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耳垂れ、難聴、めまい、耳鳴り |
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奥に入り込んだ鼓膜が、さらに深部へと進むと、さまざまな症状が現れます。
強い炎症や骨破壊が生じて、悪臭のあるドロっとした耳垂れ、難聴、めまい、耳鳴り 、顔面神経麻痺 などを合併します。
細菌の混合感染を起こして急性増悪すると、粘膜縁や穿孔縁からポリープができたりして、耳漏が血性になることがあります。
真珠腫性中耳炎は、一般的な慢性中耳炎よりも重い病気です。慢性化膿性中耳炎と異なり、風邪症状にともなって症状が悪化したり、耳漏が多くなったりすることはありません。 |
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難聴 |
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耳小骨が破壊されると難聴を起こし、さらに真珠腫が内耳へ増殖すると、蝸牛(かぎゅう)が障害されて回復が難しい強い難聴を起こすことがあります。
伝音難聴、もしくは感音難聴をともなった伝音難聴の混合難聴が主体です。聴力レベルが40デシベル〜60デシベルなので、慢性化膿性中耳炎に比べると、聞こえが悪いことが多くなります。 |
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めまい |
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真珠腫が半規管(はんきかん)や前庭(ぜんてい)へ増殖すると、めまいが起こります。
耳の中を触ると起こるめまいを瘻孔症状(ろうこうしょうじょう)と呼び、半規管や前庭が真珠腫で破壊されているサインとなります。 |
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顔面神経麻痺 |
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顔面神経は中耳内を走行していますが、真珠腫が顔面神経を圧迫したり、炎症が神経に及ぶと、顔面神経麻痺が起こります。 |
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頭蓋内合併症 |
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そのまま放置しておくと、真珠腫が中耳と頭との境の骨を破壊し炎症が波及して、髄膜炎 や脳膿瘍(のうのうよう)を起こし、生命に関わる場合もあります。 |
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先天性真珠腫との違い |
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真珠腫性中耳炎は、耳漏、炎症を繰り返していること、後天的な病気であることが、先天性真珠腫との大きな違いです。
先天性真珠腫は、生まれつき真珠腫組織が中耳などに入り込むことで起こります。 |