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必ず現れる瞳孔の縮瞳 |
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瞳孔が小さくなる縮瞳(しゅくどう)は、必ず起こります。軽症の場合でも、物が暗く見える、物が見えにくくなる視力低下、見えない範囲がある視野狭窄、目に何か入っている感じがする異物感、眼痛など、多彩な症状がみられます。この他、頭痛や吐き気がみられます。
重症度に応じて、鼻汁(びじゅう)・流涎(りゅうぜん、ヨダレのこと)、気管支攣縮、分泌亢進、呼吸障害、痙攣、呼吸停止と進行していきます。
サリンで重視すべき点は、呼吸を止める作用があるということです。 |
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肺水腫など |
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サリンは酸や酸性溶液に接触すると、フッ化水素を遊離します。
加熱されるとフッ化物やリンの酸化物である刺激性の固体が昇華して凝結してできる微細な粒子の霧であるフュームを遊離し、肺水腫(はいすいしゅ)を引き起こすこともあります。 |
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少量の皮膚曝露 |
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極めて少量の皮膚曝露時には、全身症状は現れず、汚染された部位の皮膚だけに筋線維性攣縮、発汗などがみられます。 |
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後遺症 |
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サリンの被害者にどのような後遺症が残るのか、専門的な研究が実施されたのは、サリン事件を経験した日本だけです。
後遺症には、心的外傷後ストレス障害・PTSDなどの心的な物、目がかすむ、身体がだるい、熱が出るなど軽微な物、完全に身体を動かせないほどの重度な物まであります。
身体的な後遺症の原因は、中枢神経系や副交感神経の回復不能な損傷だと考えられています。生涯に渡る後遺症だと考えられています。 |