明治時代中期まで、ニホンアシカが生息していたことから「海獺島」と名付けられました。難しい漢字を当てていますが、通称は「アシカ島」です。久里浜港のすぐ沖にある、2つの岩からなる無人島です。
今はアシカはいなくなりましたが、アシカは漁師さんに嫌われていたので、すべて殺されてしまったらしいです。江戸時代末期には、浦賀奉行所の役人が捕まえて食用にしていたようです。
片方には灯台があり、もう片方には波と風の観測を行うアシカ島海象観測ステーションがあります。
アシカ島観測所では、1962年(昭和37年)以来、波浪と風の観測を行っています。これまで、アシカ島では海象観測機器の開発や実用化試験が行われてきました。超音波式波高計(USW)や超音波式流速計型波向計(CWD)も、ここで研究開発された成果のひとつです。2010年(平成22年)には鉛直10層で流速を観測できる海象計を導入しました。アシカ島は全国港湾海洋波浪情報網(NOWPHAS)の波浪観測地点のひとつになっています。
海獺島の東南東約360mには、笠島(かさしま)があります。略最低低潮面で0.9mです。周辺には危険な暗礁があるので、笠島灯浮標が設置されています。アシカ島と笠島灯浮標の間は、危険水域となっています。座礁事故の多い場所で、標識設置後もプレジャーボートによる座礁事故が発生しています。
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