久里浜港のすぐ近くにある住吉神社。
久里浜港周辺は埋め立てによって造成された土地のため、どうしてこんなところに神社があるのだろうと不思議に思うかもしれませんが、ここはかつては海岸に突き出た岬のような場所でした。砂が堆積してできた場所ではなく、隆起してできた場所だと思われます。
最寄り駅は久里浜駅になりますが、徒歩25分くらいかかってしまいます。最寄りのバス停は久里浜港になります。参拝者用駐車場はありませんが、短時間なら久里浜港の駐車場に止めてしまっても大丈夫ではないでしょうか。
不思議に思うことはほかにもあるのですが、久里浜には神社が多いです。
■ 由緒・歴史
資料で調べた由緒
祭神は中筒男命(なかつつのおのみこと)。このほか金山彦命(かねやまひこのみこと)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、表筒男命(うわづのおのみこと)、須佐之男命(すさのおのみこと)を祀っています。
創建時期は不明です。
1645年(正保2年)、再建しています。
吾妻鏡によると栗浜大明神と書かれています。1182年(治承6年)8月11日、源頼朝の妻の政子が二代将軍となる源頼家を出産するにあたり、佐原十郎義連(さわらじゅうろうよしつら)を使いとして神馬を奉納したとあります。1185年(文治元年)1月21日には源頼朝、1195年(建久6年)10月26日には源頼家が参詣しています。
新編相模国風土記稿によれば、境内に「三浦大介旗掛の松」と呼ばれる古い松の木が生えていました。また、神社の後部には弘法大師が爪を使って彫ったとされる「爪切り地蔵」がありました。
境内の案内看板から
・創建
年代不詳。吾妻鏡・相模風土記等により約1000年前と想定されます。
・御祭神
中筒之男命(なかつつのおのみこと)、金山毘古神、天照皇大神、表筒之男命、素戔嗚尊
・御神徳
禊祓(除災招福)、航海、漁業、産業貿易、和歌の租神として仰がれ広くあまねく崇敬されております。
・例大祭
7月29日。現在は7月末日の日曜日に行われます。
・三浦一族と源頼朝の関係(吾妻鏡による)
三浦一族の水軍の船霊として信仰され、治承4年、三浦義澄は衣笠城落城の前夜、一族郎党を引き連れ、栗濱大明神(現住吉神社)に祈願。山頂の松に幟を立て(旗掛けの松)源頼朝と共に房州に渡る。
寿永元年8月、源頼家誕生に佐原十郎義連を使者として御馬を奉納。
文治元年1月、源頼朝、政子共に参詣。
建久6年10月、北条五郎時連等が参詣。
・境内社
稲荷社。倉稲魂命。商売繁昌、家内安全。
幸神社。猿田彦命。交通安全。
■ 写真
住吉神社
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境内(2019年6月13日撮影)
なんで埋め立て地に神社があるんだろうって不思議だったのですが・・・
実際に写真を撮りに来て腑に落ちた感じがしました。
神社のある場所は高台になっていました。このあたりは海岸の砂が堆積してできたか、埋め立てによってでいた土地なんですが、住吉神社のある場所は海底が隆起してできた土地のようです。砂じゃなくて泥岩っぽい地質でした。
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境内(2019年6月13日撮影)
住吉神社の境内です。
少し大きめなクロマツの木が見えるかと思いますが、旗掛けの松ではありません。旗掛けの松だったら樹齢800年くらいになっちゃうので、そんな松の木は日本国内には存在しないかもしれません。
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鳥居(2019年6月13日撮影)
住吉神社には石製の立派な鳥居が2つあります。
いつ奉納されたのかとか、誰が奉納したのかとか、チェックしておけば良かったですね。次回参詣に訪れた際に調べてみます。
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御神燈(2019年6月13日撮影)
階段の真ん中に手摺りが据え付けられています。神社では階段の真ん中は神様が通る場所とされているので、人間は通っちゃいけないことになっています。でも、大工さんは通っていいのかな、治外法権ってヤツ?
御神燈は明かりをともしていたんだと思いますが、今は使われていません。
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拝殿(2019年6月13日撮影)
私にとってはちょっと思い出のある拝殿です。
参拝して鈴をガランガランと鳴らそうとして紐を引っ張ったら・・・。フックから紐が外れて鈴ごと落下しちゃったんですよ!!
いやぁ~、冷や汗ものでしたよー。
社務所がどこにあるかもわからなかったので、やむなくそのままにしてしまいましたが・・・(^^;)
だって、紐がまっすぐ下に降りてないからさーって、構造的な問題があると思います、と言い訳してみる。
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扁額(2019年6月13日撮影)
住吉大明神と書かれた扁額。
なんかね、よーく見てみると他にも文字が書かれていたっぽいんですよー。けど、完全に消えちゃってて。
こちらの神社にも千社札が貼られています。いつ頃貼られたものなんですかねー、地元の人ではないことが多いんですよね。鎌倉なんかに行くと物凄い数の千社札を見かけるんだけど、誰かが貼っている姿は見たことがないんですよねー。自分もやりたいんだけどね。
小さな神社
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神社(2019年6月13日撮影)
住吉神社の境内に合祀されている小さな神社。
由緒が書かれていた看板から察すると幸神社ですかねー。
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神社(2019年6月13日撮影)
こちらも小さな神社。
こちらは稲荷神社でしょうか。あるいは幸神社か・・・
石造物
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狛犬(2019年6月13日撮影)
拝殿にいるんじゃなくて、倉庫の前にいる狛犬です。
拝殿前には新しい子がいるんだけど、私はこちらの狛犬の方が好きです。良く出来ていると思うし。
倉庫の前から寂しそうに境内を眺めていました。
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狛犬(2010年6月16日撮影)
奉納したのは江戸三十軒堀。あと二見屋って文字だけ読み取れました。
三十軒堀は東京都中央区あたりにあった堀川で、川幅が三十軒あったことから名付けられた地名です。運河のようなものなので、船によって物資輸送が行われていた場所だったと思われます。
二見屋は不明ですが、神奈川県でも西部に多い苗字です。山間部には少ないみたい。
そんなわけで、船に関係する人々が奉納した狛犬だと思われます。
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手水鉢(2019年6月13日撮影)
水が枯れておりました(^^;)
参詣者も少ないのでしょうがないのかな。
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庚申塔(2019年6月13日撮影)
庚申塔が並んでいました。
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庚申塔(2010年6月16日撮影)
建ち並ぶ庚申塔の中でも、一番気になるのはコレ!!
宇宙人が祀られています。
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石仏(2019年6月13日撮影)
住吉神社の鎮守の森の背後にある石仏群。
こちらは庚申塔ではないようです。
一番右は弁財天、その隣が地蔵尊、その隣が聖観音菩薩?それとも馬頭観音かな?一番奥の左側は手がいっぱいあるので千手観音だと思います。
近くに住宅が少ないっていうのもあると思います、お参りに訪れる人もいないようです。でも、とても珍しい石仏だと思います。
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