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悪性胸膜中皮腫(悪性中皮腫)の概要は? |
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おもな症状 |
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胸痛
咳
呼吸困難 |
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似ている病気 |
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塵肺 |
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悪性胸膜中皮腫(悪性中皮腫)ってどんな病気? |
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悪名高き石綿・アスベスト |
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胸膜の中皮細胞由来の腫瘍です。悪性度が高く、石綿(アスベスト)暴露との関連が深いのが特徴です。 |
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悪性胸膜中皮腫(悪性中皮腫)の原因は? |
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石綿(アスベスト)と吸入 |
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職業的な石綿(アスベスト)吸入が発症原因として知られています。石綿鉱山の従業員、造船業、建設業に従事する人々に発症しやすい腫瘍です。
また、石綿(アスベスト)を取り扱う事業所の近隣住民、石綿(アスベスト)を取り扱う従業員の家族にも患者が出ています。 |
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発症まで20年〜50年 |
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石綿(アスベスト)に被爆してから、悪性胸膜中皮腫が発症するまでの期間は、およそ20年〜50年とされています。ただし具体的な発症時期にかんしては、研究中です。 |
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悪性胸膜中皮腫(悪性中皮腫)の症状は? |
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片側の肺だけに起こることが多い |
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普通は、片側の肺を侵すことが多いです。胸水がたまってくると、胸痛、咳、呼吸困難が現れます。
発熱を起こすことはまれです。 |
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レントゲン検査など |
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胸部X線検査や、胸部CT検査で、胸水がたまっている様子や、不整な胸膜肥厚像が認められます。 |
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胸腔鏡検査 |
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胸水は血性を示すことが多く、ヒアルロン酸も高値を示します。
胸水細胞診だけでは診断率が低く、胸腔鏡検査で胸膜変化部を生検して確定診断される場合もあります。 |
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悪性胸膜中皮腫(悪性中皮腫)の治療法は? |
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胸膜・肺の全摘 |
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発症初期段階での、胸膜・肺の全摘出手術による治療以外に根治的な治療法はありません。 |
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予後は不良です |
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手術不能例では、アドリアマイシンを中心とする抗ガン科学療法が行われます。放射線治療が行われることもあります。
しかし、予後はきわめて不良です。 |
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悪性胸膜中皮腫(悪性中皮腫)かなと思ったら? |
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自覚症状が出てからでは手遅れ |
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石綿(アスベスト)被爆歴がある人が、胸痛などの自覚症状が起きてから受診しても、すでに手遅れとなってしまいます。
石綿(アスベスト)被爆歴がある人は、1年に2回は検診で胸部エックス線検査を受け、悪性胸膜中皮腫の早期発見に努める必要があります。 |
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良性胸膜中皮腫(良性繊維性中皮腫)とは? |
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手術で完治します |
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良性胸膜中皮腫は、良性繊維性中皮腫とも呼ばれます。石綿(アスベスト)暴露との因果関係はありません。
胸部エックス線検査や、胸部CT検査では、限局した腫瘍結節が胸壁に接してみられます。胸痛などの自覚症状はなく、腫瘍を外科的手術によって切除すれば、完治します。 |
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石綿(アスベスト)とは? |
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一番最初の対策はナチス・ドイツ |
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蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石のことを指します。
石綿の繊維1本の細さは髪の毛の約5000分の1の細さです。耐久性、耐熱性などの特性に優れて安価なため、日本では「奇跡の鉱物」と呼ばれ様々な用途に使用されました。しかし現在では、人体への影響から「静かな時限爆弾」と呼ばれています。
ちなみに、アスベストの人体への悪影響を考えて対策をとったのは、意外にもナチスドイツだったりします。 |
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