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軟骨肉腫


軟骨肉腫ってどんな病気?

原発性の悪性腫瘍

 

軟骨 骨肉腫に次いで二番目に多い、骨に原発する悪性腫瘍です。
 骨肉腫やユーイング肉腫では、若い人に多い病気です。軟骨肉腫では、20歳代〜30歳代に多くみられます。また、40歳代、50歳以降のさらに高い年代にも多く発症する病気です。

悪性度は低い

 

 軟骨を作る細胞が、ガン化した病気です。
 悪性度の高いものから、低いものまでさまざまです。大部分は悪性度が低く、顕微鏡で見た細胞の形や組織からは、良性の軟骨腫と区別がつかないこともあります。
 そのため、エックス線画像検査も参考に、総合的に診断を行う必要があります。
 悪性度が低いため、大きくなる速度は、比較的遅く、腫瘍としての性質は大人しいと言えます。
 抗ガン薬・化学療法、放射線療法による効果がないため、手術による外科的治療が唯一有効な治療法になります。

進行が遅い

 

 悪性度が低いため、大きくなる速度は、比較的遅いのも特徴です。腫瘍としての性質は大人しいと言えます。
 しかし、抗ガン薬・化学療法、放射線療法による効果がないため、手術による外科的治療が唯一有効な治療法になります。

一次性と二次性

 

 最初から骨に悪性腫瘍として発生したものを、一次性軟骨肉腫と呼びます。
 骨軟骨腫・多発性外骨腫、軟骨腫の良性骨腫瘍が悪性化したものを、二次性軟骨肉腫と呼びます。
 二次性軟骨肉腫は、年齢がやや若い傾向があり、予後は比較的良好です。

起こりやすい部位

 

 上腕骨(じょうわんこつ、二の腕の骨のこと)、大腿骨(だいたいこつ、ももの太い骨のこと)、脛骨(けいこつ、膝から下のもっとも太い骨)が好発部位です。
 骨盤(こつばん)、肩甲骨(けんこうこつ)、扁平骨(へんぺいこつ)、肋骨(ろっこつ)などにも、発生することがあります。


軟骨肉腫の原因は?

原因不明の病気

 

原因究明中 軟骨肉腫が発生する原因は、まだわかっていません。


軟骨肉腫の症状は?

気付きにくい軽い症状

 

痛み 軟骨肉腫が小さい時は、痛みはなく、比較的ゆっくりとした速度で大きくなります。
 自分でも気が付くほどの大きさに成長すると、痛みを訴えるようになります。次第に痛みは増し、鎮痛薬が必要になっていきます。
 腫瘤が非常に大きくなると、関節の動きが障害されるようになります。

二次性軟骨肉腫

 

 以前からあった、腫れものやコブなどの腫瘤が急速に大きくなり、痛みをともなうようになることがあります。
 この場合、良性の骨軟骨腫が、悪性化した可能性が考えられます。

病的骨折

 

 腫瘍のために骨の強度が弱くなり、小さな力でも骨折してしまう病的骨折を起こし、急激な激痛を感じることがあります。


軟骨肉腫の診断は?

画像検査

 

レントゲン検査 エックス線画像検査で、骨の破壊を確認することができます。軟骨肉腫が存在する部位の骨は太くなり、内部には石灰化と骨破壊がみられます。
 骨のシンチグラフィー検査(アイソトープによる画像で腫瘍を見付ける検査)、CT検査、MRI検査が行われます。軟骨組織の診断には、MRI検査が活用されます。
 年齢と、エックス線検査によって、骨肉腫との区別はつきやすい病気です。しかし、最終診断には、腫瘍の小片をとって顕微鏡で組織をしらべる生検(せいけん)が必要になります。

組織検査

 

 骨軟骨腫の悪性化による二次性軟骨肉腫では、表面にある軟骨帽(なんこつぼう)が厚くなります。
 腫瘤が大きくなっているにもかかわらず、エックス線検査で基部の骨の大きさに変化がみられない場合、手術などで組織の検査を行う必要があります。


軟骨肉腫の治療法は?

転移の可能性は低い

 

手術 比較的、悪性度の低い病気なので、肺などの遠い臓器に転移する遠隔転移は少ないです。
 腫瘍が非常に大きくなると、遠隔転移を起こすことがあります。

有効な治療は手術

 

 骨軟骨腫と、周囲の正常な組織を含めて、切除する手術を行います。
 腫瘍周囲の組織を1cm〜3cm付け、腫瘍をのものは見えないように取り除く、広範切除術を行います。
 骨肉腫や、ユーイング肉腫のように、化学療法や放射線療法では、効果が期待できません。

症状に応じた手術法

 

 腫瘍の部分は完全に切除します。
 その後、腫瘍用人工関節などに置き換える方法。腫瘍のできた骨を腫瘍ごと取り出した後、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で処理を行い、元に戻す方法。上肢の非荷重の骨関節では、切除した腫瘍骨を20分で50グレイ〜60グレイで一括放射線照射して、腫瘍細胞を撲滅し、骨関節として再利用する方法。自分の骨を移植する方法などがあります。
 さまざまな方法によって再建手術を行い、腕や脚を失わないで済む、患肢温存手術(かんしおんぞんしゅじゅつ)が行われます。最近では、微小外科を応用して軟部組織の再建を積極的に行っています。
 腫瘍が巨大で、部分的な切除が不可能な場合、やむを得ず手足の切断術、腕や脚の関節からの離断術が行われます。

補助的な治療

 

 悪性度の高い未分化型、特殊型の軟骨肉腫では、手術だけでは転移を防ぎきれない場合があります。
 こうした時には、補助的に、抗ガン薬などによる化学療法が行われます。
 通常型の場合、補助的な化学療法は行いません。

予後

 

 手術による5年生存率は、60%以上になります。
 治療を開始した時に遠隔転移がない場合、5年生存率は70%以上になります。


軟骨肉腫かなと思ったら?

総合病院へ

 

医者 骨軟部腫瘍専門医のいる病院を受診するようにしてください。
 かかりつけ医、主治医から、紹介してもらうのが良いでしょう。

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