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てんかん


てんかんの概要は?

おもな症状

大発作(突然意識を失い全身痙攣と共に倒れる)
部分発作(顔や手足などの体の一部の痙攣発作)
小発作(短い意識喪失発作)
精神運動発作(意識が混濁し異常動作が見られる)
ミオクローヌス発作(全身がビクッとなる)

似ている病気

失神発作
脳血管障害
低血糖発作
過換気症候群・過呼吸症候群
ナルコレプシー・居眠り病
夜驚症・夢遊病
憤怒痙攣(泣き入りひきつけ)
ヒステリー発作
熱性痙攣
筋痙攣

起こりやすい合併症

発作時に転等したときの怪我や事故


てんかんってどんな病気?

大脳の病気

イメージ画像 てんかんは大脳の病気に分類されます。発作的に繰り返し、自律的に大脳が異常に興奮する状態をてんかんと呼びます。
 発作で手と足がつっぱり、目を見開いて、口から泡を噴き意識が失われることから、古来は悪魔や神に取り憑かれた病気、「倒れやまい」と呼ばれてきました。
 現在では病気の実態が明らかとなり、治療薬の開発とともに病気が克服されるにつれ、正しい認識がされるようになりました。

てんかんに分類されない発作

 1回きりの発作、熱性痙攣(ねつせいけいれん)は、てんかんとは呼ばれません。
 交通事故の事故後1週間以内の回復期に限って起こる発作や、脳の手術、脳炎の急性期に起こる発作も、てんかんとは呼びません。

てんかんの定義

 脳が急性期から回復し、安定してからも繰り返し発作的に異常に興奮する状態が起こる場合、初めて「てんかん」という病気が当てはまる可能性があります。一般に発作のない時は、まったく正常なのも特徴です。
 てんかんは神経疾患の中では、もっとも頻度の高い疾患のひとつで、人口1000人あたり5人〜8人の患者さんがいます。


てんかんの原因は?

脳の傷

イメージ画像 交通事故で強く頭を打ったあとで、てんかんが起こることがあります。このことからも、脳についた何らかの傷が、てんかんの原因となっている場合が多くあります。
 生まれる前の胎児期からさまざまな原因で脳に病気が起こり、とくに分娩前後の母体の異常からくるもの、新生児期の感染や呼吸困難、幼児期の髄膜炎、脳炎、成人の頭部外傷、脳血管障害、糖尿病尿毒症にともなう代謝異常による脳症など、原因となる病気が明らかな場合は「症候性てんかん」と呼びます。

原因不明のてんかん

 原因がまったく見当たらず、精度の良いMRI機器を使っても脳内に異常が見付からない場合は、「特発性てんかん」と呼びます。
 遺伝的要因が関係しているとされています。

脳の機能を回復させる作用

 脳に傷があっても、必ずしもてんかんが起こるわけではありません。脳の傷をカバーして、機能を回復させようとする脳の試みが、もともとはわずかな漏電を大規模な停電につなげるような結果をもたらすことがあります。
 脳の働きは、脳神経細胞から適切で適量の電気信号が秩序正しく流れることによって行われます。この電気信号が雷が落ちるように突然過剰となり秩序なく流されると、脳本来の働きが障害され、機能が過剰に発揮されて起こるのがてんかんです。

傷の周りにできた電気回路

 てんかんのひとつの本体は、傷の周りにできた一種の電気回路なので、解剖しても肉眼的には確認できないこともあります。
 この電気回路は、電気が流れれば流れるほど、太い回路に成長する傾向があり、逆にまったく使用されなければなくなってしまう可能性もあります。

てんかんっての症状は?

2つの分類

 てんかんには大きく分けて、発作の開始時に脳の両側からてんかん性の興奮が出現する「全般てんかん」と、発作は傷の周囲の特定の電気回路から始まる「局在関連てんかん・部分てんかん」の2つに分類できます。
 さらにそれぞれのてんかんは、原因のあるなしによって、原因のある「症候性てんかん」と原因が特定できない「特発性てんかん」とに分類されます。
 まれなてんかんとしては、症候性と考えられても原因がはっきりしていないてんかんは、原因がもぐっているとして「潜因性てんかん」と呼ばれます。これは、部分てんかんにも全般てんかんにも少ないですが存在します。

全般てんかん 部分てんかん
局在関連てんかん
症候性全般てんかん 症候性部分てんかん
特発性全般てんかん 特発性部分てんかん
潜因性全般てんかん 潜因性部分てんかん

局在関連てんかん

イメージ画像 ムカムカする、光が見えるといった数秒〜数分の前兆や、手や顔面の片側が、意識がなくなる前に痙攣するといった症状がある場合、局在関連てんかんが疑われます。また、痙攣したあとで半身の麻痺が残るような場合も、局在関連てんかんが疑われます。
 このような症状がなく、急に意識がなくなったからといって、全般てんかんと診断することはできません。

局在関連てんかん

 意識が急になくなっても、しばらく口をモゴモゴとさせたあとで意識がないのに動き回るような場合には、局在関連てんかんの可能性が高く、見分けるためには専門家の問診が必要です。

年齢による差異

 発症年齢が乳児期・幼児期の場合には、比較的難治の症候性潜因性全般てんかん(しょうこうせいせんいんせいぜんぱんてんかん)の場合があります。
 発症年齢が学童期以降の場合には、発作のやわらぐ寛解率が高く、予後の良い特発性全般てんかん(とくはつせいぜんぱんてんかん)の可能性が大きくなります。

予後の良いてんかん

 局在関連てんかんの中でも、乳児期〜学童前期にかけて、とくに夜間睡眠時に発作が起こる特発性局在関連てんかんは、成人すれば自然治癒する極めて予後の良いてんかんなので、安心のためにも診断をきちんとつけてもらう必要があります。


てんかんに良く似た発作

熱痙攣や失神発作

イメージ画像 てんかんに似た病気には、熱性痙攣、脳への血流が一時的に不十分となり意識が消失する失神発作があります。心臓の病気で十分な血圧が保てない場合や、自律神経の病気で姿勢に順応した血圧調節ができない場合に起こります。
 脳血管障害の一種の一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)も、発作が短く数分で回復するので、てんかんに良く似ています。

心因性の発作

 心因性の非てんかん発作は、偽のてんかん発作、ヒステリー性てんかん発作とも呼ばれます。女性、幼児期の性的虐待、性的不適応、うつ状態などが原因で起こります。
 片頭痛の中には、意識状態が悪くなり、しばらく意思の疎通ができなくなる脳底動脈片頭痛(のうていどうみゃくへんずつう)があり、てんかん発作に良く似ています。

低血糖による発作

 低血糖発作も、一過性に起こすことからてんかんに良く似ています


てんかんの診断は?

問診・脳波・MRI

イメージ画像 脳波とMRIがもっとも大切な検査となります。脳波でもMRIでも異常が認められないてんかんも多数あり、逆にてんかん性の脳波が出ていても、てんかんではない人も少なくありません。
 脳波とMRIの所見は、あくまでも問診で推定された病像との組み合わせで意味を持つものだと考えておく必要があります。

てんかんの治療法は?

薬による治療

イメージ画像 局在関連てんかんではカルバマゼピン(テグレトール)、全般てんかんではバルプロ酸(デパケン)が第一選択薬となります。
 その次にどうするかは、専門医と相談しながら決めていくことになります。

予後

 てんかんの類型によって、予後には大きな違いがあります。


抗てんかん薬とは?

動物実験から

イメージ画像 抗てんかん薬の開発は、昔は動物に電気的刺激を与えて起こる痙攣に対して、たくさんの薬物を試して効果のあるものを探す方法で研究開発されていました。そして、フェノバルビタール(フェノバール)、フェニトイン(アレビアチン)が見付かりました。
 その後、薬物開発も同様の方法で、カルバマゼピン(テグレトール)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)などが見付かりました。患者さんへの臨床試験のあと、安全性が確認され、厚生労働省から薬品会社に市販許可がおりて、医師が処方できるようになっています。

新しい抗てんかん薬

 近年、てんかんの病態が明らかになるにつれ、てんかんの起こるメカニズムも解明され、それに合わせた抗てんかん薬の開発が進んでいます。数種類の新世代抗てんかん薬が欧米では使用され、日本でも治験が行われています。

代表的な抗てんかん薬

 現在使われている抗てんかん薬には、部分てんかん発作に有効なカルバマゼピン、第二選択薬としてのフェニトインがあります。全般発作に有効なバルプロ酸ナトリウムがあります。
 小児期に使われるフェノバルビタール、良く似た薬のプリミドン(マイソリン)は服薬後にフェノバルビタールに変化して、意識障害を合併する部分発作に特に効果があります。
 欠神発作に効果のあるエトスクシミド(ザロンチン)、複雑部分発作に対して抗てんかん薬単独では十分な効果がみられない場合にはゾニサミド(エクセグラン)、クロバザム(マイスタン)も使うことができます。ミオクローヌス発作に有効なクロナゼパム(リボトリール)、小児けい屈発作に使われるニトラゼパム(ベンザリン)、ジアゼパム(セルシン)もあります。


てんかんかなと思ったら?

子供なら小児科へ

イメージ画像 もしてんかんを疑った場合、小児であれば小児科を受診するようにしましょう。多くの小児科医は、てんかんに関しての基礎的な知識を持っています。

とりあえず内科

 成人の場合では、専門は神経内科、精神科、脳神経外科となります。しかし、てんかんに関する知識、治療経験には差があります。
 まずは、かかりつけ医や、内科医に相談をしましょう。

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