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 アカントアメーバ角膜炎
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アカントアメーバ角膜炎の概要は?
おもな症状
  結膜充血
視力低下
激しい眼痛
似ている病気
  角膜真菌症・真菌性角膜潰瘍
角膜ヘルペス・単純ヘルペス角膜炎
起こりやすい合併症
  角膜瘢痕(かくまくはんこん)
角膜穿孔(かくまくせんこう)

アカントアメーバ角膜炎ってどんな病気?
まれな病気でも重症
  イメージ画像 アメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる感染症です。
 非常にまれな病気ですが、角膜の感染症の中ではもっとも重症です。
 ソフトコンタクトレンズを使用している人に、多くみられる病気です。従来はまれな病気でしたが、コンタクトレンズの普及によって患者さんは増加しています。

アカントアメーバ角膜炎の原因は?
コンタクトレンズから感染
  イメージ画像 アカントアメーバは、通常はなかなか感染を起こしません。
 アカントアメーバ角膜炎の原因の多くは、アメーバで汚染されたコンタクトレンズを使用することによって発症します。
 コンタクトレンズ保存液やレンズケースを交換しなかったり、レンズの洗浄に水道水を使用していると、アカントアメーバ角膜炎が起こりやすいと考えられています。使い捨てレンズを使用している人でも、発症することがあります。

コンタクトレンズと感染症
増加しているコンタクトレンズからの感染
  イメージ画像 以前なら、角膜の感染症は異物飛入によるものがほとんどでしたが、最近はコンタクトレンズの使用にともなう感染が増加しています。
 コンタクトレンズを使用している人は、角膜の表面に小さな傷ができる点状表層角膜症(てんじょうひょうそうかくまくしょう)になることが多く、常時小さな傷が認められる人も少なくありません。こうした状態でコンタクトレンズを使用すると、コンタクトレンズに付着した微生物が持ち込まれ、何らかのきっかけで感染を起こしてもおかしくないと言えます。
コンタクトレンズは正しい使用法を
   正しくコンタクトレンズを使用している場合には、ほとんど感染は起こりません。感染を起こす人の多くは、眼が痛くても無理に使用を続けたり、保存液として古い汚れた物や保存液以外の物を使用したり、使い捨てレンズを使い捨てずに再使用するなどといった誤った使用方法をしていることが原因になっています。
 特に、アカントアメーバは水道水の中にも存在するので、コンタクトレンズを水道水で洗ったり、水道水を保存液代わりに使用していると、簡単にコンタクトレンズがアカントアメーバに汚染されてしまいます。
コンタクトレンズは繊細な物
   コンタクトレンズを使用している人は、コンタクトレンズそのものが眼にとっては異物であり、異物を眼の表面に長時間接触させていることになります。
 コンタクトレンズによる感染症を予防するため、十分な注意が必要であることを、良く自覚して使用することが重要です。

アカントアメーバ角膜炎の症状は?
ゆっくり進行
  イメージ画像 単純ヘルペス角膜炎や、真菌性角膜潰瘍の症状と似ていますが、初期は角膜の濁りや充血がみられ、強い痛みが特徴で、非常にゆっくりと進行します。
 進行すると、角膜中央に白色円形の混濁がみられます。
 涙もかなりの量が出ます。白眼の充血も非常に強くなります。目やには軽度です。
 視力の低下は初期は軽度ですが、徐々に見えにくくなります。進行すると重度の視力障害になります。
片眼性
   通常は、片方の眼だけに症状が現れる片眼性です。

アカントアメーバ角膜炎の診断は?
難しい検査
  イメージ画像 症状だけでは診断が難しい病気です。角膜の悪くなっている部分をこすり取って、標本を色素で染めた後、顕微鏡で観察してアカントアメーバを検出します。また、アカントアメーバの培養検査も行います。
 特殊な病原体で、珍しい病気であるため、大きな総合病院でも検査が困難なことが多い点が、問題となっています。

アカントアメーバ角膜炎の治療法は?
効果的な薬がない
  イメージ画像 アメーバに対する特効薬はないため、抗真菌薬や、特殊な消毒薬を点眼します。
 さらに、感染した角膜表面を何度も削る治療を併用する必要があります。
治療には時間がかかる
   非常に治りにくい病気で、根治するには何ヶ月もかかることが、まれではありません。
 治療が遅れると、強い混濁が残ったり、失明に至ることもあります。
 どうしても治らない場合、角膜移植を余儀なくされる場合もあります。

角膜移植手術とアイバンクとは?
角膜移植手術
  イメージ画像 角膜移植は、視力障害の原因となっている濁った角膜(黒目のこと)の中央部を円形に取り除き、ほぼ同じ大きさの綺麗な他の人の角膜を移植して、視力を回復させるものです。角膜の表面(上皮)だけ、裏面(内皮)だけを移植する方法など、病気に応じて様々な手術を使い分けます。
 角膜移植が有効な病気は角膜だけの異常で、視神経や網膜などに重い障害のある視力低下は、角膜移植を行っても回復しません。苛性ソーダなど強いアルカリ性の薬物、花火などの高熱による混濁では、移植しても再び角膜が混濁してしまい、上手くいかないことがあります。
 手術手技の発達、縫合糸の改良、角膜保存液の開発により、手術の安全度は向上しています。拒絶反応を抑えるための薬物の開発も進み、角膜移植の成績も向上しています。手術後1年たっても、約90%の患者さんの角膜は透明なままです。
角膜移植を受けたい人
  誰の角膜を移植するの?
     移植に使われる角膜は、死亡した人の角膜です。
 1958年(昭和33年)、「角膜移植に関する法律」が制定され、本人の意思と遺族の同意が得られれば、死亡した人から角膜の提供が受けられるようになりました。
  角膜移植の申し込みは?
     角膜移植を希望する人は、角膜移植を実施している医療機関で診察を受けます。専門医による診断で、角膜移植を受けられるかどうか判定します。
 可能になれば、登録して順番を待つことになります。
  費用と入院期間は?
     角膜移植は医療保険が適用されるため、医療費の支払いは自己負担分のみです。
 生活保護や身体障害者手帳の交付を受けている人は、自己負担分も公費で賄われます。
 角膜移植手術の入院期間は、7日間〜10日間です。
  拒絶反応は?
     腎臓や心臓の移植では拒絶反応が問題になりますが、角膜には血管がなく、血液が流れていないため、拒絶反応は起こりにくいです。
 血管がないはずの角膜に多数の血管が入り込んでいる病気の場合、拒絶反応が起こりやすいため、角膜移植が受けられるかどうかは慎重に判断されます。
角膜移植を提供したい人
  アイバンクに連絡
     自身の死後、角膜の提供を希望する人は、近くのアイバンク(眼球銀行)に連絡をします。登録や、そのほか、詳しいことを教えてもらえます。
 生前に登録していなくても、遺族が提供を希望する場合、アイバンクに連絡すれば提供することができます。
 アイバンクは全国各地に設立されています。
  提供希望者が死亡したとき
     眼球は死後6時間〜12時間以内に摘出する必要があります。死亡した場合、アイバンクへの連絡はできるだけ早く行います。
 連絡があると医師が出向いて眼球を摘出し、その後はプラスチック製の義眼を入れるので外見は摘出前と変わりません。
 摘出された眼球は、眼球保存液内で4℃に保たれ、1週間〜2週間以内に移植されます。一部の角膜は緊急用に使用するため、冷凍保存されます。

アカントアメーバ角膜炎かなと思ったら?
予防に努める
  イメージ画像 アメーバは感染しにくい病原体です。正しくコンタクトレンズを使用していれば、感染することはほとんどありません。
 しかし、いったん感染してしまうと、診断・治療は困難を極めます。
 アカントアメーバ角膜炎は、正しい方法でコンタクトレンズを使用し、予防することがもっとも大切になります。
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