本尊は阿弥陀三尊です。高さ3尺あり、運慶の作と伝えられています。1189年(文治5年)、和田義盛が運慶に命じて作らせたとの木簡があります。
実際には1558年(永禄元年)に鎌倉の大仏師・長勤によって作られました。仏像体内背面には墨書銘に「中興願主観社音誉、相州三浦郡津久井郷、永禄元年戊午八月朔日、大仏師長勤作次之」とあります。
寄せ木造、玉眼入りで、右手を上に、左手を下に、親指と人差し指で阿弥陀特有の上品下生(じょうぼんげしょう)の来迎印を結んでます。観音菩薩・勢至菩薩の脇侍は、わずかに膝を屈曲させて前かがみの姿勢をとっています。玉眼入り寄木造りで、像高は阿弥陀像が99.2cm、脇侍は60cmです。時代の特色が顕著に表れています。
1970年(昭和45年)、製作年代のわかる仏像として横須賀市の重要文化財に指定されています。
なお、阿弥陀三尊は正面の中尊が阿弥陀如来、右側の脇侍が観音菩薩、左側の脇侍が勢至菩薩になります。
長勤は「ちょうきん」や「ちょうごん」と読み、室町時代の鎌倉仏師です。鎌倉仏所に所属し、当時は広く活躍しました。横須賀市内にも往生院のほかに、2ヶ所で仏像があります。
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