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ハラビロトンボの成虫


ハラビロトンボ

[和名・種類]

ハラビロトンボ

[学名]

Lyriothemis pachygastra

[英名]

-

[名前の由来]

腹広蜻蛉。腹部が幅広なトンボのこと。

[分布]

北海道南部〜種子島

[科名]

トンボ目トンボ科

[体色]

オス:黒色、メス:黄色

[時期]

4月・5月・6月・7月・8月・9月

[特徴・生態]

 平地、丘陵地の沼沢、湿地などに生息するトンボの仲間。
 体長は32mm〜39mm、後翅長は25mm〜28mmになります。小型種で、腹部が平たく、幅が広いです。地色は黄色で、腹部に黒条がありますが、成熟したオスでは全体が黒色化し、腹背は青白粉を帯びます。オスの頭部は黄色で、前額の上部と、後額瘤は青藍色です。メスは未成熟のオスと同じ黄色で、腹部中央には黒色の1本の筋があり、筋に沿って斑紋があります。翅は基部が淡黄色を帯び、三角室付近まで及ぶこともあり、縁紋は前半黒色、後半黄色です。オスの副性器の後鉤は小さく、生殖片は細いですが、長く突出します。
 食べ物は、他の昆虫を捕えて食べます。
 幼虫は、楕円形のヤゴです。腹先に尾(エラ)がありません。毛深く、常に泥を付着させています。
 生活型は、卵→幼虫→成虫の、不完全変態(半変態)を行います。
 越冬形態は、幼虫です。
 成熟すると、草むらの中の小さな水溜りなどに縄張りを作ります。縄張りの中に他のオスが入ってくると、ホバリングしながら腹を上に反り返らせ、相手を睨みつけながら、上昇して追い出します。メスを探し出すと、すぐに連結して交尾します。産卵形態は単独で、水辺を連続打水して産卵します。

[観察・感想]

 ハラビロトンボのメスの成虫の写真です。
 写真で見ると大きく見えるかもしれませんが、実際にはかなり小さなトンボです。トンボの仲間では良く見かける、シオカラトンボやオオシオカラトンボと比べると、半分くらいの大きさになるのかなー。だいたい、3cm〜4cmくらいしかない、小型種です。
 小さいためか、あまり目立たないトンボです。広い範囲に分布して生息していますが、ほとんど見かけないですよね?自分の行動範囲が狭いからなのか、湿地などがないからなのか、三浦半島にはあまり生息していないからなのか・・・。詳しいことは良くわかりませんが、見かけることのないトンボです。
 三浦半島に限らず、関東地方は湿地や沼地だらけの土地だったんですよね。それが、江戸時代以降、人が多く暮らすようになって、湿地を埋め立て田畑や宅地に変わっていったんですよ。乾いた平地って、かなり少なかったはずです。池や沼などがある、水辺の公園などを作って欲しいですね。

[写真撮影]

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