西部太平洋の温帯海域に生息するアジ科の海水魚。
体長は1.1mになります。体は紡錘形で、丸みを帯びます。第1背鰭は小さく、5本〜6本の棘からなります。第2背鰭と臀鰭の後方に小離鰭がありません。暗青色で、腹部は銀白色、体側中央部に黄色縦走帯があります。上顎上部後縁は、角張ります。
食べ物は、肉食性で他の魚類を食べます。若魚はカタクチイワシなどの小魚、イカ類、オキアミなどを食べます。成魚はイワシ類、サバ類など浮魚の他、底魚も食べます。
産卵期は2月〜6月で、北陸地方以南と関東地方以南で産卵します。主産卵場となる東シナ海では、4月〜5月に産卵します。
孵化した小魚は浮遊し、稚魚、若魚はモジャコと呼ばれ、流れ藻について黒潮に乗って北上します。黄褐色の金属光沢があり、体側に6条〜11条の赤褐色横帯があります。体長約15cmになると、流れ藻から離れます。秋冬は南下して越冬し、春夏は東北地方〜北海道近海まで北上します。3年で60cmに成長します。
水深30m〜100m層を上下しながら回遊します。太平洋側を回遊する集団と、日本海側と回遊する集団があります。南部海域では、あまり移動しない瀬つき群もいます。
出世魚で、成長につれてワカシ、イナダ、ワラサ、ブリと名前が変わります。地方によって、さまざまな呼び名があります。
定置網や一本釣りなどで漁獲され、食用にされる美味な魚。養殖も行われています。刺し身、塩焼、照り焼きなどに調理されます。冬の寒ブリは、特に美味です。 |