でおさまり、ベッドパートナーや同居者から騒音として問題にされることはありますが、病的な意味はほとんどありません。
危険ないびき
   数ヶ月以上も続くいびき、一晩中に渡るいびき、大きないびき、呼吸のリズムが乱れるなどの場合は、病的な可能性があります。
 いびきの間に呼吸が10秒以上止まる無呼吸が、7時間の睡眠中に30回以上起こる場合は、睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)と呼ばれます。
突然死の危険も
   睡眠時無呼吸症候群では、朝の目覚めが悪い、昼間でも眠い、頭が重い、集中できないなどの症状があらわれます。
 さらに、睡眠中の呼吸機能の低下は、血液中の酸素の不足から、高血圧、不整脈心不全などを引き起こし、重症の場合には突然死の原因にもなります。

いびきの原因は?
2種類の原因
   いびきの原因は、全身的な原因と、局所的な原因とに分類できます。
全身的原因
   全身的原因の代表的なものでは、肥満があげられます。肥満では、外側に向かって太るだけでなく、内側のとくに舌根部(ぜつこんぶ)にも脂肪がつくため、気道が狭くなります。
 このほかにも、内分泌疾患、神経・筋疾患などで、いびきをかきやすくなることがあります。
 睡眠時無呼吸症候群やひどいいびきは、生活習慣病と深い関係があります。扁桃肥大(へんとうひだい)は、原因の約30%程度を占めています。
 アルコールは寝つきを良くしますが、筋弛緩作用があるため、気道が狭くなり、睡眠時の呼吸障害をもたらします。
局所的原因
   局所的原因としては、鼻アレルギー慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)、鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)、アデノイド肥大などがあります。
 のどが狭い場合にもいびきをかきやすく、口蓋扁桃(こうがいへんとう)の肥大、口蓋垂の過長、顎の骨の発育が悪い場合などが原因になることもあります。
子供の場合
   子供の場合は、扁桃肥大がいびきや睡眠時無呼吸のおもな原因です。しかし大人でも、扁桃肥大が原因でいびきや睡眠時無呼吸となることがあります。もともと口蓋扁桃やアデノイドなどのリンパ組織は、3歳〜6歳にかけて生理的な増殖・肥大の時期を迎え、その後、徐々に萎縮して小さくなります。
 一見したところ扁桃が大きくなくても、実際には肥大した扁桃が隠れて見えない場合もあるので、耳鼻科で診察を受けましょう。
 大きいだけでは治療は必要ありませんが、その大きさのために気道を狭窄し、睡眠時無呼吸やひどいいびきが認められるようなら、治療が必要になることもあります。

子供のいびきは?
まず子供の様子を見てみましょう
  イメージ画像 子供がいびきをかいて眠っている場合、こっそりパジャマの前を開いて、胸の動きを観察してみましょう。もし、いびきにともなって胸が凹んでいるようであれば、要注意です。
 診察の参考となるため、いびきをかいて眠っている時の状況をビデオカメラで撮影しておきましょう。最近ではデジタルカメラや携帯電話でも、動画を撮影することができます。いびきのひどい時期に、顔と胸をはだけさせた状態で5分〜10分ほど撮影しておきましょう。
ほとんどが扁桃肥大
   子供のいびきの原因のほとんどは、扁桃肥大によるものです。口を開けると、のどちんこ(口蓋垂)の後上に、口からは見えませんが、「咽頭扁桃(アデノイド)」と呼ばれる別の扁桃があります。
 アデノイドと口蓋扁桃が、ある程度以上の大きさになると、鼻閉・鼻詰まりが起きます。
 子供は鼻が詰まっていても、起きているときには口を開けて呼吸ができます。しかし眠っている時には、口呼吸ができなくなり、無意識に詰まった鼻で呼吸しようとするため、いびきや、息が止まるようになってしまいます。
いびきの悪影響
   狭くなった気道を通して呼吸をするため、呼吸するときに胸が凹んでしまいます。毎晩のように胸が凹むような苦しい呼吸をしていると、胸の中央部が凹む漏斗胸(ろうときょう)、突出する鳩胸(はとむね)などといった変形をきたしてしまいます。
 いびきと胸の変形、口呼吸などが認められたときには、耳鼻科を受診しましょう。
 いびきがひどくなると、生活リズムにも悪影響を与えてしまいます。目覚めが遅い、無理に起こさなければならない、2時間〜3時間以上の長い昼寝、眠る時刻の遅いこと、一晩にわたるいびき、夜中に何度も目を覚ます、夜尿などの症状があらわれます。
いびきを改善すれば
   適切ないびき治療を受けることにより、子供は早い時間に自然に覚醒するようになり、日中は昼寝することもなく遊ぶようになります。夜は疲れて早い時間に自然に眠るようになります。夜尿もほとんどの場合、改善されます。
いびきの診断は?
簡単な検査
  イメージ画像 いびきの検査では、単純ないびきか、無呼吸をともなういびきかの見分けを行ないます。
 アプノモニターと呼ばれる簡易睡眠モニターで、在宅でも行なえる簡便な検査を行ないます。
 口蓋扁桃やアデノイドの肥大の程度は、エックス線、ファイバースコープ検査で診断します。
睡眠時無呼吸症候群の検査
   睡眠時の呼吸状態の検査を行い、重症度の判定をします。脳波を含めた総合的な検査のため、一般の病院ではあまり行なわれていません。専門施設での検査が必要となります。
 一般的には、睡眠中の酸素飽和度のモニタリング、睡眠状態の観察を行ないます。

いびきの治療法は?
単純ないびき
  イメージ画像 単純ないびきであれば、枕を変更する、頭の向きを変えることで、軽減することがあります。また、減量や飲酒を控えることも有効です。
睡眠時無呼吸をともなういびき
   睡眠時無呼吸が口蓋扁桃やアデノイドの肥大によるものと診断された場合、手術によって扁桃やアデノイドの摘出が考慮されます。扁桃やアデノイドは3歳〜6歳にかけて大きくなり、その後縮小するので、重症度と年齢を考慮して、手術を行うかどうかが決定されます。

いびきかなと思ったら?
どんないびきかな?
   いびきや睡眠時無呼吸症候群は、本人の自覚が乏しいため、ベッドパートナーや同居者がその状況を把握してあげる必要があります。
 枕元にレコーダーを置いて、睡眠中の様子を録音するのもひとつの方法です。
無呼吸をともなう場合
   無呼吸がある場合は、専門医を受診するようにしましょう。適切な治療を受ける必要があります。
病気じゃないけど・・・
   病気ではなくとも、いびきで同室している人へ迷惑をかけると考え、本人の生活に支障をきたす場合もあります。とくに若い女性の場合は、思い悩む人も多く存在します。
 このため、耳鼻咽喉科以外にも、いびき専門外来を設けている医療機関もあります。
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