そらいろネット > 家庭の医学 > 皮膚の病気 > うおのめ・鶏眼
足底などの部分的な皮膚角化 圧迫痛
たこ・胼胝腫(べんちしゅ)
ウイルス感染・細菌感染による炎症
ドイツ語では鶏の目、日本語では魚の目と言われるように、目の形に良く似ています。医学用語では鶏眼(けいがん)と呼ばれます。 限局性の角質増殖です。頂点が真皮側に位置する、円錐形(えんすいけい)の角質増殖です。 大きさは大豆くらいまでが普通です。
機械的刺激が繰り返し加わることによって生じます。 足型に合わない靴を履いたり、柔らかい底の靴で砂利道のように固い凹凸のある場所を歩くことなどが原因となります。 また、足の冷たい冷え性の人、歩き方が悪く局所に重心のかかる人、立ち仕事や歩くことが多い人、つま先の細い靴を履いている人、偏平足の人などがなりやすいとされています。
末梢性、あるいは中枢性の神経の病気から生じる歩行困難によって、足底のつま先の一部が、常に歩行時に圧迫を受けることなども原因となります。
歩行開始後なら、どの年齢でも発症します。足底にうおのめ様のものができても、15才以下ではいぼ(尋常性疣贅)の場合が多いです。 好発部位は足底の外周に近い部分、第4趾間〜第5趾間、趾端趾背(したんしはい)です。 角化部に垂直に加わる圧力によって、激痛が生じる限局性の淡黄色・半透明な角質増殖病変があらわれてきます。
角化部の表面を削って、中央部に半透明な角質柱を認め、なおかつ、その周辺に角質肥厚が存在すれば容易に診断が可能です。
病理組織所見では、肥厚した角質柱がクサビ状に下方に入り込んでいます。 表皮は圧迫されて有棘層(ゆうきょくそう)は萎縮し、真皮乳頭は扁平化します。
病巣の中心が円錐状に角質増殖したのが痛みの原因です。病巣の表面を1mm程度削り、中心の角質柱を円錐形に摘除します。 この中心の角質柱を核出することも可能です。 続いて、液体窒素を綿棒に浸して、切除跡に押し付けて、冷凍凝固処置を行います。
2週間おきに角質柱の摘除処置を繰り返します。 同時に、足型に一致した適度な固さの靴底の靴、皮膚との摩擦が少ない靴下を履くようにします。靴の当たる部分の周囲に厚いフエルトを貼ったり、靴下を重ねて履いたりもします。 歩行時には、足底面に平均に体重がかかるような靴を選びましょう。ハイヒールのようなかかとの高い靴は良くありません。
皮膚科専門医を受診するようにしましょう。 病気の状態によっては、感染を合併している場合もあり、抗生剤投与が必要になるので、適切な治療のアドバイスを受けてください。 子供の場合、うおのめだと思っていてもいぼ(尋常性疣贅)である場合が多いため、削ったりすると悪化してしまいます。皮膚科を受診するようにしましょう。
潰瘍などができている場合、基底細胞ガン、有棘細胞ガンなど、皮膚ガンの場合があり、皮膚病理組織検査が必要になります。