男性型脱毛症・AGA

男性型脱毛症・AGAの概要は？

おもな症状

おもに男性で若いうちから頭髪が薄くなる

似ている病気

粃糠性脱毛症（ひこうせいだつもうしょう）
症候性脱毛症（しょうこうせいだつもうしょう）

男性型脱毛症・AGAってどんな病気？

AGAとは

　AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症のことです。男性にもっとも多くみられる脱毛症です。
　俗称としては若ハゲなどと呼ばれています。

思春期以降から

　男性型脱毛症は他の脱毛症と異なり、思春期以降に額の生え際か、頭頂部の髪のどちらか一方、または両方から薄くなり、進行していくのが特徴です。
　細くて短い髪の毛が多くなり、全体として薄毛が目立つようになります。
　一般的にはジヒドロテストステロン（DHT）、遺伝子が関係すると考えられています。

進行性の薄毛

　男性型脱毛症は進行性で、何もしないでいると徐々に進行していきます。年齢が高くなるほど、患者さんの数は増えていきます。
　進行を抑えるためには、早めのケアが大切となります。

女性にも発症します

　ほとんどの患者さんが男性ですが、女性にも発症します。

男性型脱毛症・AGAの原因は？

成長期が短くなる

　男性型脱毛症では、成長期→退行期→休止期の毛周期（もうしゅうき）における成長期が短くなります。
　毛包（もうほう）が小さくなり、毛は細く、短くなります。

男性ホルモン

　男性型脱毛症では、男性ホルモンが関係しています。
　髭（ひげ）や胸毛は男性ホルモンによって成長が促進され、太く硬くなります。
　一方で、前頭部や頭頂部の毛は男性ホルモンによって成長が抑えられます。
　男性ホルモンを活性型に変換する酵素（�U型5-α-レクターゼ）が前頭部や頭頂部の毛の毛乳頭にあり、発症に関係していると考えられています。

毛の生え変わり

毛周期（もうしゅうき）

　毛には成長期、退行期、休止期と呼ばれる周期があり、これを毛周期と呼んでいます。
　ヒトでは毛周期は同調していないので、動物の毛変わりのようにまとまって毛が抜けることはありません。
　成長期の期間が長い毛は長くなり、成長期が短いと毛は短いまま抜け落ちてしまいます。

成長期・退行期・休止期

　ヒトの頭の毛の場合、成長期が2年〜6年、退行期が2週〜3週、休止期が3ヶ月〜4ヶ月です。
　まつ毛では、成長期が30日〜45日、休止期は100日です。
　頭の毛の各毛周期の割合は、成長期が85%〜95%、退行期が1%、休止期が10%です。髪の毛は切らなければ、1m以上に伸びます。

男性型脱毛症・AGAの症状は？

前頭部・頭頂部の薄毛

　前頭部、頭頂部を中心に、左右対象に毛が薄く、細くなります。
　痛みやかゆみなどの症状はありません。

男性型脱毛症・AGAの診断は？

血液検査では

　男性に現れた男性型脱毛症では、血中の男性ホルモン値に異常はありません。
　多嚢胞性卵巣症候群の男性化徴候として女性に男性型脱毛症が現れた場合は、血中の男性ホルモン値が上昇します。

特徴的な症状

　以下の5つの項目のいずれかに該当するかたは、男性型脱毛症の特徴を示しています。

家族に髪の薄い人はいる

　両親、兄弟、祖父母に髪の薄い人がいる場合。

抜け毛が気になる

　シャンプーやブラッシングをした時の抜け毛、枕元に残った抜け毛が多くなったような気がする。

いつごろから抜け始めましたか

　思春期より後になってから抜け始め、徐々に薄毛が進行している。

どの部位から抜け始めたか

　額の生え際が後退してきた。頭頂部の髪の毛が薄くなってきた。額の生え際と頭頂部の両方の髪の毛が抜け始めた。

髪の毛にハリがあるか

　産毛（うぶげ）のような細くて短い髪の毛が多くなり、ハリやコシがなくなってきた。

男性型脱毛症・AGAの治療法は？

いろいろな種類の薬がある

　男性型脱毛症の治療薬には、飲むタイプと、頭皮につけるタイプがあります。いずれも、男性型脱毛症、壮年性脱毛症の効果・効能が認められています。

飲むタイプの薬

　飲むタイプの治療薬としては、フィナステリドがあります。2010年4月現在では、保険適用外となっています。

塗るタイプの薬

　頭皮につけるタイプの代表的な治療薬としては、塩化カルプロニウム、ミノキシジルがあります。

男性型脱毛症・AGAかなと思ったら？

医師に相談を

　男性型脱毛症は医療機関で相談ができる時代になりました。
　薄毛、抜け毛が気になっているようなら、諦める前に医師に相談してみましょう。

症状によって異なる治療薬

　男性型脱毛症の他にも、さまざまなタイプの脱毛症が存在し、それぞれ治療法が異なります。
　男性型脱毛症では一般に市販されていない治療薬もあるので、自己判断せずに医師の診断のもとに適切な治療を受けることが大切です。

男性型脱毛症・AGAの治療体験談

薄毛を意識し始めた

　22歳〜23歳のころ、薄毛を意識するようになりました。人から言われたこともあり、自分自身でも少し薄くなってきたかなという自覚がありました。
　家系的にも薄毛が多い方で、毛の質も元々細い毛のため、比較的早くから悩みを感じていました。
　育毛剤を使ったり、シャンプーを変えたり、お金のかからない程度に髪の毛のケアをしていました。知り合いに声を掛けられ、植毛をしたこともあります。

テレビCMがきっかけで診察

　毛が細くて猫毛のため、湿度が高いと跳ねてしまいます。そのため毛が太くて多い人を見ると、うらやましく感じていました。若い頃はファッションで髪を染めたいと思ったこともありましたが、髪が痛むのが心配でできませんでした。
　テレビ番組を見ていてAGA（男性型脱毛症）のことを知りました。テレビCMでは、治療という扱いだったため、医師に相談に行くことにしました。

待合室では

　少し壁が厚い、敷居が高いという印象を受けました。しかし、待合室で座っているうちに皆が同じように見えてきて、少し安心しました。
　診察室に入り先生の顔を見てから、やっと安心できました。

治療の効果

　劇的な変化はありませんでしたが、少し変わってきたかなと思ったのは、治療開始から9ヶ月目あたりでした。朝起きて鏡を見たとき、なんとなく増えたかなという感じがしました。偶然、1年ぶりに会う友人に「変わったね」と言われました。
　精神的にも自分の中である程度の安心感のようなものが得られました。仕事をはじめ、さまざまなストレスがありますが、その一部が若干和らいだといった感じです。