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 ヤマモモ

ヤマモモ

[名前・種類] ヤマモモ
[学名] Myrica rubura
[英名] Wax myrtle
[名前の由来] 山桃。山に生え、モモのような果実を付けることから。
[分布] 関東地方南部以南、四国、九州、沖縄、朝鮮半島南部、中国、台湾、フィリピン
[科名] ヤマモモ科ヤマモモ属
[花色] 赤色
[花期] 3月4月
[特徴・解説]  千葉県以西の照葉樹林に多く生える常緑高木。
 高さは5m〜10mになりますが、大きなものでは25m、直径1mに及ぶものもあります。幹は多数分枝し、ほぼ球形の樹冠を作ります。樹皮は灰白色〜赤褐色で、細かいちりめん状のシワがあり、老木では浅く縦に裂けます。本年枝はしばしば赤色を帯びますが、のちに灰白色になります。楕円形の皮目が多いです。
 葉は互生し、幅1.5cm〜3cmの倒披針形で革質です。先端は鈍く、基部はくさび形で葉柄に流れます。縁は前縁か小さな鋸歯がまばらにあります。若木の葉には、鋭い鋸歯があります。両面とも無毛です。裏面には淡黄色の透明な油点が散在し、芳香のある揮発成分を含みます。
 雌雄別株です。葉のわきに円柱形の花序を出します。雄花序は長さ約1cmです。花に花被はなく、苞1個と小苞2個に包まれますが、雄花ではしばしば小苞を欠きます。雄しべは5個〜8個です。花柱は赤色で1個、2裂して花の外に突き出ます。
 果実は直径1.5cm〜2cmの球形の核果です。6月頃に紅色〜暗赤色に熟して食用になります。食べる部分は外果皮が液質に肥大したもので、表面には密に粒状の突起があります。核はやや扁平な卵形で、淡褐色の毛に覆われています。
 庭木、公園樹、街路樹として植栽されます。香川県琴平山では、ヤマモモが優占する森があります。果実は甘酸っぱく、生食のほか、砂糖漬け、ジャムなどに加工します。徳島県が有名な産地です。樹皮にはタンニンが含まれ、漁網を染める染料や薬用に利用されます。材は器具材として使用されます。
[感想]  最近は公園樹として見かける機会が多いですね。栄養の少ない場所でも良く育つため、公園樹や街路樹として重宝されているようです。肥料を与えなくても良く育ち、赤い果実を実らせてくれます。でも最近の人は、ヤマモモの木の実が食べられるということを知らないみたいですね。ほとんどの木の実が、人にも鳥にも食べられることなく、地面に落ちています。少し高い場所に果実がつくので、採るのがちょっと大変だっていうのもあるんですけどね。ヤマモモの種子は、鳥に食べられることによって発芽しやすくなるという特徴もあります。
 花や果実がないと、ホルトノキにそっくりです。私のように植物の見分けが苦手な人にとっては、ホルトノキもヤマモモも、同じ種類の樹木に見えてしまうのではないかと思います。正直なところ、花も実もないヤマモモの木は、これといった特徴のない樹木なんですよね。私自身、家の近くの公園にヤマモモが植栽されていたんですが、その存在に気が付きませんでした(^^;)
[写真撮影] 2008年04月06日
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