そらいろネット > 家庭の医学 > 皮膚の病気 > 黒色真菌症・黒色真菌感染症
フォンセカイア・ペドロゾイ、エクソフィアラ・ジャンセルマイなど病原性黒色真菌による、皮膚の感染症です。、 結節・しこりを示すクロモミコーシス、皮下腫瘤(ひかしゅりゅう)を示すフェオヒフォミコーシスの病型があります。 まれに、内臓や脳に細菌が浸入することがあります。
黒色真菌は、屋外の土中や植物などについている、自然界で普通に存在する細菌です。肉眼で黒く見える一群のカビです。 原因菌は数十種に及びます。熱帯地方〜亜熱帯地方で多くみられます。
クロモミコーシスは、免疫機能低下などのない健康な人に多くみられます。外傷の既往がハッキリしないことも少なくありません。 フェオヒフォミコーシスは、免疫機能が低下している易感染性宿主(いかんせんせいしゅくしゅ)に多く発症する傾向があります。外傷部位に多くみられます。
皮膚に潰瘍ができ、ゆっくり大きくなります。時には数十年、かかることもあります。 細菌の種類によって、薬や全身疾患で抵抗力が低下した人の内臓に感染し、命を奪うこともあります。
慢性の結節・しこりを示します。 皮面より盛り上がり、皮膚が硬くなる角化傾向(かくかけいこう)が見られます。周囲の炎症は軽度で、皮膚の腫瘍のように見えます。
軽度隆起性ですが、皮表には変化が見られない皮下の腫瘤です。 波動を触れることが多い病気です。
真菌検査や、病理検査で診断を行います。 皮膚や内臓の病巣に黒色真菌がいることを確認します。
真菌検査では、直接鏡検と、培養検査があります。 直接鏡検は、白癬(はくせん)の場合と同様に、病変の一部を採取して顕微鏡を使って検査します。クロモミコーシスの場合、褐色調の大型の球形で、壁が厚く、しばしば分割を示す菌要素が認められれば、診断が確定します。 培養検査も白癬と同じで、黒色調の集落が生えます。
病理検査では、一部の組織を培養検査に回すこともでき、もっとも確実な検査方法です。 慢性肉芽腫像(まんせいにくげしゅぞう)、皮下膿瘍(ひかのうよう)が見られますが、菌要素を検出すれば診断が確定します。 クロモミコーシスの場合、褐色調で大型の球形で壁が厚いですが、フェオヒフォミコーシスの場合、褐色調の菌糸形菌要素が認められます。
手術療法、抗真菌薬の全身療法、温熱療法、凍結療法などを行います。 皮膚真菌症の中でも、もっとも難治性の病気のため、複数の治療を組み合わせて行うことが多いです。
小さな病巣であれば、切除して切り取ります。
抗真菌薬の全身療法では、イトラコナゾール(イトリゾール)、テルビナフィン(ラミシール)、アムフォテリシンB(ファンギソン)、フルシトシン(アンコチル)などが使用されます。 抗真菌薬の内服も有効です。
まれに、内臓に転移する細菌もあります。 皮膚科専門医の診察を受け、適切な検査と治療を受けるようにしてください。