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かゆみと、赤いふくらみ |
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昆虫に刺された直後、あるいはしらばらく後に、刺されたところを中心に激しいかゆみとともに、紅色の盛り上がりが生じます。 |
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虫によって症状が違います |
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原因となる昆虫によって、症状に特徴があります。
ダニによる虫刺症は、下腹部や、大腿内側などの、皮膚の柔らかい部位に多いです。
ブユ(ブヨ)によるものは、小出血点をともないます。
ハチ(蜂)によるものは激痛があり、ときに全身に蕁麻疹 (じんましん)が発生し、ショック状態を引き起こす場合があります。
ムカデには噛む種類のものがあり、痛み、腫れ、赤みを引き起こします。症状が48時間以上続くことはほとんどありません。
クモは、クロゴケグモとドクイトグモに刺されると重い症状を引き起こしますが、日本には生息していません。 |
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ハチ(蜂)には注意が必要です |
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日本では、ハチ刺傷による死亡者が年間に40人〜50人ほどいます。毒ヘビによる死亡者数をはるかに上回っています。
ヒトに襲い掛かるハチは、ミツバチ科と、スズメバチ科の2つの科に属していますが、養蜂家はミツバチに刺されることが多く、農業・林業従事者はスズメバチやアシナガバチに刺されることが多いです。一般の人が偶然に刺されてしまう場合は、スズメバチが多いです。
体重450gあたり10回程度までは刺されても死に至ることはないと考えられています。平均的な体重の成人は、1000回以上刺されても耐えられますが、子供は500回程度刺されると死に至る危険性があります。アレルギーがある場合は、1回刺されただけでアナフィラキシー反応で死に至ることもあります。
ハチの毒は水溶性なので、刺されたら毒を出して、水で洗い流すと効果的です。黒い服や、濃い青い服、香水などはハチを刺激するので注意しましょう。
家庭の医学:ハチ刺症・ハチ刺され |
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アナフィラキシーショック |
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ハチ刺傷による全身性アナフィラキシーショック反応は、刺傷後数分〜15分であらわれます。重症なものほど、早くあらわれます。
全身のじんま疹、紅潮、血管浮腫(けっかんふしゅ)、声門浮腫、呼吸困難、下痢、嘔吐、低血圧 、意識喪失、痙攣(けいれん)などのショック症状があらわれ、生命の危険があります。
全身症状があらわれなくても、刺傷部分の周囲の反応が大きい場合には、次に刺された時に全身性アナフィラキシー反応を起こす可能性が高くなります。 |