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 機能性胃腸症・機能性ディスペプシア

機能性胃腸症・機能性ディスペプシアってどんな病気?
症状はあるが検査をしても原因が見付からない
  イメージ画像 胃に潰瘍(かいよう)やガンなどがあるんじゃないかと疑うような胃の不快感を訴えます。胃もたれ、胃の痛みなどが感じられます。
 検査をしても、症状の原因となる病変が見付からない場合、機能性胃腸症、または機能性ディスペプシアと診断されます。
 以前なら、慢性胃炎、神経性胃炎、胃下垂(いかすい)、胃アトニー、胃痙攣(いけいれん)と呼ばれていました。
機能性ディスペプシア・FD
   最近では、機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia)の頭文字をとって、FDを呼ばれることもあります。

機能性胃腸症・機能性ディスペプシアの原因は?
胃の刺激に脳が過剰に反応
  イメージ画像 胃に対する刺激を、脳が敏感に感じている状態と言えます。
 また、ストレスも症状の悪化に、少なからぬ影響を与えています。
胃に関係する原因
   胃の動きが悪くなっている、胃の伸縮性(やわらかさ)が低下している、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)によるわずかな炎症、脳が過敏に感じやすくなっているなどが考えられます。

機能性胃腸症・機能性ディスペプシアの症状は?
多様に表現される症状
  イメージ画像 食後の胃もたれ、少ししか食べていないのにお腹が苦しくなってそれ以上食べられない、食事とは無関係に胃が痛む、胃の周辺部が焼けるように感じるなどの症状が一般的です。
 「みぞおちの辺りが張る」、「重苦しい」、「ムッとする」など、表現はさまざまです。
 はっきりとしない不調は、「不定愁訴」と呼ばれます。
胃以外の症状
   胃や、胃の周辺部以外にも、不眠、ストレス、身体のあちこちの不調などがあることもあります。

機能性胃腸症・機能性ディスペプシアの診断は?
内視鏡検査
  イメージ画像 50歳以下で、警告症状がなければ、内視鏡検査の必要はありません。
 50歳以上、警告症状があり、どうしても検査を受けたい人には、内視鏡検査を行います。
警告症状
   警告症状は、胃潰瘍胃ガンが疑われる症状です。
・思い当たる原因のない体重減少
・吐いた物、便に血が混じる
・真っ黒い便が出る
・以前に潰瘍やガンの治療を受けたことがある
・家族に潰瘍やガンになった人がいる
超音波検査
   内視鏡検査のほか、必要に応じて腹部超音波検査も行います。症状の原因となる病気があるかどうか、確認します。
機能性胃腸症の診断基準
   上部消化管内視鏡検査によって症状を説明できるような病変・器質的疾患がないことが、前提条件になります。
 さらに、@つらいと感じる食後膨満感、A早期満腹感、Bみぞおち付近の痛み、Cみぞおち付近の灼熱感のうち、1つ以上が該当すること。
 6ヶ月以前に診断され、最低3ヶ月間は症状が続いている場合、機能性胃腸症と診断されます。
B1.機能性ディスペプシア
必須条件
 @以下のものが1つ以上あること
  つらいと感じる食後膨満感
  早期膨満感
  心窩部痛(みぞおち付近の痛み)
  心窩部灼熱感(焼けるような痛み)
および
 A胃内視鏡検査で、症状を説明できる病変がない
 機能性胃腸症は、食後愁訴症候群(PDS)と、心窩部痛症候群(ESP)の2つの症候群に分類されて診断されます。
食後愁訴症候群・PDS
 
B1a.食後愁訴症候群
以下のうち一方、あるいは両方を満たさねばならない
 少なくとも週に数回、通常量の食後に、わずらわしい食後膨満感が起こる
 少なくとも週に数回、通常量の食事を終えることを妨げる早期膨満感が起こる
(少なくとも半年以上前からあり、少なくとも最近3ヶ月間に上の診断基準を満たす)
補足基準
 上腹部膨満感や食後の嘔吐、あるいは過剰なゲップが起こる
 心窩部痛症候群が合併してもよい
心窩部痛症候群・ESP
 
B1b.心窩部痛症候群(ESP)
以下のすべての項目を満たさねばならない
 少なくとも週に1回、心窩部に限局した中等症以上の痛みあるいは灼熱感
 間欠的な(間をおいて繰り返す)痛みであること
 胸部あるいは心窩部以外の腹部領域に局在しない
 排便や排屁により軽快しない
 胆嚢やオッディ括約筋障害の診断基準を満たさない
(少なくとも半年以上前からあり、少なくとも最近3ヶ月間に上の診断基準を満たす)
補足基準
 焼けるような痛みでも胸骨後部に発生するものではない
 痛みは通常、接触により誘発あるいは軽快するが、空腹時に起こってもよい
 食後愁訴症候群が合併してもよい

機能性胃腸症・機能性ディスペプシアの治療法は?
薬の内服
  イメージ画像 胃の運動を調整する薬剤、胃酸を止める薬剤、ストレスを和らげる薬剤などを使用します。

機能性胃腸症・機能性ディスペプシアかなと思ったら?
受診すれば楽になります
  イメージ画像 生命に影響を与える病気ではありませんが、日常生活には大きな影響が出てくることがあります。
 人によっては、市販の薬剤で対応している患者さんも少なくありません。
 一度、医療機関で適切な検査を受ければ、症状はだいぶスッキリします。
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