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 エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症・肺梗塞症

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症・肺梗塞症ってどんな病気?
肺塞栓症(はいそくせんしょう)
  イメージ画像 心臓から肺へ血液を運ぶ血管である肺動脈に、栓塞子(せんそくし)が詰まり、肺動脈の流れが悪くなったり、閉塞してしまう病気を広く肺塞栓症(はいそくせんしょう)と呼びます。
 栓塞子は、血液の塊、脂肪の塊、空気、腫瘍細胞などがあります。
肺血栓塞栓症と(はいけっせんそくせんしょう)
   肺塞栓症のうち、血液の塊(血栓)が原因で起こったものを、肺血栓塞栓症と呼びます。肺塞栓症の大部分は、肺血栓塞栓症にあたります。
肺梗塞症(はいこうそくしょう)
   肺梗塞症は、肺塞栓症によって肺組織への血液が途絶え、その結果として、血液の途絶えた部分から先の肺の組織が死んでしまう壊死(えし)が起きてしまった状態をいいます。

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症・肺梗塞症の原因は?
エコノミークラス症候群
  イメージ画像 もっとも多いのが、下肢(脚)の静脈内でできた血栓が原因となるものです。
 近年、問題になっている「エコノミークラス症候群」もこのひとつになります。
エコノミークラス症候群とは?
   海外旅行などで長時間飛行機に乗っていると、座ったままで長時間同じ姿勢を保つため、下肢の深部静脈で血液が固まり、血栓ができてしまいます。
 飛行機から降りようと立ち上がったとき、血栓が血液の流れに乗って移動し、肺動脈を閉塞してしまいます。
 同じような症状は飛行機搭乗中にだけ起こるものではなく、病気や手術のため長い間寝たきりの人なども、同じように下肢静脈での血液の流れが悪くなり、血栓を作りやすい傾向にあります。
水分不足も原因
   近年の研究報告によると、エコノミークラス症候群は女性客に集中的に発生していることがわかっています。
 女性客には、トイレに行きたくないから水分を取らなかったという人が多く、水分を飲まないのが原因となっています。血液中に水分が不足すると、血栓ができやすくなってしまいます。

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症の症状は?
最悪の場合死亡することも
  イメージ画像 肺血栓塞栓症の3つの兆候として、突然の胸痛、呼吸困難、呼吸回数が多くなる頻呼吸(ひんこきゅう)があげられます。
 血栓が小さい場合には症状がないこともあります。しかし、血栓が大きく、太い血管に詰まった場合には、ショック状態となって死に至ることもあります。
肺梗塞症を合併すると
   肺梗塞症を合併すると、胸痛のほかにも、血痰、発熱、発汗があらわれます。

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症の診断は?
心電図・胸部X線検査・血液検査
  イメージ画像 突然の胸痛や、呼吸困難の場合、まず心電図、胸部X線検査、血液検査を行います。
 これらの検査だけでは、肺血栓栓塞症の確定診断はできません。しかし、同じような症状を示す、心筋梗塞(しんきんこうそく)、解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう)、気胸(ききょう)などとは、ある程度の診断が付きます。
心電図・胸部X線検査・血液検査
   続いて、血液ガス分析で低酸素、心臓超音波検査で右心不全が認められれば、肺血栓塞栓症が疑われます。
 造影CT、肺換気・血流シンチグラム、肺動脈造影、造影MRIのいずれかで、肺動脈内の血栓を確認できれば、診断は確定します。

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症の治療法は?
発症直後に治療法
  イメージ画像 基本的には、ヘパリンなどの血液が固まらないようにする薬を点滴静注で使います。抗凝固薬(こうぎょうこやく)と呼ばれる薬です。
 重症の場合は、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)といった血栓を溶かす薬を使って、積極的に治療を行います。血栓溶解薬(けっせんようかいやく)と呼ばれる薬です。
 このほかにも、手術やカテーテルを使って、血栓を取り除く方法もあります。
病状安定後の治療法
   肺血栓塞栓症は、再発が多く、発症すると命に関わることもあります。そのため、予防的治療として、ワルファリンなどの抗凝固薬の内服を少なくとも3ヶ月は続けます。危険因子をもつ人は、一生涯、服用します。
 下大静脈にフィルターを留置して、肺動脈に血栓が流れ込むのを予防する方法もあります。

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症かなと思ったら?
早急な治療が必要
  イメージ画像 肺血栓栓塞症は、急性期の死亡率が約10%と高く、救急の病気です。いかに早く診断を行い、いかに早く血栓を取り除くかが大切な病気です。
 したがって、突然の胸痛や、呼吸困難が起こったら、できるだけ早く循環器内科や呼吸器内科を受診する必要があります。
 ためらわず、早急に救急車を呼びましょう。

エコノミークラス症候群・肺血栓塞栓症の予防法は?
適度に身体を動かし、水分をとる
  イメージ画像 下肢の屈伸運動をしたり、長時間の座位をさけ、長時間同じ姿勢でいないように心掛けます。
 そして、水分が不足しないよう、水分を十分にとることが予防になります。
 特に女性は、更年期を境にホルモンバランスが変化し、血液が固まりやすくなるとされていますので、予防が大切です。
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