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やぐら
やぐら
鎌倉時代〜室町時代にかけて作られた横穴式の墓所です。納骨のため、または供養のための場所です。
鎌倉中心部にはなく、中心部を囲む山腹に多く存在します。鎌倉以外では六浦、藤沢、三浦半島、安房国にもありますが、数は少ないです。
鎌倉に幕府が開かれた結果、人口が数万人〜十万人に膨れ上がり、平地が少ないこともあって土地不足に悩まされていました。そこで山の斜面に横穴を掘り、納骨を兼ねた供養堂を造りました。墓所に対する信仰の変化も、やぐら建築を推し進めていきました。
鎌倉幕府が倒され、1454年(享徳3年)の享徳の乱以降、人口が減り武士も少なくなり都市が縮小した結果、ほとんど造られなくなりました。
入り口は扉などで塞がれ、羨道も造られていました。
内部は白漆喰などが塗られ、漆で唐草などの絵が描かれているものもあります。床面には納骨用の穴が掘られていたり、壁面には仏像や五輪塔が掘られているものもあります。
また、供養のために石製の五輪塔が置かれるのが一般的です。
鎌倉を含めて神奈川県東部は地盤が脆弱なので、土砂崩れや風化などで崩れてしまったり、宅地開発によって潰されてしまったものが多く、残っていても苔むした洞穴のようだったり、倉庫として使われていたりします。
鎌倉以外にも似たような埋葬施設はありますが、古墳時代に造られた横穴古墳を再利用しているものなども多いです。
やぐら|鎌倉市浄明寺
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紅葉山やぐら|鎌倉市小町
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北条高時腹切りやぐら|鎌倉市小町
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海蔵寺|鎌倉市扇ガ谷
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JR鎌倉駅下車 徒歩数分
やぐらの写真
化粧坂切通しから海蔵寺へと向かう途中で見付けたやぐらです。
これといって名前が付けられているやぐらではないようです。海蔵寺の周辺なのでやぐらが多いのかもしれません。きっと、景清の牢もやぐらだと思います。
入り口は羨道が造られていて、内部は見た目以上に広いです。
やぐらの形状が良くわかるし、保存状態も良いですね( ^ω^ )
やぐら内部で見付けたのは、なぜか猿田彦の石塔。
この石塔は江戸時代の後半あたりに作られたものだと思います。庚申信仰に関係する石塔なので、やぐらが造られた時代とはだいぶ違うかな。
海蔵寺近くにある駐車場、やぐららしき開口部が見えたので近付いてみたらやぐらでした。
遠くからでもわかるので、大きな開口部です。
ちょうど自動車1台分が入る車庫くらいの大きさがあります。
まさか車庫じゃないよなーなんて一抹の不安が・・・
やぐら内部はとても広くて、碁盤の目状に溝が彫られていました。
石塔などはありませんでした。
海蔵寺のすぐ近くにあったやぐら。ほとんど崩れちゃったみたいです、現在は倉庫として使われているようです。
やぐらは納骨や供養のための岩窟なので、寺院の周辺部に多く存在する傾向にあります。
海蔵寺のすぐ近くにあったやぐら。こちらも倉庫になっていました。
多くのやぐらが宅地開発やがけ崩れなどで姿を消してしまいました。しかし、がけ崩れによって偶然に発見されるやぐらも存在し、こういったやぐらは保存状態が良く歴史的な価値が高かったりもします。
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