ナミマガシワ

[和名・種類]

ナミマガシワ

[学名]

Anomia chinensis

[英名]

Jingle shell

[名前の由来]

波間柏。殻が浜辺に打ち上げられている様子から。

[分布]

北海道南部以南

[科名]

二枚貝綱イタヤガイ目ナミマガシワ科

[特徴・解説]

　潮間帯〜水深5mの岩や木材に足糸で固着して生息するナミマガシワ。
　殻長は約4cm、殻高は約4cmになるナミマガシワ。付着生活のため、形は一定ではありません。質は薄く、黄色、白色、赤褐色など変化に富みます。貝の足糸は、普通は前方の隙間などから出ていますが、ナミマガシワの足糸は石灰質の栓のような形になって岩に密着しています。右殻は扁平で、殻頂にある丸い足糸開口から足糸が出ます。左殻は多少膨らみ、大きな足糸孔があります。
　貝が死ぬと、岩についている右殻は容易に剥がれませんが、左殻は容易に剥がれて浜辺に打ち上げられます。

[観察・感想]

　打ち上げられたナミマガシワの写真です。
　いつも同じ場所で貝殻拾いをしたり、貝殻の写真を撮っているので、見付けられる貝殻も同じ種類ばかり。そんなわけで、ナミマガシワの貝殻の写真がいっぱいです。貝殻拾いに行けば、必ず出会うことができる貝殻のひとつです。
　ありふれた貝殻ですが、貝類の知識がなかったころは、種類がわからない謎の貝殻でした。透き通っていて、とても綺麗なんだけど、種類がわからない。自分の心の中では、カキやアワビなどの貝殻が、波に洗われて擦り減っていき、このような形の貝殻になるのではないかと思っていました。
　でも、貝類や生物の図鑑を購入し、博物館にも通っているうちに、ナミマガシワっていう種類の貝殻だということがわかりました。もともと、こんな感じの薄い貝殻でした。二枚貝の仲間で、カキのように他の物にピタッと張り付いて生息しています。貝殻付きのホタテガイを購入すると、ナミマガシワがピタッと張り付いていることがあります。

[写真撮影]

2008年12月15日