すでに人は宇宙空間で生活する時代になっていました。学校を卒業して就職したのは、宇宙コロニーを建設する大企業。小学生時代や中学生時代の懐かしいクラスメートたちもたくさん就職し、入社式が行われました。
新入社員研修は数グループに別れ、さらに数人のグループに別れて行われました。最初は宇宙遊泳に慣れることが目的で、宇宙服を着て、自分たちがいるコロニーを見て回りました。コロニー周辺では、外壁の補修作業が行われており、多くの人とすれ違いました。教官からは、宇宙服の使い方、酸素ボンベの交換方法、姿勢制御用スラスターの使い方などを教わりました。
コロニーの外周を回っていると、たまたま窓のネジが1本、外れていることに気が付きました。教官に報告をすると、いきなり仕事をすることになりました。仕事内容は、外れたネジの回収と、新しいネジの取り付け作業。
私は一人で管制塔に向かわされ、管制官に作業内容を伝えると、書類にサインし、そのまま管制官の仕事を任されてしまいました。無線で交信しながら、作業の指示を送り、仕事を無事に終えることができました。新入社員の中では、宇宙空間での作業第一号となりました。
仕事が終わり、バスに乗って寮まで帰宅しました。寮は、アリの巣のように地中にあり、ワンルームでボロボロのアパートです。鍵を持って寮の入り口で並んでいる時、仲間に夕食はどうしているのか聞いてみました。すると行列に並んでいた人たちが一斉に、居酒屋に向かって行きました。近くにはコンビニも食堂もなく、1軒の居酒屋しかありませんでした。
居酒屋に入ると、円卓状のテーブルになっており、ひとつのテーブルに4人座れるのに、1人か2人で座っており、空いている席がありませんでした。その中には、ゴールデンボンバーのメンバー4人もいましたが、バラバラの席に座っていました。後から入ってきた人は座る場所がなかったので、先に座っていた人たちに詰めて座るように声を掛けました。 |