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手足の痛み 手足のしびれ 脈が触れない
脳梗塞
動脈が急に詰まって急速に血行障害が起こる病気を、急性動脈閉塞と呼びます。
突然、手足に痛みが生じます。手足の先が冷たくなってしびれがある場合には、手足へ行く動脈が詰まってしまった可能性が考えられます。 首や脳へ行く動脈が詰まると、脳梗塞になってしまいます。脳梗塞になると意識障害、手足の麻痺が起こる危険性もあります。 全身の動脈のどこにでも起こる可能性がありますが、腹部大動脈から下肢動脈の分岐部にかけた部位で起こりやすい傾向があります。
急に手足が痛んだり、しびれたり、皮膚が蒼白(そうはく)になったり、脈拍が触れなくなったりします。
心臓内に血栓が作られる原因は、心房細動(しんぼうさいどう)などの不整脈によるもの、心臓弁膜症によるものが多いと考えられています。 心房細動のある患者さんは、血栓予防のために、ワルファリンなど血液を固まりにくくする薬剤の服用が推奨されます。
手足などの動脈が、動脈硬化、動脈炎、外からの圧迫などで流れが悪くなり血液が凝固して血栓を作り、動脈を急に閉ざしてしまう場合、動脈血栓症と呼びます。 動脈血栓症では、動脈硬化が原因となっている場合が、しばしばみられます。
大動脈解離(だいどうみゃくかいり)の症状のひとつとして現れたり、怪我や外傷によって起こることもあります。
動脈の血流を確認するため、ドップラー血流計、CT検査、MRA(磁気共鳴血管撮影)などの検査を行います。さらに、DSA(デジタルサブトラクション血管造影)などの血管造影検査によって、動脈の状態を詳しく検査します。
血流を再開するためには、血液の凝固を抑えるヘパリンという薬を注射します。また、ウロキナーゼ剤やアルテプラーザ剤という薬で、血栓を溶かします。 先端に風船の付いたバルーンカテーテルを血管内に入れて、閉塞部位をバルーンで膨らませて動脈の血栓・塞栓を除去します。
血栓が残ったり、動脈に狭窄部が残る場合、バイパス手術や経皮的血管拡張術を行い、血行を再開させます。
突然、手足が冷たくなったり、痛みが生じて脈が触れなくなった場合、急性動脈閉塞の可能性があります。 血行が止まってしまうので、6時間以内に血行を再開しないと手足に大きな障害を残す可能性があります。すみやかに、心臓血管専門医の診察を受けるようにしましょう。