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水疱
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病型によって、千差万別と言ってよいほど、症状は変異に富みます。
共通する特徴では、生まれた時から、または生まれて間もない頃から、こすれたり、ぶつかったりする部位に、水疱が発生します。
病型ごとの構造蛋白の存在部位で、水疱が作られます。
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単純型表皮水疱症
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ケラチン5/14の遺伝子異常が原因と考えられています。染色体優性遺伝します。
生後間もなくから症状が現れます。手足を始め、身体の摩擦を受けやすい部位に、大小の水疱ができます。時間が経つと水疱は破れてただれてしまいますが、跡が残ることはありません。
夏になると、症状が悪化する傾向があります。
思春期以降、症状が軽くなる傾向があります。
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優性栄養障害型表皮水疱症
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Z型コラーゲンの遺伝子異常が原因と考えられています。常染色体優性遺伝します。
幼少児期、手足の外側に水疱が現れます。水疱が破れるとただれとなり、その後、瘢痕(はんこん)・引きつれ、稗粒腫(はいりゅうしゅ)・イボが残ります。しばしば、爪の変形や脱落、手足の指先の委縮が起こります。魚鱗癬(ぎょりんせん)、毛孔苔癬(もうこうたいせん)、多汗症、多毛症などを合併することも少なくありません。
夏に症状が悪化し、冬に症状が軽くなりますが、生涯続く病型です。
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劣性栄養障害型表皮水疱症
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優性栄養障害型表皮水疱症と同様に、Z型コラーゲンの遺伝子異常が原因と考えられています。常染色体劣性遺伝します。
生下時、または出生直後から、手足や体幹に多数の水疱が見られます。水疱のある部位は、瘢痕や稗粒腫が残り、瘢痕のある部位には潰瘍(かいよう)が発生し、ガン化することもあります。手足の指が癒着してしまい、棍棒のようになることもあります。
皮膚の乾燥、爪や歯の変形、脱毛などの症状も見られます。口腔(こうくう)、咽頭(いんとう)、食道の粘膜にも、水疱が発生します。ひどい瘢痕が残り、嚥下障害(えんげしょうがい)を起こすこともあります。
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接合部型表皮水疱症
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ラミニン5、]Z型コラーゲンの遺伝子異常が原因と考えられています。常染色体劣性遺伝します。
生下時、爪の付け根に水疱が見られます。全身の皮膚、口腔粘膜、気管などにも波及し、あとに治りにくいただれが残ります。特に、鼻や口の周囲のただれは、治りにくい傾向があります。
発病後、数ヶ月以内に死亡してしまう患者さんが多いです。青年まで成長することもあります。
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