そらいろネット > 家庭の医学 > 皮膚の病気 > 毛包炎・毛嚢炎
ひとつの毛包(毛穴の奥で毛根を包んでいるところ)に、ブドウ球菌が感染して起こる病気です。
安倍晋三内閣の、赤城徳彦農林水産大臣のようになります。ですが、あれほど大袈裟な絆創膏をする必要はありません。
黄色ブドウ球菌、もしくはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(おもに表皮ブドウ球菌)の感染がです。両方が同時に感染する場合もあります。 毛包部にごく軽い傷が付いた時、皮膚の湿った状態が長く続いた時、副腎皮質ステロイド薬を塗っている場合などが、感染の要因となります。
毛包の上部だけの浅い部分の感染症で、個々の発疹は毛包に一致した赤い丘疹(きゅうしん・ブツブツのこと)、もしくは中央に膿を持った丘疹(膿疱・のうほう)で、まわりに赤みがあります。 かゆみはなく、痛みもほとんどありません。 表在性毛包炎と呼ばれています。
丘疹や、膿疱の部分がやや硬く、触ると根を持ったものは、おでき(セツ)の軽いもの、もしくは小さいもので、軽い痛みがあります。表皮ブドウ球菌より、黄色ブドウ球菌の感染が原因の場合が多いようです。 首の後ろ、太腿、お尻などにできることが多いです。1個あるいは、数個〜数十個になることもあります。 深在性毛包炎と呼ばれています。
膿疱の膿を培養すると、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、あるいはその両方が検出されます。
ニキビ(ざ瘡)のひとつひとつのブツブツは、毛包炎です。ニキビの場合、毛包炎、面皰(めんぼう・黄白色に見える毛穴が詰まった状態で炎症がないもの)、ニキビ痕が混在している状態をいいます。 思春期の人たちの顔、胸、背中の上部に多く見られます。
カミソリ負けのひとつひとつのブツブツも、毛包炎です。 カミソリ負けのことは、尋常性毛瘡(じんじょうせいもうそう)と呼びます。
あせもも、ブドウ球菌に感染して起こります。膿疱性汗疹(のうほうせいかしん)、またはエクリン汗孔炎(えくりんかんこうえん)と呼びます。 毛包炎に似ていて区別が難しいのですが、乳幼児の首周囲や、肘の内側など、汗の溜まりやすい場所にみられ夏に多いので、診断の参考になります。
数が少ない場合は、特に治療の必要はありません。自然に治ります。
次から次にと、たくさんできる場合や、痛みがあり、おでき(セツ)に近いものは、抗菌薬(化膿止めの飲み薬)を3日〜4日間、内服します。
たまにできる程度であれば、気にする必要はありません。大袈裟に大きな絆創膏を顔に貼る必要もありません。
次々にたくさんできる場合は、毛包炎ができる原因がないか考えて見ましょう。 首筋や太腿が、いつも衣類で肌が刺激を受けている。副腎皮質ステロイド薬を必要以上に塗っているなど。
思い当たるような原因もなく、長く続くようなら、皮膚科専門医に診てもらいましょう。