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抗利尿ホルモンの分泌・作用障害 |
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抗利尿ホルモンの分泌、または作用障害が原因となります。
抗利尿ホルモンの分泌低下は、中枢性尿崩症とも呼ばれます。脳腫瘍や胚芽腫(はいがしゅ)、重症成長ホルモン分泌不全性低身長症を伴った下垂体自体の障害などが原因です。原因不明の特発性の場合も多くあります。
抗利尿ホルモンの働きが悪い場合は、腎性尿崩症と呼ばれ、抗利尿ホルモン受容体の遺伝子異常や、腎臓の水チャンネルの遺伝子異常によるものがあります。 |
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そのほかの原因 |
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交通事故などによる脳の外傷、脳の手術後などに起こることもあります。 |
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最近の研究では |
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脱水時には、細胞に水分を取り入れるたんぱく質「アクアポリン」が尿細管の細胞内部から細胞の表面へ移動し、尿から水を吸収します。しかし、尿崩症は脱水状態でもアクアポリンが細胞表面に移動せず、尿からの水の取り入れができないため、脱水状態が続くということがわかりました。
アクアポリンを細胞内部にとどまらせる「柵」の働きをするたんぱく質「トロポミオシン」の量や働きを調節することで、今まで治療できなかった尿崩症の新薬開発できるかもしれないと考えられています。 |