栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　天地生成
　横須賀市長　横山和夫書

　栗谷浜埋立土地改良記念碑

　名勝荒崎に続く長井町字栗谷浜、鬼ヶ久保は、谷深く道乏しく僅かな田畑と潮風騒ぐ小さな舟泊を有するのみの孤立した地形であった。その業は足と肩に頼る昔さながらの農・漁業を踏襲するほかなかった。
　ここに横須賀市は市民の生活廃棄物を埋め立てて土地を活用する環境浄化と地域開発を兼ねた一石二鳥の計画を提示。これに応えた地元の熱意ある協力によって昭和四十六年着工以来、六ヶ年にわたり約八十七万トンの廃棄物と土砂を埋め立てた。
　昭和五十四年、面積五．三ヘクタール、の土地改良区を設立同時に跡地整備に着工。市と地主の協調のもと、合理的区画及び道路網を完成して農業近代化の基盤を確立。併せて漁業の振興にも貢献して多大な成果を収めた。
　いまここに横須賀市、関係各庁及び協力者各位に深甚なる感謝を献じ、この歴史的変革を碑に刻み、後世に伝えようとするものである。

　昭和六十年十月吉日長井町栗谷浜土地改良区

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　栗谷浜は「くればま」って読みます。「暮浜」って書いたりもします。
　以前から気にんっていた立派な石碑。
　ここって、入っちゃっても大丈夫なのかな？
　碑文には・・・
　埋立工事・横須賀市
　圃場整備工事・栗谷浜土地改良区・横須賀市
　碑文及模型作成・白鳥逸雄
　建費施工・小原石材店・小原勇

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　「天地生成」って書いてあって、なんだかカッコいい。
　碑文を読んでみると、埋め立てと土地改良事業の記念碑でした。
　文字は横須賀市長の横山和夫。あいかわらず字が上手いです。
　5期20年も市長を務め上げたので、今では考えられないほどの長期政権です。

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　とても大きくて立派な石碑です。
　文字もしっかり彫られています。
　以前から気になっていたんですが、このあたりで石碑を建てるほどの歴史はなかったようなって思っていたんですが、良く調べてみたら埋め立てと土地改良を記念する石碑でした。

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　土地改良区役職員
　理事長・鈴木實
　副理事長・長野徳之助
　たくさんの名前が書かれてあったので、地元ではどんな名字が多いのか調べてみました。
　鈴木・12人、小知和・4人、梶ヶ谷・4人、小島・4人、沼田・3人、斉藤・3人。
　嘉山・2人、竹内・2人、長野・2人、原・2人、山田・2人。
　1人ずつの人が、関根、本山、三木、石渡、八文字、大口、濱田、白鳥、鴨川、富樫、井端、大谷、河合、木地、湖水、小比田、高橋、中西、早川、持田。
　圧倒的に鈴木さんが多いですね。

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　倉庫みたいなのがあって、その敷地内に記念碑が設置されています。
　農家の出荷場っぽい感じで、あんまり入っちゃいけないのかなーなんて思って、じっくり見ていられませんでした。
　そのわりには、写真はしっかり撮影してるんだけど(^_^;)

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　記念碑に埋め込まれていたレリーフです。
　現在の地形です。

栗谷浜埋立土地改良記念碑

栗谷浜埋立土地改良記念碑

　こんなに深くまで入り江が入り込んでいなかったと思うんだけど・・・
　とても気になったので、詳しく調べてみました！！

航空写真

航空写真

　ふっ、ふっ、ふっ、なぜかこんなものを持っていたりするんだな。
　埋め立て前の栗谷浜の航空写真です。1942年に撮影されたものです。
　1971年（昭和46年）に工事が着工されているので、その30年も前の写真になります。
　右側の砂浜が埋め立てられて栗谷浜漁港になり、左側の砂浜は現在もそれほど変わっていません。
　石碑に設置されたレリーフを見ると、かなり大規模に海を埋め立てたように見えますが、埋め立てたエリアは海だったわけではなく谷になります。
　地形から考えると、かつては入り江で、地盤が隆起して谷になり、工事で谷を埋め立てたって状態になります。