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最近ではゆっくり整復する
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脱臼を戻す整復には、多くの種類があります。
整復にはリスクをともなうものもあるため、最近では、一気に整復する方法は行わず、ゆっくりと時間をかけて整復します。
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整復方法
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患者さんはベッドの上に腹這いになり、手首に重りを付けて引っ張る方法などがあります。
この他にも、患者さんは床の上に仰向けになり、腕を引っ張りながら少しずつ上げていく方法などが一般的です。
下方脱臼の場合は整復方法が異なり、腕を最大まで上げた状態から、上に引っ張ります。
整復には、麻酔を使うこともあります。
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手術が必要になることも
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一部の患者さんでは、一般的な整復法では整復できないことがあり、その場合、全身麻酔や、手術が必要になることがあります。
整復後、再びエックス線画像検査を行い、骨折部分が大きくズレたままであれば手術を行います。
最近では、関節鏡を使った手術が行われています。
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腕の固定
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三角巾などを使用し、3週間以上は腕を固定します。
固定する腕の位置は、脱臼した方向によって異なります。
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運動制限
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整復によって徐々に肩の動きは回復しますが、脱臼を起こさせる方向への運動は、6週間〜8週間は禁止されます。
脱臼にともなって損傷した関節包などが十分に修復されない場合、関節包や靭帯などが関節内に入り込んで不安定になる場合、容易に脱臼を繰り返す反復性肩関節脱臼になってしまいます。反復性肩関節脱臼では、手術以外の治療法がなくなってしまいます。
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治療を怠ると
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脱臼してから2週間〜3週間までなら、整復による治療で効果が期待できます。
しかし、それ以上時間が経過してしまうと、手術が必要になってしまいます。脱臼を放置しておくと、関節を構成する骨に栄養が行き届かなくなり、骨が陥没したり壊れたりする壊死が起こることもあります。
脱臼してから制服までの時間が長くなればなるほど、治療の結果も悪くなってしまいます。
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