元号は君主の統治の年数を示すもので、中国の漢(かん)の武帝(ぶてい)の頃確立した紀年法です。それ以後、中国の影響を受けたアジア諸国で行われ、日本でも、孝徳(こうとく)天皇の大化元年に使われ始めたとされています。しかし、最近の研究では、天武天皇時代に始まったものが、『日本書紀』編纂の時点で、孝徳天皇時代までさかのぼって用いられたものらしいと考えられています。
元号制定は君主の特権で、 普通は天皇の代の初めに改元されます。そのほか、吉兆があったとか(白雉(はくち)・和銅(わどう)など)、災異が起こったとか(転慶(てんぎょう)・安永など)、辛酉(しんゆう)・甲子(かつし)に改元するとかの理由で改元されることもあります。
14世紀の南北朝時代には、南北両朝それぞれの元号が用いられました。
明治以降は、一世一元(いっせいいちげん)の制となり、戦後はその根拠が失われましたが、1979年、元号法が成立し、天皇の代が変わるごとに政令で新元号を定めることになりました。
元号の読み方は、主に漢音訓ですが、中には変わったものもあり、宝暦(ほうりゃく・ほうれき)のように、2つの読み方があるものもあります。
また、正式元号の他に、正史に見えない逸年号(いつねんごう)、民間で信仰の意味から作られた私年号(しねんごう)などもあります。
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