そらいろネット > 家庭の医学 > 運動器の病気 > テニス肘・上腕骨外顆炎
肘から前腕の痛みで、ラケットを握ることが難しい タオルを絞ったり、車のドアを開けるなどの動作で痛みを感じる
頸部脊椎症(けいぶせきついしょう) 腱鞘炎(けんしょうえん) 慢性関節リウマチ
テニス肘の別名を、上腕骨外顆炎ともいいますが、テニス肘と呼ばれる方が一般的です。
テニスをする人だけでなく、肘の関節の曲げ伸ばしを繰り返す職業の人にも起こる病気です。農業の方や、工員の方に多い病気です。 また、事務員や、主婦などにも起こる病気です。
テニスの場合、ボールを打つたびに、手首や指を伸ばす筋肉に過度の負担がかかります。この筋肉は伸筋腱(しんきんけん)と呼ばれる筋肉のことです。 この伸筋腱が付着する肘の外側に痛みを伴う炎症が起きます。これをテニス肘といいます。
テニスのサーブをバックハンドでレシーブしたときに最も多くみられます。しかし、テニス以外のスポーツでも起こります。
バックハンドストロークのフォームが不適切で手首に負荷がかかる打ち方をしている、肩や手首の筋肉が弱い、ラケットのガットの張りが強すぎる、ラケットが短すぎる、ラケットの中心でボールをとらえていない、濡れて重くなったボールを使用したなどが挙げられます。
ラケットを持ってボールを打つと、肘から前腕にかけて痛みが走ることから始まります。 ついには、痛くてラケットを握ることができなくなります。
日常生活でも、肘を少しでもねじるような動作をすると、痛みを感じます。 タオルを絞る、ドアノブをひねるなどの動作で、強い痛みを感じます。
肘をひねる動作を行うと痛みを感じるため、手の力が弱くなります。皿やコーヒーカップを持つことが難しくなったり、落としやすくなったりすることもあります。 しかし、手首や指の関節がはれたり、運動が制限されるようなことはありません。また、筋肉が痩せることもありません。 肘の外側を指で押すと、痛むところがはっきりとわかります。
まずはなによりも、肘の安静が一番重要となります。治るまでには、数ヶ月〜半年以上かかることがあります。 そのため、テニスを中止し、できるだけ手を使うことを制限することも必要になります。
抗炎症剤の軟膏を局所に塗ったりすると効果があります。また、炎症鎮痛剤も効果があります。そして、ホットパック、マッサーッジも併用して行います。 テニス肘用のサポーターなども市販されています。