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診断確定後に治療法を決定 |
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多発性骨髄腫の診断確定後に、治療が必要な症例かどうかを検討します。
病期Iで、無症状の症例では、治療を行わずに厳重な経過観察だけを行います。 |
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病期II・病期IIIでは治療が必要 |
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以下のような場合には、治療の対象となります。治療法は、年齢や症状によって異なります。
・病期II、または病期IIIの場合
・明らかな骨病変が存在する場合
・M蛋白血症に関連した臓器障害
・検査値異常がある場合
・M蛋白が進行性に増加する場合 |
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60歳以下の治療対象となる患者さん |
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病院に入院し、造血幹細胞移植を前提とした治療を行います。高度な腎機能障害、心アミロイドーシス 合併例では、治療法を慎重に決定する必要があります。
通常では、初回治療として、VAD療法(オンコビン、アドリアシン、デカドロン)を行います。 |
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61歳〜70歳までの治療対象となる患者さん |
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一般状態が良好な場合は、造血幹細胞移植を前提とした治療を検討します。
一般状態が不良の場合は、71歳以上の患者さんの治療法に準じた治療を行います。 |
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71歳以上の患者さん |
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原則的には、MP療法(アルケランおよびプレドニン)を行います。
造血幹細胞移植以外の治療法を選択した場合、M蛋白値などが安定して増加しない状態のプラトーフェイズへの到達が、治療の第一目標となります。 |
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自家造血幹細胞移植 |
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現在、65歳以下の多発性骨髄腫の標準的な治療法として位置づけられています。生存期間の延長が証明されています。
自家造血幹細胞移植には、骨髄移植(BMT)、末梢血幹細胞移植(PBSCT)の2つの治療法があります。末梢血幹細胞移植(PBSCT)の方が、感染症や出血などの合併症が少なく、早期に退院可能なことから、一般的になってきています。 |
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サリドマイド |
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近年、サリドマイドが自家造血幹細胞移植後の再発時に有効だということが知られています。日本では、原則的に研究目的の治療として行われています。
サリドマイド被害の再発防止と安全管理を徹底した上で、多発性骨髄腫の治療薬としてサリドマイド製剤の使用が承認されるようになります。 |