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 外傷性視神経症
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外傷性視神経症ってどんな病気?
打撲による視神経の障害
  イメージ画像 眉毛部外側の上部近くを打撲することにより、視神経管内で視神経が障害されます。そのため、障害を受けた側と同側の視力障害・視野障害が現れます。
 視神経管は、視神経が頭蓋内に入っていく際に通るトンネルのような細い骨の穴のことです。視束管(しそくかん)とも呼ばれます。
光覚を失うことも
   重症の場合、光覚(こうかく)を失うこともあるため、緊急に眼科的検査、診断、そして治療が必要になります。
 光覚とは、光の強弱や光の来る方角などを認識する感覚で、色覚・動作覚・形態覚などを加えて視覚となります。

外傷性視神経症の原因は?
視神経管内の浮腫や循環障害
  イメージ画像 多くの場合、外傷の衝撃によって視神経管内で視神経線維の血管原性浮腫(けっかんげんせいふしゅ)・むくみや、循環障害によって起こります。
 視神経管内の血腫(けっしゅ)による圧迫、視神経管骨折による視神経の直接損傷が、CTなどの画像診断で確認されることもあります。
交通事故など
   原因としては、オートバイや自転車などによる交通事故が多くみられます。この他にも、墜落事故、前額部の強打が原因として多く報告されています。
 どのような原因であっても、眉毛部を強くぶつけた時は、注意が必要になります。

外傷性視神経症の症状は?
視力低下や視野障害
  イメージ画像 眉毛の外側の打撲にともなう同側の著しい視力低下、視野障害が起こります。視野障害では、上半分が見えないなどの水平半盲(すいへいはんもう)が多くみられます。受傷直後がもっとも高度です。
 鼻出血をともなうこともあります。
症状があっても自覚できないことも
   打撲による意識障害があったり、受傷直後でまぶたが腫れていて眼が塞がっていることもあるため、症状があっても自覚できない場合もあります。
 このように症状が自覚できないこともあるため、受傷直後は早期に眼科専門医による診察・検査が大切になります。
予後
   受傷直後から光覚消失が持続するような重症の場合、骨折した骨片により視神経が直接障害されてしまった場合、手術療法や薬物療法を行っても、視力回復の予後は不良です。
 受傷後の視力低下が高度な場合、視力の回復は難しくなります。軽度の場合では回復が期待でいますが、完全な回復は難しいのが現状です。

外傷性視神経症の診断は?
瞳孔反応検査
  イメージ画像 ベッドサイドや緊急外来など、早期の検査として瞳孔反応検査(どうこうはんのうけんさ)が有効です。
 両眼の瞳孔に交互に光を当てて、対光反応の左右差を調べる検査です。受傷側を2秒照らし、素早く反対側へ移して2秒照らし、再び受傷側を2秒照らします。左右差が明らかな場合、視神経障害の可能性が高くなります。
 意識障害がある場合でも、行うことができる検査です。
他の病気との鑑別
   自覚症状としては、受傷時と同側の片眼性の視力低下・視野障害が起こります。両眼性に生じることはなく、心因性視力障害や詐病との鑑別が必要になります。
 心因性視力障害や詐病との鑑別のため、眼底検査の結果は定期的に残しておきます。
 詐病では、交通事故による受傷で何らかの利益を得ようと、症状を訴える患者さんが存在します。
さらに詳細な検査
   瞳孔反応検査が陽性の場合、視力検査、視野検査、眼底検査など、眼科的検査を進めていきます。
 画像診断としては、視束管撮影、眼窩部CT検査を行い、骨折や血腫の有無を確認します。MRI検査では、視神経の浮腫や出血が確認できます。

外傷性視神経症の治療法は?
外科的手術療法
  イメージ画像 画像検査で明らかな骨折が認められた場合、脳外科医による視神経管開放手術と呼ばれる観血的治療(かんけつてきちりょう)が必要になります。
 手術後は、薬物療法を併用して治療を進めます。
 積極的薬物治療に反応して回復した視機能が再び悪化する場合、血腫の存在が疑われます。この場合、視神経管減圧術を行うことがあります。
薬物療法
   画像診断で明らかな骨折が認められない場合、視神経管内の視神経線維の浮腫を軽減させるため、全身状態に問題がなければ、マンニトールなどの高張浸透圧薬(こうちょうしんとうあつやく)の点滴、プレドニゾロンなどの副腎皮質ステロイド薬の点滴を行います。
 神経保護作用のあるメチコバールなどのビタミンB12剤、循環改善薬の内服を行います。
療法方針
   明らかな骨折のない患者さんの場合、非観血的治療・積極的薬物療法を行うべきとする考え方と、すべての患者さんに対して観血的治療・視神経管減圧手術を行うべきとする考え方があります。
 決定的な治療法がなく現在でも結論は出ていませんが、積極的薬物治療を考えるべきという傾向になっています。
 最近では、受傷直後にメチルプレドニゾロン超大量療法を行うことが試みられています。

外傷性視神経症かなと思ったら?
眼科へ
  イメージ画像 眉毛部を強く打撲してしまった場合、まずは見え方の左右差を比較してください。片目ずつ手の平で隠して、同じように見えるか試してみます。
 視力・視野に異常を感じたら、早急に眼科専門医の診察を受けるようにしましょう。
 まぶたが腫れて眼が開かない場合、意識がない場合でも、眼科医による瞳孔反応検査は受けるようにしてください。
 眼機能の回復には、早期発見・早期治療が、とても重要な病気です。
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