三浦市南下浦町毘沙門の慈雲寺

慈雲寺 南下浦町毘沙門

三浦七福神のひとつ、白浜毘沙門天を祀っている慈雲寺。
目立たない寺院ですが、道路に面した墓地に建っている大きな石塔が目立ちます。
アクセスが悪いので車が便利です。寺院には広い駐車場も用意されているので安心です。目印はとっても小さなガソリンスタンド。小さいと目印になってないかな?
公共交通機関を利用するなら三浦海岸駅から京急バスになります。バス停「毘沙門」下車、徒歩1分。ただしバスの本数が少なく1時間に1本程度しかありません。バス停の隣りにも1台分の駐車場があります。
白浜毘沙門堂は離れた場所にあります。

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慈雲寺の歴史

記録が失われてしまったため詳細は不明です。

臨済宗のお寺で山号は持陽山といい、寺号が慈雲寺です。
開山は1368年(応安元年)、妙謙和尚によります。別の資料では開山は降翁で、1505年(永正2年)に没したとあります。
本尊は薬師如来です。
相模国風土紀稿によれば『慈雲山、持陽山と号す。臨済宗鎌倉円覚寺末、本尊観音、開山降翁』とあります。慈雲山は慈雲寺の誤記だと思われます。本尊は観音とありますので、相模国風土記稿が書かれたのちの時代に薬師如来が本尊に代わったのだと思われます。
本堂は明治時代中期頃に建てられたと思われます。間口7間、奥行き5間、宝形造りで禅宗様式を踏襲しています。
1872年(明治5年)、各大字小学校が創設されました。海応寺と1ヶ月交代で教育を行いました。

三浦七福神のひとつで白浜毘沙門天を祀っています。毘沙門天は行基の作と伝えられていますが実際には江戸時代の作だとか。
毘沙門堂は慈雲寺から徒歩約15分くらいのところにあります。かつては毘沙門堂に祀られていたと思われますが現在は慈雲寺にあり、朱印も慈雲寺で書いてもらえます。

慈雲寺の写真

入り口

慈雲寺の石塔

慈雲寺の入り口に建つ石碑。そんなに目立つわけではないんだけどね。
やっぱり目立つのはガソリンスタンドとバス停かな。
「臨済宗円覚寺派 持陽山慈雲寺 円覚寺管長宗源書」
って刻まれています。

石塔群

入り口に並ぶ石塔たち。
一番左は奉納された霊場供養塔。西国秩父、四国坂東って書いてありました。霊場巡りを行って奉納されたのかな。
丸っこいのはなんの供養塔だろう?
地蔵が2体。右側のもきっと何かの供養塔だと思います。

山門

慈雲寺の山門

決して大きくはありませんが山門がお出迎えしてくれます。
寺院の経済事情なのでしょう、三浦市では山門のある寺院はとても少ないです。すぐ隣の横須賀市にはそれなりにあるのですが。けど、新しい山門が多いかもしれないですね。
私は勝手に江戸っぽい山門だなって思いました。三浦だけど(^^;)

慈雲寺の山門

間口は2.7mあります。
門扉は開いていますが、歴史を感じさせる雰囲気があります。

慈雲寺の山門

山号が刻まれた石塔は立派ですね。新しそうでピカピカしています。
たぶんありがたい言葉が書かれている掲示板もありました。どんな有難い言葉か気になる?
「誰も見ていなくても、仏さまはちゃんと見ていらっしゃる」
「小さな形をうけたる物なりとも、命を惜しむこと、大山よりも重し」

本堂

慈雲寺の本堂

お寺に行って本堂をじっくりと観察をするのが好きな人もいれば、それ以外のものを見て回るのが好きな人もいれば、お寺や神社に興味のない人もいるんじゃないかなって思います。たぶんほとんどの人が興味ないのでは(^^;)
私は本堂よりも他の何かを探して回るのが好きな方です。
だって小さな寺院の本堂って、どこも似たような感じだから(^^;)

慈雲寺の本堂

青銅製の雨水甕。
施主 岩崎秀雄 岩崎仙次
平成2年1月11日
慈雲寺 多聞代
ってあります。岩崎さんも多いのかもね。

扁額

ほとんどの寺院には本堂入り口上部に掲げられている扁額。今でいうところの表札といったところかな。
書いた人の名前っぽいのが書かれてあるんだけど、私には読めませんでした(^^;)
扁額って中国かた伝えられたもので、似たようなものは韓国やベトナムにもあるらしいです。ヨーロッパではどうなんだろう?

扁額

本堂の入り口はアルミサッシになっています。窓もアルミサッシです。
ちょっと寂しいなって感じてしまいますが、冬は寒いですからねー。メンテナンスもラクになるし。
本堂内が気になるけど開ける勇気はありません(^^;)

十三重の塔

十三重の塔

お金持ちの家の庭にあるヤツですね(^^;)
高さ約7mもあるノッポさんです。
臨済宗円覚寺派管長 朝比奈宗源 為義慶印賢峰実道居士菩提
命日 平成元年1月28日
施主 渡辺八郎
平成3年3月28日
慈雲寺 多聞代
ってあります。この辺りの地元では渡辺さんが多いのかも。

観音様

観音像

こちらは十一面観音菩薩立像のはずです。
仏像に興味のある観音ガールとかならすぐに見分けられると思うんだけど、それほど興味があるわけじゃなくて(^^;)
調べてみると頭の上に顔がポコポコと乗っているのは十一面観音になるそうです。
クモの巣がちょっと気になりますね。

お地蔵様

地蔵

コンクリートの穴の中に隠れていたちょっと引きこもり気味のお地蔵さん。なんとなく親近感がわきます(^^)
穴があったら入りたい、いつでもどこでも引きこもりたい性分なもので・・・
日本社会が生んだ闇の権化のような人間になってしまいました。

駐車場

駐車場

ポツンと自家用車(^^;)
慈雲寺には駐車場が2ヶ所あります。
ひとつはバス停のすぐ隣。1台分だけの駐車スペースしかない小さな駐車場。
こちらの写真の駐車場は山門の前にあって、広々としています。

墓地

お墓

墓石

墓地は2ヶ所に分かれています。山門の横のちょっと小高くなっているエリアと、ほんのちょっと離れた毘沙門区民会館を囲むようなエリアにあります。
たぶん漁師さんのお墓が多いんだと思います。墓地には海砂が敷き詰められていたので、亡くなった人にゆかりのある物を撒いたのかなって感じました。

庚申塔と馬頭観音

庚申塔

とても大きな庚申塔が目立ちます。
慈雲寺には馬頭観音が多いのかなって感じました。慈雲寺前の道路は昔から使われていた道路なのかなと思いました。今では細くて不便な道だけど、江戸時代とかさらにそれ以前の時代には十分な道幅だったのかな。

護国英霊塔

護国英霊塔

墓地に建つ大きくて立派な護国英霊の供養塔。下部の自然石は溶岩でしょうか?慈雲寺のシンボルマークといっていいでしょう。
刻まれた名前は以下の通り。1944年(昭和19年)~1946年(昭和21年)に亡くなった人の名前が刻まれています。ほとんどが1945年(昭和20年)でした。太平洋戦争末期で戦局が厳しくなっていたころになります。
鈴木粂治、岩崎久治、岩崎敏治、鈴木廣吉、石渡七之亟、石渡五郎、渡邊角太郎、岩崎秀雄、石渡又治、石渡正、鈴木清、鈴木彦、渡邊君代、瀧口利輔

バス停

バス停

映画のいちシーンに登場してきそうなほどに味わいのあるバス停。
これはもう写真を撮らずにはいられませんね!!三浦半島の海岸沿いにはこういった味わいのあるバス停が多くあります。
こういったモダンなバス停はいつまでも残していってほしいものです。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンド

慈雲寺の見どころはというと、寺院そのものよりも趣のあるバス停、ガソリンスタンド、ワタナベ酒店だと思います!!
私はこれらをじっくり見たいという気持ちで訪れました。
こちらのガソリンスタンドは渡辺商事っていうみたいです。すぐ隣にはワタナベ酒店があります。

白浜毘沙門堂への道標

道標

毘沙門堂に行くにはこの農道を右折して進みます。
自動車で訪れる際は道幅が狭いので運転に自信のない人は行かない方がいいかもー。私は怖くて行けませんでした。

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