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 仮面うつ病

仮面うつ病の概要は?
仮面うつ病の名前の由来
   1950年代にはじめて『仮面うつ病』という言葉が使われました。身体的症状が精神病理学的症状を隠している(masked)という意味です。この『masked』を、『仮面』と訳しました。
 別名、『抑うつのないうつ病』といいます。
仮面うつ病のおもな症状
   うつ気分が著名ではなく、身体的症状(自律神経症状)が強いうつ病のことです。おもな症状は多い順に、睡眠障害、全身の倦怠感、疲労、疼痛、頭重感、食欲不振、めまい、動機、悪心、首筋のこり、肩こり、体重減少となります。
 うつ病の症状を構成する四因子(悲しみや不快感などの気分、自尊心低下や自責の念などの自己認識、動きの減少などの運動性、不眠や食欲不振などの身体症状)のうち、気分、自己認識、運動性の因子に異常がみられないか、軽くて、身体症状がおもなうつ病のことです。
症状が似ている病気
   糖尿病、肝疾患、貧血、甲状腺機能低下症などの代謝性および内分泌疾患。結核、感冒、インフルエンザ、肝炎などの感染症。多発性硬化症、パーキンソン病などの変性疾患。膵がん、肺がん、脳腫瘍などの悪性腫瘍。消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎などの消化器疾患。

仮面うつ病の診断方法は?
うつ病の4つの条件
   抑うつ症状がなくても、うつ病であると認めるためには4つの条件が必要です。
   うつ病や自殺の家族歴を調べます。
   以前にはっきりとしたうつ病の既往歴があるかどうか調べます。
   うつ病の治療が有効かどうかを調べます。抗うつ薬の服用、電気けいれん療法などをおこないます。
   身体的な症状に、気質的な根拠がないかどうか調べます。自律神経症状(食欲不振、体重減少、不眠、月経異常など)が強いだけでは、うつ病であるかもしれませんし、うつ病ではないかもしれないからです。

仮面うつ病ってどんな病気?
便宜的に使われることの多い病名
   40歳以上で、役職につき、もともと神経症的で、うつ病の家族歴のある人に多いといわれています。
 心療内科、内科、産婦人科で、仮面うつ病と診断される人は20%にものぼるといわれています。症状が睡眠障害や、倦怠感などの日常生活でよくある症状であるため、「異常ありません」と言われたり、「気分的なものです」と言われてしまうことも良くあります。精神科以外の診療科目を受診する人で、多少の抑うつ症状のある人すべてを仮面うつ病と呼ぶこともあります。
 これには、精神科医ではない医師は精神疾患に関する知識がないため。一方、患者さん側からみた場合、精神科の敷居が高く軽症者や、初期のうつ病患者さんが行くのは精神科以外のためです。うつ病患者さんの80%は、まず最初に内科を受診するといわれています。
 したがって、仮面うつ病という病名は、更年期障害、自律神経失調症、神経症、心身症などとはっきり区別されず、便宜的に用いられています。一方、精神科医はめったに仮面うつ病という病名は使用しません。
 心療内科を受診している仮面うつ病患者さんの中で、実際に本当のうつ病患者さんは5%程度といわれています。
仮面うつ病に混同されやすい病気
   仮面うつ病と呼ばれる患者さんの中には、以下のようないろいろな病気が混じっていることがあります。
  軽症うつ病
  不安神経症
  身体表現性障害(不安の身体化)
  心気症
  適応障害(ストレスに反応して現れた軽い症状で、抑うつ、不安、ひきこもりなど)

仮面うつ病の治療法は?
治療法は?
   うつ病の治療法方と同じです。
 うつ病としての治療が不十分、中途半端にならないようにしましょう。患者さんはうつ病であると認めたがらないことが多く、精神科医以外の医師では、うつ病の治療が十分にできないためです。
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