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健康な人は大丈夫 |
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健康な人がいきなり敗血症になることはありません。
ヒトは常に細菌などの病原微生物の攻撃を受けていますが、免疫の働きで、その侵入を防いでいます。例を挙げると、抜歯したあとには血中に高い頻度で細菌が侵入しますが、細菌は白血球に貪食されるため、健康な人では一過性の現象で症状はみられません。
血液中に細菌が検出されても無症状の場合を、菌血症(きんけつしょう)と呼びます。 |
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細菌の持続的侵入 |
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毒力の強い細菌の感染が起こり、十分な治療がされなかった場合、免疫力が低下した状態などでは、細菌が持続的に血液中に侵入し、敗血症が起こります。
血液から検出されることが多い疾患と原因菌 |
髄膜炎 |
肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌
新生児では大腸菌、B群連鎖球菌 |
心内膜炎 |
ヴィリダンス型連鎖球菌、ブドウ球菌 |
咽頭蓋炎 |
インフルエンザ菌 |
重症細菌性肺炎 |
ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌 |
骨髄炎 |
ブドウ球菌、A群連鎖球菌、B群連鎖球菌、緑膿菌 |
蜂窩織炎 |
ブドウ球菌、化膿性連鎖球菌、インフルエンザ菌 |
急性腎盂腎炎 |
大腸菌、クレブシエラ |
細菌性腸炎 |
サルモネラ |
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血液に病原体が流れ込む原因 |
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血液中に病原体が流れ込む原因としては、腎盂腎炎に代表される尿路感染症、肺炎・肺膿瘍(はいのうよう)などの呼吸器感染症、胆嚢炎、胆管炎、腹膜炎、褥瘡感染症(じょくそうかんせんしょう)などがあります。
血管内カテーテルを留置している場所の汚染から、体内に病原微生物が侵入する、カテーテル関連敗血症も近年では増加傾向にあります。
敗血症を起こすリスクの高い人 |
免疫能低下状態
先天性免疫不全症候群・後天性免疫不全症候群
ステロイド薬投与時
免疫抑制薬投与時
白血球減少
悪性腫瘍・白血病(抗ガン薬投与時・放射線療法後) |
ICU患者
カテーテル挿入
導尿バルーン挿入
気管内挿管 |
慢性疾患の存在
肝硬変、糖尿病など |
外科手術後 |
脾臓摘出術後、無脾臓症候群 |
多発外傷 |
重症熱傷 |
褥瘡感染症 |
未熟児 |
先天性心疾患 |
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かつては致命的な病気敗 |
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現在のように抗菌薬が発展する前までは、致命的な病態でした。 |