そらいろネット > 家庭の医学 > 内分泌の病気 > 末端肥大症・巨人症
 末端肥大症・巨人症

末端肥大症・巨人症の概要は?
おもな症状
  四肢末端・鼻の肥大
口唇の肥厚(ひこう)
前額部・下顎部の突出
著明な身長の増加
似ている病気
  強皮骨膜症(きょうひこつまくしょう)
起こりやすい合併症
  糖尿病
高血圧
心肥大(しんひだい)
心不全(しんふぜん)
乳汁分泌異常

末端肥大症・巨人症ってどんな病気?
成長ホルモンの病気
  イメージ画像 成長ホルモンが過剰に分泌されて引き起こされる病気です。別名を、「先端肥大症」とも呼ばれます。
 発育期に発症すると、身長が著しく伸びて巨人症となります。
 思春期を過ぎ、骨の発育が止まってから発症すると、手足が大きくなり、特有な顔や体形を示す末端肥大症となります。
 発症頻度は人口100万人あたり4人〜6人と言われています。

末端肥大症・巨人症の原因は?
下垂体の腫瘍
  イメージ画像 末端肥大症の大部分は、成長ホルモンを作る下垂体(かすいたい)の腫瘍によって引き起こされます。
腫瘍ができる原因
   下垂体に成長ホルモンを作る腫瘍が生じる原因については、はっきりとしたことはわかっていません。もともと成長ホルモンを作っている細胞が腫瘍化し、成長ホルモンを過剰に生産してしまい、分泌するようになると考えられています。
 非常にまれなケースですが、下垂体以外に成長ホルモンを作る腫瘍が発生することもあります。
特殊なケース
   四肢が長くなるため、指を伸ばしたいピアニスト、バイオリニスト、足を伸ばしたいダンサー、バレリーナ、モデルなどが、成長ホルモンによるドーピングが原因で発症することもあります。
 しかし、他の部分の筋肉が収縮するため、身長が伸びなかったり、身体のほかの部分の筋肉が衰えたり、骨がもろくなるなどの副作用があります。薬剤の使用が原因で発症した場合は、社会復帰できる人は非常に少なくなります。

末端肥大症・巨人症の症状は?
巨人症と末端肥大症
  イメージ画像 巨人症では、急に身長が伸びます。末端肥大症では、手足が大きくなり、顔が変化します。
 末端肥大症は、普通は少しずつ変化が生じるため、周囲の人や自分でも、気が付かないことが多いです。成人以降では、手足が大きくなるために、靴・手袋・指輪のサイズが合わなくなっていきます。
そのほかの症状
   そのほか、頭痛、視力障害、性機能の低下。女性の場合では無月経などの症状が生じる場合もあります。
 また、糖尿病、高血圧症で治療中の患者さんの中に発見されることもあります。
 末端肥大症そのものに生命の危険はありませんが、放置しておくと死亡する確率が2倍以上になり、寿命も10年前後短くなると言われています。

末端肥大症・巨人症の診断は?
症状から診断
  イメージ画像 末端肥大症の診断は、症状、血中ホルモンの測定、画像診断によって行われます。
 診断のためのおもな症状は、手足の容積の増大、眉弓部(びきゅうぶ)の膨隆(ぼうりゅう)、鼻・口唇の肥大、下あごの突出などの特有な顔貌、巨大な舌です。
成長ホルモンの検査
   末端肥大症の検査では、まず血中の成長ホルモンを測ります。
 ブドウ糖液を飲んで、血中の成長ホルモンを測定する検査も行われます。血中成長ホルモンは、正常者ではブドウ糖液を飲むことによって低下しますが、患者さんの場合は低下しません。
 血中の成長ホルモンは分泌が不規則なため、最近では成長ホルモンによって作られるインスリン様成長因子(IGF-I)というホルモンの信頼性が高いと考えられ、診断のために測定されています。
画像検査
   画像検査では、エックス線写真で骨や軟部組織の肥厚の評価を行います。MRIやCTで、下垂体の腫瘍を見つけることも重要な検査です。

末端肥大症・巨人症の治療法は?
まず手術
  イメージ画像 末端肥大症の治療法は、第一に手術が選択されます。
 鼻腔から下垂体と接している骨を削り、下垂体の腫瘍を摘出する方法が一般的です。
 腫瘍が小さい場合は、完治させることも可能です。腫瘍が大きい場合や、周囲に広がっている場合は、完全に取り除くことは困難となります。その場合は、放射線や薬剤による追加治療を行います。
放射線治療は薬剤による治療
   放射線治療では、効果が出るまでに数年かかります。他の下垂体ホルモンの分泌が低下することもあります。
 薬剤の内服は効果が限られています。
 成長ホルモンを下げる注射もありますが、1日数回の注射を必要とするため、あまり実際の治療に用いられることはありません。しかし最近では、持続時間の長い注射薬も開発され、使用されるようになってきました。
外見の治療
   顔貌の変化など、外見上の異常は元に戻すことはできません。

末端肥大症・巨人症かなと思ったら?
内分泌科
  イメージ画像 病気に気が付くときは、ある程度進行している場合がほとんどです。内分泌系の専門医の診察を受けるようにしましょう。
 末端肥大症では、腸のポリープ、悪性腫瘍、糖尿病、心血管系の合併症が多くみられます。そのまま放置しておくのは危険なので、なるべく早期に治療を開始しましょう。

末端肥大症・巨人症の有名人は?
体を生かして成功
  イメージ画像 身長が非常に大きくなるため、力士やプロレスラーの道を歩んで成功した患者さんもいます。この患者さんたちは、薬剤ドーピングよる末端肥大症・巨人症ではありません。
 成功者の有名人としては、プロレスラーのジャイアント馬場さん、プロレスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントさん、力士の出羽ヶ嶽文治郎(でわがたけぶんじろう)さんらがいます。
 私見ではありますが、格闘家の崔洪万(チェホンマン)さん、大食いタレントのジャイアント白田さん、柔道の篠原信一(しのはらしんいち)さん、バスケットボールの岡山恭崇(おかやまやすたか)さんも末端肥大症・巨人症なのではないかと思います。
メインコンテンツ
 家庭の医学
 ・身近な植物図鑑
 ・身近な昆虫図鑑
 ・身近な野鳥図鑑
 ・身近な貝殻図鑑
 ・身近な生き物図鑑
 ・ベランダ園芸
 ・三浦半島観光地図
 ・大人の塗り絵
 ・ゲーム情報局
 ・日記
 ・コミュニティー
スポンサードリンク

モナ・リザは高脂血症だった
ジャイアント馬場 王道伝説
最新内分泌代謝学ハンドブック
最新内分泌代謝学ハンドブック
DVD・スポーツ・レジャー・格闘技

  内分泌の病気  
甲状腺腫瘍 そらいろネットホーム バセドウ病・甲状腺機能亢進症
Copyright そらいろネット(ちーず。) All right reserved