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 クローン病

クローン病の概要は?
おもな症状
  下痢
腹痛
発熱
貧血
体重減少
肛門周辺の難治性潰瘍
非定型的痔ろう
裂肛などの肛門病変
腹部腫瘤形成
似ている病気
  腸結核
潰瘍性大腸炎
虚血性大腸炎
放射線照射性腸炎
腸型ベーチェット
単純性腸潰瘍
急性回腸末端炎
起こりやすい合併症
  全身性合併症としては、栄養障害、貧血、関節炎、虹彩炎、肝障害、皮膚病変。
局所性合併症は、腸管の狭窄、閉塞、瘻孔形成(ろうこうけいせい)、膿瘍形成(のうようけいせい)、腸管穿孔(ちょうかんせんこう)、大量出血、肛門病変など。

クローン病ってどんな病気?
消化管とは
  イメージ画像 消化器は、胃や腸はもちろん、食物を取り込む口(口腔)や栄養素を貯蔵・加工する肝臓なども消化器に含まれます。消化器のうち、食物や水分の通り道となる部分が消化管です。
 消化管は口腔にはじまり、咽頭、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)大腸、肛門までを指し、全長は約6mになります。
大腸・象徴の粘膜に炎症
    大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患と呼びます。クローン病も、この炎症性腸疾患のひとつです。
 回腸末端部に後発する慢性肉芽腫(まんせいにくげしゅ)の疾患ですが、小腸のほかの部位、大腸、胃なども冒します。また、消化管以外では、とくに皮膚、関節、肝臓、眼にも病変をおこします。
欧米の先進国に多い病気
   この病気は、ヨーロッパやアメリカなど先進国に多く、日本での発病率は10分の1程度ですが、増加の傾向にあります。有病者数は毎年1,500人前後、増加しています。
 発病はあらゆる年齢層におよびますが、20歳代に最も多く見られます。男性と女性との比率は約2:1で、男性に多い病気です。
症状のコントロールが大切
   潰瘍性大腸炎との病変の違いは、クローン病では小腸に病変が及んでいること、炎症の広がりがびまん性ではなく、非連続性(区域性)で、深さも粘膜からしょう漿膜(しょうまく)に達する全層性炎症であることなどです。
 クローン病に対する根治療法はなく、治療の目的は急性期のコントロールと、再発予防ですが、多くの場合は再発と緩解(かんかい)を繰り返します。
病名は
   1932年にニューヨークのマウントサイナイ病院の内科医クローン先生らによって限局性回腸炎としてはじめて報告された病気です。先生の名をとって、クローン病と呼ばれています。

クローン病の原因は?
原因はいまだ不明
  イメージ画像 遺伝的な要因が関与するという説、細菌やウィルスによる感染、免疫異常、食べ物や環境因子の関与、腸管の血管の血流障害による説などが原因ではないかとされてきましたが、現在ではまた、原因は不明です。
遺伝子が関係しているとの説もありますが・・・
   最近の研究では、なんらかの遺伝子の異常が背景にあり、異物を処理する細胞やある種のリンパ球などの免疫を担当する細胞の異常反応が明らかになってきています。そこで、なんらかの外来の抗原(食事の成分、異物、病原体など)の侵入とそれに対する免疫系の反応異常ではないかと想定されています。
 人種や地域によって発症する頻度が異なり、また家系内発症もみとめられることから、遺伝的因子の関与が考えられていますが、クローン病を引き起こす原因となる特定の遺伝子はみつかっていません。

クローン病の症状は?
腹痛・下痢・体重減少
  イメージ画像 腹痛、下痢、発熱、体重減少などで発症します。
 腹痛は病変部に一致することが多く、下痢は水様、または軟便で、血液が混じることはまれです。
 体重減少は、食事摂取量の減少にもよりますが、病変が回腸に広範囲にみられるときは、吸収障害も関与します。
 肛門病変の手術を繰り返す場合や、原因不明の発熱を訴える若年者では、一度、クローン病を疑ってみるべきです。

クローン病の診断は?
診断方法は?
  イメージ画像 血液検査、糞便検査、さらに消化管X線造影検査、内視鏡検査をすることによって診断します。

クローン病の治療法は?
治療法は?
  イメージ画像 社会復帰を念頭におき、緩解させることが主体となり、再燃時には心身の安静のために入院が必要です。
 急性期や増悪期には栄養療法と薬物療法を組み合わせた内科的治療が主体となります。近年は栄養療法の成績の向上に著しいものがあります。
 また、狭窄(きょうさく)などの合併症例では、必要に応じて、外科的療法が行われます。

クローン病かなと思ったら?
症状のコントロール
  イメージ画像 再燃・再発を繰り返し慢性の経過をとります。完全な治癒は困難であり、症状が安定している時期(緩解)をいかに長く維持するかが重要となります。クローン病は長期にわたって罹患し小腸病変では栄養障害を起こしやすいので、食生活のコントロールが大切です。
食事でコントロール
   長い経過の間で手術をしなければならない場合も多く、手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と報告されています。また、定期的に検査を受けることも必要となります。
 経口での栄養摂取が不十分なときは、在宅での成分栄養剤投与について、主治医と相談するのが良いでしょう。また、食事は低脂肪の食事を中心に摂取するのが望ましいです。
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