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腹膜癒着・癒着性腹膜炎


腹膜癒着・癒着性腹膜炎ってどんな病気?
手術の際の炎症刺激
  イメージ画像 腹膜癒着は、手術操作などによる腹膜の炎症刺激によって起こるとされています。
 腹膜癒着のことを、癒着性腹膜炎と呼ぶこともあります。

腹膜癒着・癒着性腹膜炎の原因は?
感染を治療しようとする体の反応
  イメージ画像 腹膜癒着の原因としてもっとも多いのは、腹部手術後の腹腔内臓器の癒着です。しかし、手術歴のない患者さんにもみられることがあります。
 いずれにしても、腹腔は炎症性、あるいは機械的に刺激されて障害を起こす障害部にフィブリンと呼ばれる物質を析出し、すみやかに接着して感染を遮断し、創傷面の治癒を促進しようとする結果、癒着が起こります。
腹膜癒着の予防
   腹膜癒着は内臓手術の半数近くに発生すると言われています。
 腹部手術の際、腹膜癒着が起きにくくする材料を使った手術が行われるようになってきました。

腹膜とは?
腹膜とは?
  イメージ画像 腹膜は腹腔の内側、および腹腔内の臓器を覆うひとつの繋がりを持った膜です。腹腔内面・骨盤腔(こつばんくう)・横隔膜下面を覆う壁側腹膜(へきそくふくまく)と、腹腔臓器を覆う臓側腹膜(ぞうそくふくまく)からなります。
 腹腔の前壁は腹壁と呼ばれ、皮膚や筋肉で形成されています。後壁は脊椎(せきつい)、肋骨(ろっこつ)、筋肉で形成されています。
 腹部の背部と後壁の間は厚い脂肪の層になっており、これを後腹膜腔(こうふくまくくう)と呼びます。この中に十二指腸、膵臓、脾臓(ひぞう)、腎臓などの臓器があり、これらの臓器を後腹膜臓器と呼びます。
腹膜のはたらき
   腹膜のおもな働きは、水分・電解質・糖質などを腹腔から吸収したり、腹腔内に炎症が起きた場合に滲出液(しんしゅつえき)と呼ばれる食菌・抗菌作用のある物質の分泌、毒性産物の吸収の抑制を行う生体防御能を担っています。
 一方で、腹膜に物理的・化学的、あるいは感染などの刺激が加わり、炎症が及んだ時には癒着能(ゆちゃくのう)が働き、炎症変化をすみやかに限局させて炎症が広がらないような作用をします。
 また腹膜は、腹腔内の圧力を一定に保つ働きもしています。
女性の場合
   腹腔内は通常は無菌です。
 しかし女性では、卵管で外界と通じていて、とくに骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)の原因になります。

腹膜癒着・癒着性腹膜炎の症状は?
個人差がある
  イメージ画像 腹膜癒着は、癒着の部位・程度で症状が異なります。一般的には、腹痛、腹部膨満感、便秘などの不定愁訴の症状が多いとされています。
 腹膜の癒着は、手術後の治癒過程のひとつであり、個人差・癒着の程度によって症状が出ない場合もあります。
 癒着が強く、腸の狭窄が強ければ、腸閉塞(ちょうへいそく)の症状を示します。
 手術前の患者さんの手術に対する期待、病気に対する理解度が、術後の症状の発生に関係するともいわれています。
腹膜癒着・癒着性腹膜炎の診断は?
エックス線検査
  イメージ画像 腹膜癒着に特有な検査はありません。
 ただし、腸の狭窄による腸閉塞症状を示した場合には、腹部単純エックス線検査が有効です。エックス線写真によって、拡張した腸管、腸閉塞に特徴的な所見である鏡面像がみられます。

腹膜癒着・癒着性腹膜炎の治療法は?
一般的には対症療法
  イメージ画像 腹膜癒着は、軽度の場合には内科的な対症療法だけが行われます。
 腸の狭窄による腸の閉塞症状が強い場合には、手術を必要とする場合があります。

腹膜癒着・癒着性腹膜炎かなと思ったら?
手術を受けた病院で経過観察
  イメージ画像 腹膜癒着は、手術にともなうことがほとんどなので、手術を受けた病院での経過観察が必要です。
 ときには、心身医学的な治療が必要になることがあります。
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