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女性性器損傷

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女性性器損傷ってどんな病気?

性器の損傷

 

イメージ画像 外陰部打撲(がいいんぶだぼく)や性交によって、性器を損傷する外傷です。
 裂傷による出血と、疼痛がみられます。外陰部周辺は血管が多く、小さな傷でも多量の出血が起こりやすく、外からの細菌感染も起こしやすいです。


女性性器損傷の原因は?

打撲

 

イメージ画像 外陰部打撲では、自転車転倒事故、鉄棒、スノーボードなどで、外陰部を強打してしまった時に発生します。成人女性でなくても、小さな子供が風呂場で転倒してバスタブに外陰部を強打して起こることもあります。

性交

 

 暴力的な性交、強姦、初体験、器物使用による性交、器物使用によるセルフプレジャーなどによって発生します。
 セルフプレジャーの知識のない子供の場合、膣内に消しゴムなどの異物を入れたりすることもあります。

その他の原因

 

 手術や分娩によって、損傷を受けることもあります。


女性性器損傷の症状は?

打撲

 

イメージ画像 多くの場合、外陰の血管が断裂して局所に出血し、外陰血腫(がいいんけっしゅ)となります。膣の深部にまで、裂傷がみられることは少ないです。
 外陰部の疼痛、血腫による違和感、外陰からの出血によって、病院の診察を受けに来る人が多いです。

性交裂傷

 

 膣入口部から、膣円蓋(ちつえんがい)の深部まで、幅広い膣の裂傷がみられます。
 性交裂傷の好発部位は、陰核包皮周辺、小陰唇内側、膣入口前後壁および処女膜、肛門周辺(特に後方)、膣前庭上部・外尿道口付近、膣前壁(円盤まで)、膣後壁(円盤まで)です。
 多くの場合、性交後の出血、疼痛を訴えて、病院を来院します。

出血

 

 外性器周辺は血管が多いため、受傷すると多量に出血してしまいます。
 損傷が膣に及ぶ場合は、出血量は少ないですが、内出血していることがあるため、診察時には膣鏡(ちつきょう)で検査を行います。
 性器以外にも、膀胱や直腸も損傷を受けていることもあります。


女性性器損傷の診断は?

打撲

 

イメージ画像 外陰部打撲による外陰血腫は、外陰部強打の事実確認と、視診による外陰部の血腫の確認なので、診断は容易です。

性交

 

 外陰部に異常がみられない場合もしばしばあるため、膣鏡によって裂傷部位を確認することが大切になります。

性的犯罪の場合

 

 強姦などの性的犯罪が関係した性器損傷の場合、警察の捜査や裁判の証拠として、カルテが使用されることがあります。そのため医師は、詳細かつ正確に記録を残す必要があります。性的犯罪被害者は、犯罪と診察によって、精神的に大きな傷を負ってしまいます。
 性的犯罪の場合、性器だけにとどまらず、まず全身を観察し、打撲傷、点状出血・斑状出血の有無と部位をカルテに記載します。これらが見られる場合は、写真撮影を行うこともあります。
 性器では裂傷部位の大きさ、状態を正確に観察して記載します。膣、子宮頸管(しきゅうけいかん)から分泌物を採取し、顕微鏡で精子の有無を観察します。通常では、性交後、膣内では8時間まで、精子は運動性を保っています。子宮頸管内では、2日間〜3日間、精子は運動性を保っています。
 また、性病感染と妊娠などについても同時に診断を行います。
 診察によって精子が確認できても、カルテには強姦や性的犯罪と断定した診断名は記載せず、あくまでも「疑い」として記載します。


女性性器損傷の治療法は?

症状によって異なる治療

 

イメージ画像 傷が浅く、出血も少ない場合、膣は縫合せずに、感染予防のための抗生物質や軟膏の使用だけで治療を行います。
 傷が大きく、出血も多い場合、縫合を行います。

外陰血腫

 

 外陰血腫では、外陰部の消毒後、局所麻酔を注射し、皮膚を切開して血の塊を除去します。
 出血部位が確認できれば、縫合して止血し、ドレーンと呼ばれるチューブを挿入して縫合します。処置後、抗菌薬を数日間投与し、出血がなければドレーンは数日で抜き取ります。

膣壁裂傷

 

 膣壁裂傷では、裂傷部位の消毒、局所麻酔を行い、抜糸しなくても自然に身体に吸収される吸収糸で縫合します。
 縫合は視野を十分にとり、裂傷部位の端の奥の方から手前に向かって行います。
 外陰血腫の場合と同様に、数日間、抗菌薬の投与を行います。

性的犯罪の場合

 

 性的犯罪の場合、婦人科的な処置だけにとどまらず、精神的トラウマに留置し、精神科、ケースワーカーと連携を取りながら、フォローアップをしていきます。


女性性器損傷かなと思ったら?

婦人科へ

 

イメージ画像 小さな傷でも出血が多いことや、細菌感染を起こしやすいため、出血がなくても違和感や痛みがあるようなら、恥ずかしがらずに婦人科を受診するようにしてください。
 性的犯罪では、警察への通報を行ってください。

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