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皮膚の温度 |
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組織が冷気にさらされると、まず血管が収縮します。
皮膚の温度が25℃まで下がると、組織の活動に必要な酸素が不足してしまい、チアノーゼ(暗紫色)状態となります。
皮膚の温度が15℃まで下がると、逆に肌の色はピンク色になります。このころから組織の傷害が始まります。
皮膚の温度は-4℃まで下がると、凍傷が起こります。組織の水分が氷結し、シャーベット状になった状態といえます。 |
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自覚症状 |
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自覚症状は、ピンや針など鋭利なもので突かれたような感覚から始まります。その後、しびれを感じるようになり、さらに進行すると皮膚は白色で蝋のような色になり、硬くなって、感覚がなくなります。
この状態で傷害部を温めると、水疱・水ぶくれ・腫れが起こります。軽い凍傷の場合はそのまま回復しますが、多くの場合は傷害部分は赤色、青色、黒色に変色し、びらん、潰瘍、焼けるような痛みを感じるようになります。 |
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4段階に分類 |
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凍傷は組織傷害深度によって4段階に分類されます。1度、2度の凍傷は表層性凍傷と呼び、3度、4度の凍傷は深部凍傷と呼びます。
1度では、発赤、浮腫・むくみがあらわれます。
2度では、発赤、水疱・水ぶくれ、びらんがあらわれます。
3度では、壊死(えし)が起こります。
4度では、四肢の先端の脱落がみられます。
分類 |
傷害組織 |
症状 |
1度 |
表皮 |
発赤、腫脹 |
2度 |
真皮まで |
浮腫、水疱 |
3度 |
皮下組織まで |
壊死、潰瘍 |
4度 |
骨まで |
筋肉や骨の壊死 |
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患部を切断することも |
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傷害が皮膚とその下の皮下組織にとどまっていれば、治療によって完全に元の状態に回復させることができます。
しかし、血管が傷害を受けてしまうと、傷害は不可逆的なものになり、壊疽(えそ)を起こして、患部を切断しなければならないこともあります。 |