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精神科・メンタルクリニックに行こう


精神科・メンタルクリニックに行こう

診察の前に

 

イメージ画像 うつ病は、早い段階で、適切な治療を受ければ治る病気です。しかし、放っておくと慢性化しやすく、再発しやすい特徴があります。
 うつ病治療の中心は抗うつ薬による薬物療法です。
 ただ、いくら薬を飲んでも、病気のきっかけとなったストレスを受け続けている状態では、なかなか良くなりません。
 薬を飲みながら、十分な休養をとることも必要です。長期に渡って休みが必要になる場合もあります。また、こころの負担になっているような環境の調整も必要です。
 うつ病を長引かせないためにも、きちんと医師の指示に従って治療を続けていきましょう。

早めに医療機関へ

 

 うつ病は、適切な治療を早期に受ければ、治る病気です。症状に心当たりのあるかたは、なるべく早めに医療機関を受診し、治療を始めることをオススメします。

回復をあせらない

 

 抗うつ薬の効果が出るまでには2週間〜4週間かかります。症状が回復するためにも、ある程度の時間がかかります。順調に回復すれば3ヶ月程度で良くなりますが、6ヶ月〜1年程度かかることもあります。
 良くなったり、悪くなったりを繰り返すため、目先の治療効果や症状の変化にとらわれず、じっくり構えて治療に望むようにしましょう。

自分の判断で治療を止めない

 

 治療には十分な量の薬を服用することが必要です。
 症状が良くなったからといってすぐに薬の服用を止めてしまうと、再発したり、リバウンドを起こしてかえって悪化してしまうことがあります。
 精神科で処方される薬を飲むことに対しては抵抗があるかもしれませんが、自分の判断で薬の量を減らしたり、止めたりしないようにしましょう。


診療科の違い

こころの病気の専門医

 

イメージ画像 心の病気を専門にしているのは、精神科と心療内科です。
 精神科では、うつ病、精神分裂病などの、心の病気全般を診ています。精神神経科、神経科などの看板を掲げている病院や、もともと精神科でも心療内科の看板を出す病院が増えています。
 心療内科は内科の一部ですが、心の問題が原因となって、体の病気が起こる心身症を中心に、軽いうつ病や神経症など、ストレス性の健康障害の診断と治療を行っていて、精神分裂病などの精神病に分類される病気は扱っていません。
 神経内科は、脳、脊椎から末梢神経にかけての神経系の病気を扱う専門科目で、頭痛も含まれますが、心の病気は扱いません。
 また、カウンセラーは医者ではないので、診療や治療はできません。

診療科の分類

内科
心療内科

心身医学科
心療医学科
心療科など
精神科

神経科
精神神経科
神経精神科など
神経内科
                   
脳梗塞など
 
                 
神経の病気
 
               
痴呆
 
                   
頭痛
 
       
神経症
心に原因があって
心に起こる病気
     
         
うつ病
       
             
精神分裂病
       
   
心身症
心に原因があって
体に起こる病気
         
 
体の病気
                   
   
心療内科は
内科の一部門
 
この境界は
かなりあいまい
         

精神科・メンタルクリニックへ行く前に

診察の前に

 

 うつ病を専門に診てくれるのは、精神科、神経科、心療内科、メンタルクリニックなどになります。
 精神科というと特別なイメージを持つかたもいますが、診察の流れは内科とそれほど変わりはありません。診察を受けている人も、若い人から、お年寄りまで、普段電車やバスの中で見掛ける人と変わりはありません。
 精神科やメンタルクリニックに通うことに抵抗がある場合は、かかりつけの医師に相談をして専門の医師を紹介してもらったり、心療内科に通うのがいいと思います。
 また、子どもの場合は、児童思春期外来や、小児精神科などになります。

病院を探す

 

イメージ画像 もし、かかりつけの診療所があれば、そこで医師に相談してみるのが良いでしょう。希望すれば紹介状も書いてくれると思うので、総合病院での初診料を安く済ませることができます。ベッド数200以上の大きな病院では初診時に紹介状がないと『特定療養費』がかかってしまいます。病院によって500円〜1万円と幅があるので注意が必要です。
 このページを見ているかたはインターネットができるかただと思いますので、病院をインターネットで探す方法もあります。インターネット上で評判の良い病院を選ぶのが良いと思います。良い精神科医というのは、実は意外と少ないものです。適切な治療のできる精神科医は日本では2割程度でしょう。
 他にも、保健所の相談窓口に電話をしてみるという方法もあります。各都道府県に1コ、無料の相談窓口があります。保健所の業務の約6割が精神保険相談なので安心して相談していいと思います。子供の場合は児童相談所、学校の保健室、スクールカウンセラーなどに相談してみてください。

予約をする

 

 個人経営のメンタルクリニックでは初診の時は、事前に電話での予約を必要とする場合が多いようです。ここまでは歯医者への受診と似ていると思います。評判の良い歯医者を見付けて、電話で予約をするというイメージです。
 電話での予約の時、悪い印象を受けたりした場合は、別の病院にした方が良いでしょう。電話対応の悪いメンタルクリニックは、診察での対応が横柄だったりする場合が多いかと思います。


精神科・メンタルクリニックへ行ってみる

窓口で受け付けを済ませる

 

 大きな総合病院だと、総合受け付けカウンターで受付をすることになります。
 個人経営のメンタルクリニックでは、入り口付近に受け付けがあると思いますので、そちらで受付を済ませます。

問診票を書く

 

 受付を済ませると、問診票を渡されると思うので、住所、氏名、既往歴、薬のアレルギー、現在の症状などを書き込みましょう。精神科の問診票は書き込む欄が多いので、意外と時間がかかります。

待合室で待つ

 

 名前を呼ばれるまで、待合室で待つことになります。本名で呼ばれたくない場合は、受け付けで一言いっておくと違う名前で呼んでくれます。
 精密機械の置いていない小さな個人経営クリニックでも、携帯の電源は切っておきましょう。たまに怒られることがあります(^^ゞ
 初診の場合、医師の診察を受ける前に、看護婦や受け付けの人が簡単な問診をするところもあります。このとき、多くの人が待っている待合室の目の前で聞かれたりする病院もあります。残念ながら、患者さんのプライバシーへの配慮の欠けた病院だと思いますので、抵抗があったら別の病院に変更するのがいいとおもいます。精神科では医師と患者との信頼関係が大切なので、信頼できない病院で治療を続けていても症状は改善されないことが多いです。

診察

 

 初診の時は少し時間がかかり、30分〜1時間くらいかかることもあります。基本的に質問に答えるだけで、自分から何かを訴えることはあまりありません。
 診察前まではかなり緊張するかと思いますが、診察が終わると、「意外と簡単だったなー」とか、「気分がスッキリした」って感じるかと思います。
 質問に答える自信がない場合や、うまく伝えられないと思った場合は、メモを持参していき、医師に見せるといいと思います。私自身、診察を受けてもうまく伝えることができず、診察すらまともにできないと落ち込むこともしばしばあったので、現在でもメモを持参することが多いです。

検査

 

イメージ画像 血液検査と、採尿検査があると思います。
 CTや、MRI、脳波検査などは、初診でいきなり検査を受けるというようなことは少ないようです。個人経営のメンタルクリニックでは、検査だけ大きな病院で行うこともあります。

治療開始

 

イメージ画像 多くの場合、薬物療法での治療になると思います。2週間分の薬が処方されると思います。処方箋をもらい、薬局で薬をもらいましょう。
 薬の効果があらわれるまで、通常は2週間〜4週間ほどかかります。薬の副作用により一時的にうつ状態が悪化することもありますが、医師の処方通りに服用することが大切です。

医者選びのポイント

 

 以下は、良い医者選びのポイントです。
 とても残念なことですが、我が国の精神科医はとても未熟で、あたりまえなことができない医師が多いのが現実です。少しでも不信感があったら、ほかの精神科医に診てもらうことをオススメします。
 精神科医療先進国の欧米でも、適切な治療を行える医師は4割程度と言われています。精神科医療後進国の日本では、2割程度と言われています。

・患者さんを良く診てあげようという熱意がある
・話をじっくりと聞いてくれる
・いま苦しんでいる症状や悩みに対して、現実的な対応をしてくれる
・必要があれば、カウンセラーや専門医、専門病院などを紹介してくれる


精神科・メンタルクリニック診察時の良くある質問

診察の前に

 

 うつ病で精神科を受診すると、以下のような質問をすることが多いようです。
 診察時のメモ作りの参考にしてください。

どんな症状がありますか?

 

 食欲がない。夜眠れない、眠れても早朝に目が覚めてしまう。気分がひどく沈んでいるなど。

症状はいつ頃から出るようになりましたか?

 

 だいたい2ヶ月くらい前から食欲がなくなったなど。

症状が出てから、生活はどう変わりましたか?

 

 毎朝、会社に行くのがイヤで、イヤでしょうがない。会社の前まで来ても、喫茶店などに行ってしまうことがある。

気分はどうですか?

 

 やる気が出なくて、なにをするのもおっくうでしょうない。寝癖を治したり、服を選ぶのもおっくうに感じる。

症状が出る前、身の回りで何かありましたか?

 

 職場が変わった。引っ越しをした。など。

仕事や人間関係でストレスに感じることはありますか?

 

 毎日、深夜まで気の合わない先輩と一緒に残業しています。

自分の育った環境、現在の環境について教えてください

 

 母一人、子一人の母子家庭でした。親は毎日山に芝刈りに出かけ、私は川に洗濯に行かされていました。ほとんど会話をする機会がありませんでした。現在も一緒に暮らしていますが、あまり会話はありません。

自分の性格について教えてください

 

 気は優しくて、力持ち、明るい笑顔をいつも意識しています。

お酒やタバコはどうですか?

 

 お酒は毎晩飲んでいます。お酒を飲まないと眠れません。飲めば飲むほど、強くなる気がします。タバコは背が伸びなくなるので吸いません。


こころの病気を知られたくない時は?

健康保険を使って大丈夫

 

 保険業務を行う社会保険事務所や、健康保険組合には、秘密を守る守秘義務があり、業務上で知ったことは外にもらしてはいけない決まりになっています。個人情報がもれることはありません。
 親や配偶者の保険に入っている人は、家族に知られたくない場合もあると思います。医療機関側も、患者さんの事情を配慮して、保険証に医療機関名を記さないのが普通です。どうしても心配な場合、受け付けで「保険証に医療機関名を書かないでください」と言えば大丈夫です。
 自費で診察を受けると、1回あたり1万円前後かかってしまいます。保険証を使わないのは、あまりにもったいないことです。安心して使ってください。


妊娠中(授乳中)は?

まずは診察を

 

 まずは、受診してみることがいいと思います。
 受診時に、「妊娠中です」、「授乳中です」と医師に伝えてください。妊娠3ヶ月までは、薬を飲まずに治療することが多いようです。その後は、薬の種類や量を調整しながら治療していきます。
 出産を諦めなければならないわけではないので、安心しましょう。


受診する準備は?

特に何もありません

 

 特別な準備は必要ありません。気軽な気持ちで受診しましょう。
 日頃から気になることをメモにしておき、どのような症状がどのようにあらわれるのかを書いておくと、診察の再に役に立つと思います。
 もし、他の医療機関に通院していて薬を飲んでいる場合、薬を持参する、お薬手帳を持参する、飲んでいる薬と服用量を書いておくなどしましょう。


医療費負担を軽くする制度は?

今までは32条

 

 今までですと、通院医療費公費負担制度がありました。通称、『32条(サンジュウニジョウ)』と言います。この制度は精神疾患患者に対する適切な医療を普及するために設けられた制度です。精神保険福祉法第32条にもとづく制度で、精神疾患と精神疾患に伴う軽い傷病が対象となります。
 これを利用すると、自己負担が5%に減ります。3000円の治療費が、450円になります。また、自治体によっては、この自己負担分まで補助をしてくれるところもあり、無料で診察を受けることができます。
 精神科の診療科目のある医療機関でのみ使うことができます。他の診療科目では、通常の自己負担分を支払うことになります。
 保健所に申請窓口がありますが、多くの病院では、病院側で手続きを行ってくれます。診断書と印鑑が必要になります。病院受け付けで、「32条の申請をしたい」と言えば大丈夫です。

これからは障害者自立支援法

 

 障害者自立支援法は、市町村の役場で手続きを行います。1年に1回、更新が必要です。
 自己負担分は1割(10%)になります。
 実際に自立を支援してくれるわけではないようです。。。


管理人さんはなぜ精神科の門を叩いたの?

理由は2つありました

 

 受診を決意した背景には2つの理由がありました。
 子供のころから気になって、いじめの原因になったり、変人扱いされていたチック症があり、いつかちゃんと診察を受けて治療をしたいと思っていました。
 もう1つの理由が、職場での環境の変化でした。何に対してでも批判をしてくる先輩と共に仕事をしなくてはいけない状態となり、だんだんと気が滅入り、うつ状態になっていきました。急激に痩せ細り、口数も減っていき、同僚にどう見てもおかしいので病院に行ってみたらと言われました。同僚に指摘されて初めて、今の自分がいつもと違うことに気が付き、『うつ病』かもしれないと知りました。

両親に相談をしない方が良かった

 

 私が最初に診察に行ったのは総合病院の精神科でした。
 しかし、親に相談した結果、「精神科なんて行くもんじゃない」と強く反対されました。精神科に対しては、偏見を持っているようで、現在でも両親の理解は得られていません。
 メンタル系サイトを運営しておきながらお恥ずかしい話ですが、自分自身、精神科にある種の偏見があり、自分の行くところではないと思っていました。総合病院ならばいろいろな診療科目があるので精神科にかかるというのがわかりづらいと思っての判断でした。

家族には秘密にして通っていました

 

 親からの叱責を受けてからの診察となったので、「精神科に通うことはいけないことなんだ」という自己嫌悪感が私の心を支配してしまい、自分の症状を正しく伝えることはいけないことなんだと思い込み、正しい診察を受けることができませんでした。
 その後しばらくして、家族には秘密にして診察を受けた結果、『うつ病』だと診断されました。チック症に関しては、治療が必要なほどひどいわけではないので、治療は行われませんでした。

治療が遅れたため、症状がかなり進行してしまいました

 

 ストレスを感じていることはありますかという問いに、答えることができませんでした。自分で何がストレスなのか認識できない状態に追い込まれていました。
 仕事をやりすぎず、休むことが大切だといわれましたが、当時の私にとって、その言葉は意味を持ちませんでした。『休むってなに?』という状態で、休むことが大切だという言葉の意味を理解することができない状態でした。
 人に迷惑をかけると思い口に出すことはできませんでしたが、このときすでに自殺願望を持つまでに、うつ病は進行していました。

偏見との戦いは現在でも続いています

 

 診察を受けながら通勤していましたが、精神科に通っていることが同僚の口から先輩に伝わってしまい、ふたたび批判の矢面に立たされてしまいました。このことがきっかけとなり、会社に通えなくなってしまいました。現在でもこのときのことがトラウマとなり、忘れることができずにいます。
 結局、職場・家族など、自分の身の回りには、自分の病気に関して理解してくれる人はいませんでした。家族からも孤立し、自分の身の回りのすべてがストレスの原因となってしまい、私のうつ病は悪化していきました。

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