臨済宗円覚寺派のお寺で、安戸山荘厳禅寺といいます。
本尊は十一面観音菩薩で、開基は岳雲禅師です。
開基の年については定かではありませんが、禅師は応永14年(1407年)に亡くなっているので、それ以前になると思われます。
本堂右手には、運慶作と伝えられる不動明王が祭られています。胎内に智証作と伝えられる愛染明王像が秘蔵されていて、不動明王・愛染明王の両方のご利益があると伝えられています。腹の表面に方形の穴があり、合掌する愛染明王像の上体が拝めるめずらしい不動明王です。
この不動明王像は佐原十郎義連の守護仏として子孫に伝えられ、油壺の新井城に祭られていました。しかし永正13年(1516年)7月、北条早雲に攻められ、3年に渡る篭城戦の末に破れます。その落城寸前に、城主の三浦道寸義同が、この像を禅僧の子明に託して、このお寺に奉納されたと伝えられています。
人物事典:三浦義同
|