浅海域沿岸や内湾の藻場に生息する、ヨウジウオの仲間。
体長は約8cmになります。胴部は側扁し、頭部は胴部と直角の方向に曲がります。吻は細長く、後頭部の冠状突起が高く、頭頂部が著しく高くなります。胴部の骨質結節は、一般に棘状です。尾部は細長く、尾びれがなく、他物に巻き付くことができます。体色は黄色、または茶色です。背びれ13〜14、胸びれ11、体輪数は胴部に10、尾部に38〜40。育児嚢はオスの尾部前7輪を占めます。
産卵時、雌雄が尾部で絡み合い、体長が産卵に都合が悪いと、離れて適当な体長のものを探します。メスは胸を反らせ、輪卵管を開き、オスの育児嚢に卵を滑り込ませます。1回に5個〜9個の卵を出しては、尾部を海藻に巻き付けて休息します。約2時間かけて40個〜50個の卵を受け渡します。孵化した幼魚は、育児嚢から出るころには、親と同じ形をしています。
頭部や体に枝状付属物が出ることがあり、ハナタツとの区別が難しいことがあります。
食用にはなりませんが、乾燥した雌雄一対を錦の袋に入れ、安産のお守りにします。
|