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 ドライアイ

ドライアイの概要は?
おもな症状
  眼が乾く
ゴロゴロする・ショボショボする
眼が赤い・眼がかゆい
眼の疲れ
眼の痛み・眼のかすみ
症状が似ている病気
  アレルギー性結膜炎
ウイルス性結膜炎
急性結膜炎
角膜異物
角膜上皮剥離
老眼・老視の初期症状
メガネやコンタクトレンズが合っていない屈折異常
起こりやすい合併症
  高度な角結膜乾燥
細菌・真菌・アメーバなどによる角膜感染症
高度な視力障害
口腔乾燥症

ドライアイってどんな病気?
涙が眼を守っている
  イメージ画像 涙は悲しい時、痛い時に出るだけでなく、常に少しずつ分泌されています。そうして、眼の表面の角膜、結膜の表面を常に薄い涙の膜で覆って保護し、栄養を与えています。
涙は3層構造
   涙の層は、角結膜側から順に、粘液層、水層、油層の3層構造になっています。
 この涙の層が減少し、眼の表面が乾燥し、いろいろな症状を起してくる状態をドライアイといいます。
幅広い症状のドライアイ
   ドライアイとは、乾性角結膜炎、涙液減少症と呼ばれる病気と同じです。しかしドライアイという言葉は、非常に軽度の人、涙の質的異常の人も含めて、広く使用されています。
 傷がなくても眼が乾くという症状があればドライアイといえます。また、涙の水分量は正常でも、短時間で蒸発してしまうような油層の形成が悪い場合でも、ドライアイと呼びます。
涙液減少症・乾性角結膜炎
   涙の量が実際に減少している場合には、涙液減少症(るいえきげんしょうしょう)と呼ばれます。涙の量が不足し、さらに何らかの傷がある場合は乾性角結膜炎と呼ばれます。
 しかし、近年の傾向では、すべてを総称して「ドライアイ」と呼ぶようになってきています。

角膜の構造は?
眼の表面の透明な膜
  イメージ画像 角膜は黒目の表面の厚さ0.5mmの透明なドーム状の膜です。視覚器官である眼に光が入る入口のところにあり、水晶体とともに眼のレンズの役割をしています。角膜が濁ったり、歪んだりすると、視力が非常に障害されてしまいます。また、角膜には豊富に神経が分布しているので、角膜に傷が付くと痛みが生じます。
 角膜は3層構造をしており、表面を覆う上皮と、内側を覆う内皮との間に、角膜の大部分を占める実質があります。実質は、コラーゲンのグルコサミノグリカン(糖の一種)からなりますが、その約80%は水分でスポンジが水を含んだような感じになっています。
角膜が透明の理由
   角膜はなぜ透明なのか、その詳しいメカニズムはわかっていません。コラーゲンの線維がある一定の間隔を持って規則正しく配列していることが、角膜が透明であるキーポイントだと考えられています。これは「モーリスの格子説」と呼ばれています。
 角膜実質中の水分が増加して角膜が膨潤し、コラーゲンの配列が乱れると、すぐに角膜は透明でなくなってしまいます。
角膜には血管がない
   正常な角膜には、血管が存在しません。血管がないのにどのように栄養分を受け取っているのか不思議ですが、角膜表面の涙、角膜周囲の白目の表面を覆っている結膜の血管、角膜の奥にある眼内の前房(ぜんぼう)という場所に溜まっている房水(ぼうすい)の三者によって、栄養分をもらっています。

ドライアイの原因は?
女性に多い
  イメージ画像 一般的には、涙液の分泌は、年齢と共に低下していきます。特に女性の方が乾きやすくなる傾向にあります。そこに環境因子が加わることで、容易にドライアイの状態になってしまいます。
シェーグレン症候群
   軽度のドライアイの患者さんが大多数ですが、シェーグレン症候群という非常に重症のドライアイもあります。
 この場合は、自己免疫に原因があり、自分の唾液腺と涙腺を自分の免疫が攻撃し、破壊することによって生じます。そのため、眼が乾くだけでなく、喉も渇く(口腔乾燥症)のが特徴です。関節リウマチなど、他の自己免疫疾患を合併していることがしばしばあります。
兎眼(とがん)
   兎眼が原因によって、非常に重症のドライアイを引き起こします。
スティーブンス・ジョンソン症候群
   スティーブンス・ジョンソン症候群は、後遺症として最重症のドライアイを引き起こします。強い角結膜の瘢痕性混濁(はんこんせいこんだく)をともなって、著しく視力が低下します。眼疾患の中でも、特に難治性の病気です。

ドライアイの症状は?
軽症の場合
  イメージ画像 眼が乾く、眼がころつくといったような症状が一般的です。軽症のドライアイでは、充血する、眼が疲れるといった症状の場合もあります。
重症の場合
   重症の場合は、視力も低下し、ころつきを通り越して、眼痛を訴えることもあります。
両目性
   ドライアイは、左右差はありますが、通常は両目性です。

ドライアイの診断は?
シルマー試験
  イメージ画像 ドライアイでは、涙の分泌が低下しているかどうかを検査する必要があります。いくつかの検査法がありますが、シルマー試験という方法が一般的です。
 下の赤眼のところに、帯状のろ紙を挟み込み、これが徐々に濡れてくる状態を測るやり方です。ドライアイでは、このろ紙がしばらく待ってもあまり濡れてきません。濡れ幅が5分で5mm以下の場合には、分泌低下と診断されます。
フルオレセイン染色・ローズベンガル染色
   眼の表面の傷を見るには、フルオレセイン染色で角膜の傷の状態を検査します
 角膜の傷はフルオレセイン染色ではわかりにくいので、ローズベンガル染色という赤い色素を使って検査をします。

ドライアイの治療法は?
完全な治療法はまだありません
  イメージ画像 涙液の分泌を増やすのが理想ですが、現在では残念ながらそのような治療法は確立されていません。
 外から人工涙液を点眼して補うか、分泌された涙を眼の表面で長く保たせるようにします。
ドライアイ用メガネ
   分泌された涙を保たせる方法としては、フードの付いたドライアイ用メガネをかけて、涙の蒸発を減らす方法があります。
涙点を塞ぐ
   また、涙が鼻へ抜けていく通路を塞ぐ方法もあります。
 まぶたの縁の鼻側の端に、涙点というところがあります。そこに栓をするような形で、涙点プラグというものを差し込むことによって、比較的簡単に通路を塞ぐことができます。

ドライアイかなと思ったら?
環境因子が重要
  イメージ画像 ドライアイは、環境要因によって病状が非常に大きく左右される病気です。
 以前はあまり問題になりませんでしたが、最近の日本では爆発的に患者さんが増加しています。
日常生活の予防法
   コンタクトレンズ、エアコン、コンピューター作業が、ドライアイの症状を悪化させる3大要因となります。症状がひどいときには、コンタクトレンズの使用をやめる、コンピューターの作業時間を減らすなどの工夫をしましょう。
 また、エアコンの噴出する車の助手席には座らない方が良いでしょう。
 自分の部屋には、加湿器を備えるなど、周囲の環境を乾燥しにくいように工夫していくことが大切です。
防腐剤のない目薬を
   眼の乾燥を予防する目薬を使いすぎると、目薬に含まれている防腐剤によって角膜の表面が余計に傷んでしまうことがあります。
 点眼回数が多い場合には、防腐剤の含んでいない目薬を使用しましょう。
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